小説 新昆類 (12) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】
「スペインから始めよう・情熱のボレロ……」
日本語は恐怖に蒼ざめ絶句する。虐殺の堕天使の耳に唸っていたのはあのボレロだった
とは!その反復旋律こそ古代道教の遺伝子をゆさぶる。そして九二年・平成四年と二九年
・昭和四年、この数学的類似性のシミュレーションこそ驚愕すべきである。他者を排除し、
己の血液の延長によって他者の空間を蹂躙してきた「単一民族」の共同幻想たる今日の日
本システムが過去の模倣子。他者を発見できね自己遺伝子こそは自己模倣子である。他者
を認知し自己遺伝子を他者に似せて改良するのだが、それは自己遺伝子の延長と増殖のた
めにあるがゆえに、あるうしろめたさがつきまとい、自己遺伝子の歴史は閉じられる。自
己生活史のみの市民主義こそ帝国。
欲望・心理・ギャンブル・予測・推論・自己模倣子増殖を推進するのは、数字の前衛た
る資本主義リアリズム。模倣子はある極限を表出し、数字言語の場と空間を支配する。九
十年代の模倣子たる日本経済を支配しているのは、見えざる神の手ではない。ヨハネ黙示
録によって記録されてきた数の獣たる見えざる怪物の額によって支配されている。
虐殺の堕天使イザベル女王のスペイン軍がグラナダを攻め落とし、ヨーロッパの地から
イスラム世界を追い出したのは一四九二年。同時に彼女の援助によりコロンブスはこの年、
新世界アメリカ大陸を発見する。その五百年後こそ一九九二年。
ローマ帝国植民地の轍から脱出し、その後ローマ教皇のもとで王権の配合によって支配
ソフトを蓄積してきたヨーロッパ各国は、十字軍遠征の過程で再度、軍を再建しローマ法
をとりいれた制度の構築、ユダヤ人を呼び寄せ、財政国庫の構築、農業の革命(氷河時代
の石をとりのぞく土地整備)、あの四分の一人口は絶滅したペスト危機内と外との他者と
の戦争事態によって、世界の中心へと周辺から浮上する。その文化的象徴としてイタリア
・ルネサンスと再度イスラムを回路にして習得したギリシア哲学の学習として文芸復古は
あった。ダンテ「神曲」の力強さこそ、ペストへの勝利宣言。
内延的発展こそが自己遺伝子、その本能としての遺伝子はよりペスト・ウィルスの試練
を受けて、大西洋にくりだす。中南米、南北アメリカ大陸、アフリカの文明を壊滅させ、
インド・中国・イスラム商人たちの貿易ルートを剥奪し、世界をつなぐ円環世界システム
を完結させる。今日、アフリカと南アメリカがいまなお経済的に低迷しているのは基層文
化が根底からヨーロッパによって破壊されたからだ。マザーボードなしのハードウェイは
ありえない。アジアはヨーロッパによる基層文化破壊を半分にくとめることができた。ゆ
えに経済は自立できるのであろう。
近世からの世界システムを円環として完結させ地球を誕生させたヨーロッパDNAのす
ざましいパワーをシミュレーションしないかぎり、現代世界システムを支配するイギリス
・USA(アングロサクソンによる二重帝国)・金融ユダヤネットワークを理解すること
はできない。文明とは帝国と城内領域の市民に他ならず、ゆえに領域をめぐって文明は衝
突する。人間の顔をした自己遺伝子と模倣子こそ文明の衝突である。戦略的部品としての
日本語はあらかじめ文明意識が欠落し、強烈な危機意識もなく、おめでたく自己遺伝子と
模倣子が自壊している敗北の過程にある。不良債権としての国債にたよってリスクを未来
に先延ばししながら生活する「わが亡き後に洪水よ、来れ」の死を取り込んだ孤独な老人
となった。閉じられた文明の衰退。日本市民主義の終焉として死の教室がやってきた。
死の踊り、死の教室はウィルスに感染した虐殺の堕天使たちによって、表土喪失上の第
三自然たるデジタル数字言語がシミュレーションする仮想現実によって表出する。一九九
二年三月五日朝、高知市で女子中学一年生が三歳年上の姉・私立高校一年生によって刺殺
された疑い。「妹が陽気で自分と余り性格が違い、ねたんでいた。包丁を準備していた」
と姉は自供する。メディア機関の報道に日本語は恐怖に震撼する。続いて三月五日夕刻、
市川市で十九歳の少年による一家4人殺害事件がおきる。またしてもマスメディアがたれ
流すテレビのブラウン管映像に日本語は打ちのめされる。おそらく姉は性格分析の心理学
の本でも読んだのであろう。心理学とは近代が誕生させた資本主義数字ゲーム・ギャンブ
ルにあった。
忘れてならないのは、八十年代の十年間、日本住民の日本語はテレビ局がたれ流すサス
ペンス殺人事件のシミュレーション・ドラマを脳天に刷り込まれてきた。テレビとは印刷
機。殺人の方法と死体を毎日・毎間昼間・毎夜中、テレビのブラウン管・閉ざされた四角
のフレームから、見せられ聴かされ、日本語は死の教室で飼いならされてきた。耳から電
波が印刷機として脳天に刷り込み・書き込み・データー改竄洗脳しCMは東京株式市場一
部に上揚されている企業提供。
リブングルームは死の教室・ネクロフェアの香り、無防備のまま周波数によって飼育さ
れてきた虐殺の堕天使たち。殺人が日常であり、幼少の頃からその心に殺意が蓄積され、
最終解決は刺殺、他はなしとする虐殺の堕天使は八十年代が産み落とした日本周波数の産
物であろう。かつて日本軍兵士は中国大陸を「殺し尽くし、奪い尽くし、焼く尽くす」三
光作戦を展開した。血債の復讐の女神は八十年代において虐殺の堕天使たちを日本市民社
会におくりこんだのである。
彼・彼女たちが日本鬼子としてシミュレーションを現実の出来事に転化する最終解決で
ある死の舞踏を開始するやいなや、その衝撃によって資本主義リアリズムの不均衡数字心
理は株式市場に感染し、九二年三月十六日、日経平均は二万円を割り、ずるずると崩落し
ていく。性格を分析する近代心理学の破綻である。
こうして心理学は九十年代事象を説明・分析できずに破綻を証明してきた。家族関係に
おける抑圧を古典的に説明するが、現代社会の病状を説明することはできない。日本株式
崩落と少年・少女殺人事件は連動しているウィルス周波数である。日本文明の壊滅と全的
滅亡が現出しているのだ。秩序なきモラルが展開される。
テレビ電波のウィルス(周波数)によって基層文化が破壊された虐殺の堕天使たちの日
本語は、その不均衡衝動がきわめて簡単に殺人に自己完結する。その自己遺伝子の心のか
たちは、まろやかな円または球ではない。四角の牢獄、テレビ画像・フレームのように閉
ざされた四角としてのハイパーモダンである。つねにギスギスと角張って、画一化された
トレンドとして日本語から自己遺伝子を防衛すべく、己の感受性を疎外する「もの」を殺
すのである。
日本の国旗は現在、日の丸としての紅い円であるが、それはうそである。白地に紅い四
角それが現在の日本精神を正確に表出する国旗であろう。四角のフレーム・四角の帝国に
われわれは閉ざされ、日本語のウィルスに犯されながら、死の舞踏を開始しろと、情熱の
音楽「ボレロ」によって耳から浸入する周波数によって強制されている。
ひとつの文明が全面的展開として崩落する、それが近代の終焉としての現在であり今日
も嵐が丘から死者たちの呼び声が聞こえる。あれは復讐の女神。
【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】
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- ヤン・コット, 坂倉 千鶴
- カディッシュ―タデウシュ・カントルに捧ぐ
- タデウシュ カントール, 鴻 英良
- 芸術家よ、くたばれ!
- タデウシュ・カントール, 松本 小四郎, 鴻 英良
- 死の演劇
- 倉田 光吾郎
- タタキツクルコト 1/1スコープドッグ制作日誌
- 巌谷 国士
- シュルレアリスムとは何か
- ジャン‐ミシェル バスキア, Jean‐Michel Basquiat, 日比野 克彦
- バスキア
- 広本 伸幸
- 猫も大好き!現代アート
- 森美術館
- クサマトリックス/草間弥生
- 川俣 正
- アートレス―マイノリティとしての現代美術
- 清水 穣
- 永遠に女性的なる現代美術
- 杉本 博司
- 苔のむすまで
- モーリス タックマン, キャロル・S. エリエル
- パラレル・ヴィジョン―20世紀美術とアウトサイダー・アート
- 岡本 太郎, 岡本 敏子
- 歓喜
- ユタ・グロズニック, ブルクハルト・リームシュナイダー, Ritsuko Hiraishi
- アート・ナウ―137人のアーティスト-新世紀の星-
- ジェイミー ジェイムズ, Jamie James, 福満 葉子
- ポップ・アート
- 佐野 敬彦
- アール・デコの世界〈1〉パリ―アール・デコ誕生
- 千足 伸行
- アール・ヌーヴォーとアール・デコ―甦る黄金時代
- 東京都現代美術館
- 草間弥生 ニューヨーク・東京
- 森村 泰昌
- 芸術家Mのできるまで
- 池田 満寿夫, 金田 石城
- 芸術家になる法
- エミール ディ・アントニオ, ミッチ タックマン, Emile De Antonio, Mitch Tuchman, 林 道郎
- 現代美術は語る―ニューヨーク・1940‐1970
- 佐々木 健二郎
- これがアメリカの現代アートだ
- 水戸芸術館現代美術センター
- こんどはことばの展覧会だ
- 塚原 史
- シュルレアリスムを読む
- 大竹 伸朗
- 既にそこにあるもの
- リヒャルト ヒュルゼンベック, Richard Huelsenbeck, 鈴木 芳子
- ダダ大全
- 鴻 英良
- 二十世紀劇場―歴史としての芸術と世界
- 椹木 野衣
- 日本・現代・美術
- 椹木 野衣
- 「爆心地」の芸術
- アンドレ ブルトン, Andr´e Breton, 巌谷 国士, 鈴木 雅雄, 永井 敦子, 小山 尚之, 谷川 渥, 星埜 守之
- 魔術的芸術
- アントニー メイソン, Antony Mason, 八木 恭子
- マルチ・メディアと美術 現代美術のゆくえ 現代美術のゆくえ ジャコメッティ、デュシャン、ホッパー、オキーフ、ポロック、ウォーホルたち 名画で見る世界のくらしとできごと
- 会田 誠
- 三十路―会田誠第二作品集
- ジェイムズ・マイヤー, 小坂 雅行
- ミニマリズム
- アルテイシア
- 59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋
小説 新昆類 (13-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】
他者が発見できぬ文明は自壊する。アステカ王国・インカ帝国が滅んだのはイタリア・
ルネサンス以後である。なぜか? システムが自己完結した神話にあった。やがて海の向
こうからまれびとはくるスペイン人の白い人。世界史とは西ヨーロッパが戦争によって形
成した円環である。
「スペインから始めよう・情熱のボレロ」
「やっぱり私と同じ気持ちの人がいるんだとうれしくなった」
虐殺の堕天使たちの表層皮膚にウィルスは確実に自己遺伝子戦争として陣地を拡張して
いる。十六世紀のヨーロッパによる新大陸十字軍遠征。
アステカ王国、インカ帝国文明を壊滅し、北アメリカ大陸の先住民を壊滅状態に追いや
ったのは、ヨーロッパから持ち込まれたウィルスであった。ヨーロッパはアメリカ大陸か
ら種をもちこんだジャガイモ、さまざまな穀物の遺伝子によって食糧事情は革命的に発展
した。ヨーロッパ農業革命は南北アメリカ大陸の農業遺伝子に依存している。他者の自己
遺伝子を奪還し己の自己遺伝子に移植する、これがヨーロッパの動物的学習能力である。
なぜか? 対象を主体化できる・おそるべきイデオロギー戦闘力が内在しているからだ。
ルネサンスによってギリシア哲学を復興させたエルルギーこそ、ペストとの死闘が生成さ
せた。ホワイトハウスによる各国の国力ランキングにおいては、イデオロギーが軍事力と
同じレベルで評価されている。イデオロギー・思想なるものを蔑視し、思考する者を排除
してきた日本。
黒死病たるペストウィルスとの死闘は、六・七・八世紀の三百年間続く。そして世界
の終末を予感する一〇〇〇年、古代、植民地解放をなしとげたヨーロッパは、暗黒の森の
なかでひっそりと生き延びてきた。暗黒と孤独と絶望のなかで、ヨーロッパは神と対話し
てきた。内面の対話こそイデオロギー力である。こうしてヨーロッパは暗黒の森のなかで
強靭な内面と思考を形成する。戦闘的個人の誕生。
一〇〇一年、世界を継続させてくれた神への感謝として、ヨーロッパは教会を建設する。
広場の誕生とコミュニティが誕生する。そして深い森の中に街が。中世は明るい希望に満
ち溢れたかにみえたが、十四世紀、再度、ペストウィルスがヨーロッパを襲う。またして
も中世は暗黒となった。「世界は暗黒だった、はじめに光が誕生した。光こそ言葉だった」
ヨーロッパは古代から中世、九百年間をかけて、言葉を主体化したのである。言葉はペ
ストウィルスに打ち勝つ強靭な自己遺伝子となった。ペストウィルスとの死闘こそヨーロ
ッパを周辺から中心に浮上させ大航海時代を生成させるのである。モンゴル帝国への旅を
記録した書物こそバイブルとなった。記録する力としてのイデオロギ-、ある世界観をも
った言葉こそ、ヨーロッパが暗黒の九百年間を生き延びてきた自己遺伝子である。それ
は他者システムを評価する力でもある。ヨーロッパは大航海時代を他者を発見するイデオ
ロギー戦争としてかまえた。その前衛こそ宣教師である。ヨーロッパが黄金を求めて航海
したというのはうそである。ヨーロッパは食料の品種を求めて航海したのだ。
事実、アフリカ・アメリカ・アジア大陸から持ち帰った新食料の種は、ヨーロッパを飢
餓から解放した。いまだ氷河期の残像を残すヨーロッパの土地は貧しかった。
一九九一年湾岸戦争とソビエト連邦解体をもって、五十年代からの冷世界大戦、強烈度
各個撃破戦争にUSA・イギリスは中途半端のまま勝利した。新世界秩序とはアナクロニ
ズムと反動的要素の反復としてあり、USAに国際政治で追随する日本語は天皇制結婚フ
ィーバーの入管言語となる。「戦争が終わったなら天皇制である故郷の丘に帰ろう」これ
が日本語の琴線であり、美しい和音の調べである。幕末内戦後明治維新における明治天皇、
三千万人の中国人・朝鮮人・台湾人・香港人・マレーシア人・ベトナム人・カンボジ
ア人・フイリピン人・シンガポール人・インドネシア人をぶち殺した大日本帝国の敗戦に
おける昭和天皇、朝鮮戦争休戦後における平成天皇結婚式、ベトナム戦争終戦後における
昭和天皇、そして昭和史と敗戦後四五年間を気分としてふりかえる天皇代替わり、冷戦終
結・湾岸戦争の国際政治と日本国内の動揺をひとつの感情に統合する皇太子弟結婚・皇太
子結婚祝祭。
この自己遺伝子は七世紀からの古代律令体制による血液主義に原点がある。
自然生成する虐殺の堕天使たちの不均衡衝動と政治支配統合を推進するシステム成員たち
の日本語は、あますことなく現在の日本精神である極限的な四角の心を表出する。他者と
しての世界を理解するのでなく、己の感受性を四角の監房に閉じ込め、外部との回路を封
鎖する。日本の国是はいまなお天皇制自己遺伝子にあり、日本語の故郷はこの人間不在の
中心なき権威ある場所である。堕天使たちは人間不在のウィルスに犯される。そのウィル
スは日本語として無防備な耳から浸入する周波数だった。
大日本帝国による大東亜共栄圏を自己実現させ、アジアによって敗北をとげた日本語は、
一九四五年八月十五日、再度、己を人種差別主義者として自然生成させるべく天皇制自己
遺伝子に組織された。その日、虐殺の堕天使たちは全員、ラジオの前に座らせられ昭和天
皇の声をはじめて聞かされたのである。メディア神学の誕生だった。
敗戦という事実の前に虚脱化された日本語の存在と無は、耳から浸入した天皇自己遺伝
子によって再組織・再システム設計の書き込みを印刷された。周波数によって書き込みさ
れるのは、堕天使たちの脳天内部にあるハードディスク。ラジオこそがWINDOWS。
どのソフトが堕天使たちの脳天に印刷機をオフセットするのか。これがイデオロギーの本
性たる自己遺伝子の記録装置の容量をめぐる、見えない闘争であろう。そして堕天使のハ
ードディスクはスキャンディスクできない。すぐさま天皇自己遺伝子である日本語によっ
て書き込まれるそのプログラム言語とは周波数である。
目は批判能力を持つが耳はあまりにも無防備である。耳の内部にあるバランス装置は起
動し、人は立ち歩行をする。耳はシステムディスクである。耳は空間で人が生き延びるた
めのセンサーであるから、マザー基盤にあるCPU。日本語のウィルスは耳を制度化し、
次に目を制度化する。堕天使たちのバランス感覚と中枢神経は日本語によってシステム設
計されてきた。
一九四五年八月以降、すぐさま労働運動の先頭をきって闘ったのは、強制連行され収容
され労働を強いられていた中国人・朝鮮人・台湾人の人々だった。治安維持法を撤廃せよ
と刑務所におしかけ、日本政治犯を出迎えたのも、その人々だった。日本人は虚脱にあっ
た。朝鮮と台湾は日本の植民地であり、中国の満州と呼ばれた東北部は日本が生成させた
擬似国家である。中国人・朝鮮人・台湾人は大日本帝国の臣民とされた。しかし、恐怖し
た天皇自己遺伝子は、すぐさま植民地から連行してきた日本臣民を外国人登録法の天皇命
令による成立によって、植民地臣民を外国人と法律として制度化したのである。この大日
本帝国最後のそして敗戦後最初の法律施行は、敗戦後日本国是として、今日まで規定して
いる。ゆえにいまでも在日外国人は税金を納めているが市民権も選挙権もない。
外国人登録法の成立と天皇戦争犯罪責任皆無は、敗戦後日本の人種差別政策を、システ
ム化し、敗戦後日本の主体として自然生成する。犯してはならない神聖な価値観は軍国主
義から経済主義へとみごとに転回された。すでに、耳の制度化によって天皇自己遺伝子に
よって再組織されていた日本語は、外国人登録法に反対する運動を表出できなかったばか
りか、みずからが戦争の被害者であったとする生活人へと転回する。日本市民主義の誕生
である。豊臣秀吉以来の侵略戦争として展開した大東亜共栄圏という世界イメージの奪還
に失敗した日本語は、憎悪したUSA・イギリス・鬼畜米英にひれふした。自己遺伝子を
笑ってかくしながら経済戦争へ一億総決起していった。模倣子が再起動する。倫理と論理
なき動物的本能たる自己遺伝子の方向がシステム設計される。
自己遺伝子は己の都合の悪い事実を消却し、現在の自己解釈物語を模倣子によってコピ
ーする。模倣子とは学習能力であり、ハードディスクという世界を認知、自己遺伝子を送
り込むための前線である。ヨーロッパの自己遺伝子と模倣子は「植民地」である。ローマ
帝国からの植民地解放こそヨーロッパの自己遺伝子であり、大航海時代以後、ヨーロッパ
は植民地を形成する、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸、太平洋・オーストラリア・オセ
アニア、東南アジア、そしてヨーロッパからの入植者自身が母国に対し、植民地解放・自
主独立国家建設を、ヨーロッパの原点であるローマ帝国からの植民地解放を反復するので
ある。太平洋・太平洋に囲まれた新大陸にふたたびヨーロッパ諸国が誕生する。スペイン
・ポルトガルからローマ教皇の指導のもとで、南アメリカ大陸に植民者による独立国が誕
生する。スペインとの戦争に勝利したイギリスからUSAがカナダが、太平洋のオースト
ラリアが、ニュージランドが植民者によって自主独立国家が誕生する。イギリス教会の王
に指導されたアングロ・サクソン族の世界連邦である。ヨーロッパの自己遺伝子と模倣子
はまず植民地を形成し自主独立する、この再起動である。反復こそが動物的本能としての
自己遺伝子と模倣子、これが民族と文明の衝突だ。
洗練された西ヨーロッパが倫理と論理において隠しているのは、おのれ自身が動物的本
能として内臓しているシステム設計としての遺伝子と模倣子。イギリス王族が教皇である
イングランドと、いまなおイギリス島を支配したアングロサクソン族に屈服していないロ
ーマ帝国時代からのアイルランドの死闘こそは、スペイン・フランスに類似する。世界は
古代部族なのだ。
人類解放の理想が葬り去られた社会主義以後の資本主義を世界モデルとして絶望として
表出したのが、ユーゴスラビア解体と民族主義による戦争であろう。第二次世界大戦、ド
イツ軍を敗北させ、バルカン民族の恒久平和の理想として誕生したのが、チトーと共産主
義者同盟に指導されたユーゴスラビア連邦だった。ユーゴスラビア共産主義者同盟は、自
主解放したインド、中国とともに、第三世界の希望の星だった。
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- 東芝EMI
- 霧の旗
- ジェネオン エンタテインメント
- ザ・商社-全集-
- 松竹
- 砂の器
- ビクターエンタテインメント
- 砂の器 DVD-BOX
- バップ
- 火曜サスペンス劇場2 鬼畜
- バップ
- 火曜サスペンス劇場3 黒の回廊
- アミューズソフトエンタテインメント
- 黒革の手帖 DVD-BOX
- 松竹
- 霧の旗
- 松竹
- 砂の器
- 松竹
- 顔
- 松竹
- 波の塔
- 松竹
- 風の視線
- 松竹
- 影の車
- 松竹
- 天城越え
- 松竹
- 張込み
- 松竹
- 眼の壁
- 松竹
- ゼロの焦点
- 松竹
- 球形の荒野
- 松竹
- 無宿人別帳
- 松竹
- わるいやつら
- 松竹
- 疑惑
- バップ
- 松本清張スペシャル 指
- ジェネオン エンタテインメント
- 松本清張 けものみち DVD-BOX
- 東宝
- 告訴せず
- ミシェル マフェゾリ, Michel Maffesoli, 古田 幸男
- 政治的なものの変貌―部族化・小集団化する世界
- スーザン小山
- 白人の国、インディアンの国土―正義と賭博と部族国家
小説 新昆類 (13-2) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】
一九七三年の春、わたしは三田にあるNECの工場に高卒としてつとめていた。その頃
の三田工場は外見は古びた工場だったが内部はやがて来るコンピュータ社会に向けた技術
開発の活気に満ちていた。朝はいつも駅から工場へいく路地にある店の立ち食いうどんだ
った。五月になると、仕事が終わる五時は、まだ明るかった。地下鉄の三田駅へ工場の門
から、細い路地を通っていくのだが、路地にはいつもいく喫茶店があった。ある日、遅刻
したのでNECの工場にはいかず、そのまま喫茶店に入った。日本共産党が発行している
「世界政治」は月二回の発行だが、よくそれを読んでいた。わたしは二十歳だった。
その頃の「世界政治」必ず掲載されていたのが、ユーゴスラビア共産主義者同盟とチリ
共産党の政策文章であった。ソ連共産党と中国共産党の全体主義とは違う、自主独立の路
線と第三世界運動に希望があった。しかし七三年の晩夏だったかもしれない、チリ民主連
合政府はクーデターによって転覆されてしまうのである。わたしは落胆する。そしてまた、
冬季オリンピックの街、ユーゴスラビア連邦の理想を体現した都市は、内戦によりズタズ
タに切り裂かれてしまう。世界イメージと文明の全的滅亡は、理想を捨て、民族主義の自
己遺伝子と模倣子という動物的本能を全体主義として表出したとき、九十年代現実として
自然生成したのだ。
【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】
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- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 愛と哀しみのボレロ
- ニホンモニター・ドリームライフ
- ドビュッシー / ラヴェル
- キングレコード
- ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵
- エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
- 《幻想交響曲》《ボレロ》熱狂ライヴ!
- 増田 義郎
- アステカとインカ黄金帝国の滅亡
- メアリ・ミラー, カール・タウベ, 増田 義郎, 武井 摩利
- 図説マヤ・アステカ神話宗教事典
- モーリス コリス, Maurice Collis, 金森 誠也
- コルテス征略誌―「アステカ王国」の滅亡
- デイヴィッド・M. ジョーンズ, ブライアン・L. モリノー, David M. Jones, Brian L. Molyneaux, 蔵持 不三也, 田里 千代, 井関 睦美
- ヴィジュアル版世界の神話百科 アメリカ編―ネイティブ・アメリカン/マヤ・アステカ/インカ
- カール タウベ, Karl Taube, 藤田 美砂子
- アステカ・マヤの神話
- レンゾ・ロッシ, 畑 舜一郎
- マヤ・アステカ・インカ文明
- 山瀬 暢士
- アステカ文明―発展と崩壊
- 柳谷 杞一郎
- マチュピチュ
- 義井 豊
- 世界遺産 アンデス・インカをゆく
- 大貫 良夫
- アンデスの黄金―クントゥル・ワシの神殿発掘記
- フランシスコ・デ ヘレス, ペドロ サンチョ, Francisco de Xerez, Pedro Sancho, 増田 義郎
- インカ帝国遠征記
- 増田 義郎
- インカ帝国探検記―ある文化の滅亡の歴史
- クォーク編集部, 増田 義郎
- 沈黙の古代遺跡 マヤ・インカ文明の謎
- 高野 潤
- カラー版 インカを歩く
- アントワーヌ・B・ダニエル, 阪田 由美子
- ピューマの影
- 牧 まさお, 真弓 香
- マジカル・インカへの旅―聖なる予言に導かれて
- 増田 義郎, 吉村 作治
- インカとエジプト
- フリオ・レ リベレンド, Julio Le Riverend, 本間 宏之
- キューバ経済史―新大陸発見から植民地主義克服まで
- ロバート・S. デソウィッツ, Robert S. Desowitz, 古草 秀子, 藤田 紘一郎
- コロンブスが持ち帰った病気―海を越えるウイルス、細菌、寄生虫
- クライブ カッスラー, ポール ケンプレコス, Clive Cussler, Paul Kemprecos, 中山 善之
- コロンブスの呪縛を解け〈下〉
- 宮崎 正勝
- ジパング伝説―コロンブスを誘った黄金の島
- エリック ウィリアムズ, Eric Williams, 川北 稔
- コロンブスからカストロまで―カリブ海域史、1492‐1969〈1〉
- ラウラ・ラウレンチック・ミネリ, 増田 義郎, 竹内 和世
- インカ帝国歴史図鑑―先コロンブス期ペルーの発展、紀元1000~1534年
- クラウス・ブリングボイマー, クレメンス・ヘーゲス, シドラ 房子
- 海に眠る船 コロンブス大航海の謎
- 木村 三千人
- さつまいも史話―コロンブスから芋地蔵まで
- 市原 健志
- 資本主義の発展と崩壊―長期波動論研究序説
- 前川 玲子
- アメリカ知識人とラディカル・ビジョンの崩壊
- 山口 正之
- 社会主義の崩壊と資本主義のゆくえ
- ボリス グロイス, 亀山 郁夫, 古賀 義顕
- 全体芸術様式スターリン
- バーマン アサド, Bahman Azad, 有川 ひふみ, 向井 亨, 杉本 芳夫
- ソ連はなぜ崩壊したのか―英雄的たたかいと苦い敗北
- 山田 由美子
- 第三帝国のR.シュトラウス―音楽家の“喜劇的”闘争
- ジム キース, Jim Keith, 林 陽
- 超極秘 第四の選択―宇宙植民計画の巨大陰謀 UFO・秘密結社・世界支配 第三の選択を超える恐怖のプログラム
- 木下 誠, 黒川 修司, 安川 慶治, 石田 靖夫, 原山 潤一, 永盛 克也, 栗原 幸夫, 鵜飼 哲
- スペクタクルの政治―第三世界の階級闘争
- 長倉 洋海
- 鳥のように、川のように―森の哲人アユトンとの旅
- ジャン・マリ・ギュスターヴ・ル クレジオ, Jean Marie Gustave Le Cl´ezio, 管 啓次郎
- 歌の祭り
- 南 研子
- アマゾン、森の精霊からの声
- エリコ ロウ, Eriko Rowe
- アメリカ・インディアンの心もからだもきれいになる教え
- 大森 義彦
- アメリカ南西部メキシコ系の文学―作品と論評
- 染田 秀藤, 友枝 啓泰
- アンデスの記録者 ワマン・ポマ―インディオが描いた「真実」
- 関野 吉晴
- インカの末裔と暮らす―アンデス・ケロ村物語
- アンリ ファーヴル, Henri Favre, 染田 秀藤
- インディヘニスモ―ラテンアメリカ先住民擁護運動の歴史
- カルロス フエンテス, Carlos Fuentes, 古賀林 幸
- 埋められた鏡―スペイン系アメリカの文化と歴史
- ピエール クラストル, Pierre Clastres, 毬藻 充
- 大いなる語り―グアラニ族インディオの神話と聖歌
- クロード レヴィ=ストロース, Claude L´evi‐Strauss, 早水 洋太郎
- 神話論理〈1〉生のものと火を通したもの
- 上谷 博, 石黒 馨
- ラテンアメリカが語る近代―地域知の創造
- 斎藤 晃
- 魂の征服―アンデスにおける改宗の政治学
- 長倉 洋海
- 人間が好き―アマゾン先住民からの伝言
- 坂 文子, 長倉 洋海
- もりのこどもたち
- 稲村 哲也
- リャマとアルパカ―アンデスの先住民社会と牧畜文化
小説 新昆類 (14) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】
八十年代、世界イメージを希望として推進したのが、ポーランド労働運動である「連帯」
だ。八九年十一月、ベルリンの壁が解体する、そして十二月末、民衆によってルーマニア
の独裁者は処刑された。ミラノ広場で処刑されたムッソリーのごとく。わたしはルーマニ
ア民衆蜂起のテレビニュース映像を、戸塚にある自宅で妻の真知子とみていた。九〇年か
九一年、岩波書店が発行する月間雑誌「世界」で読んだポーランド「連帯」活動者の言葉
は衝撃だった。「社会主義以後の資本主義とはなんだろう」
人類解放、これが倫理革命として一世紀に浮上したキリストの理想だった。そして十九
世紀、論理革命として浮上したマルクスの人類解放と共産主義の命題。二十世紀、レーニ
ンによる社会主義革命の浮上。八九年革命以降、十年が経過し、バルカン半島の現実が
表出した九十年代、人間とははたして類的存在なのかこれらが、思想としてわたしに突き
つける。マルクスが解明したように、資本主義とは動物的本能の世界である。八九年革命
以後、人間の地球世界そこでの地勢はより動物的本能である自己遺伝子と模倣子が、理想
というシステムを削除して書き換え、システムを設計してきた。部族を止揚する共産主義
とは古代以来からの人間の理想でもあった。理想を喪失し思想の混迷としてわたしの90
年代はあった。
資本主義・市場主義などは貨幣の運動として古代から存在していた。八九年世界革命に
よって、「市民」などという概念が占有した。市民とは市場に依拠するがゆえに、おのれ
の動物的本能をかくす。日本の動物的本能を解明するのは詩人の任務である。詩人とは個
人としての思想者。
七九年の春、わたしはNEC工場での仕事が終わると田町駅から御茶ノ水駅まで電車で
行き、明治大学がある駿河台の坂を降り神田の古本屋によくたちよった。土曜日は半ドン
だったので、十分に古本屋さん回りができた。発見したのは敗戦後すぐ出版された「新生」
だった。七十年代を総括することは敗戦後からの、そして二十世紀を総括することだった。
そこで発見したことは、大東亜共栄圏から帰還した兵士にとって、おそろしかったのは、
自然であったことである。中国大陸で日本兵士は中国共産党のゲリラ戦に悩まされていた。
南方戦線では先住民のゲリラと、USA・オーストラリアニュージランドの各個撃破戦略
によって殲滅させらてきたのである。戦争の自然こそ帰還した兵士の恐怖だったに違いな
い。そして大日本帝国軍隊は三千万人のアジア民衆を虐殺してきた堕天使であった。
関東軍であり陸軍である。
世界通でありモダニストがそろっていた海軍はなにゆえに真珠湾攻撃を発動したのか?
山本五十六大将はUSAの工業生産力と国力を認知していたといわれている。その当時大
東亜戦争は中国、朝鮮、アジア各地の反日ゲリラ戦争によって泥沼に入っていた。海軍は
大日本帝国を救わんとしたのだ。フイリピンはアメリカの植民地だった。南太平洋戦線は
いずれUSAと制海権と制空権をめぐって衝突する。USA軍が出てくる前にUSA太平
洋艦隊をつぶそうとしたのだろう。敗戦後、日本語はアジア侵略戦争を太平洋戦争と置換
することに成功した。
帰還した虐殺の堕天使たちは、おのれが行使した殺人と暴虐の快楽と後味の悪さを帰還
してから、おのれの個人的な沈黙闘争を起動した。永遠にかれらの内部に現場は閉じ込め
られたのである。なぜか。すでに日本は敗戦として戦争から経済に絶対主義価値観が変貌
し転回していた。もはや虐殺の堕天使たちが「おれは中国人の首を何人切って落とした」
とか「中国人の女を何人犯した」などの英雄武士凱旋は過去の物語となったのである。
こうして敗戦後、物語としてその唇と言葉によって物語となったのは、戦争による被害
者としての市民主義である。歴史とは古代以来、動物的本能が起動する自己遺伝子と模倣
子を恥かしい「もの」としてかくしてきた。倫理と論理はかくされ自己解釈の講釈のみが
歴史として自然生成してきた。
帰還した兵士たちと戦争をシステム設計した戦争企画者たちが、もっとも個人的に恐怖
したのが、アジア民衆の復讐である。こうして占領軍とマッカーサーは、日本の自己遺伝
子と模倣子によって、取り込まれた。USA占領軍隊がアジア復讐の女神から本土を防衛
してくれる。本土決戦の代替わりをした沖縄の悲劇は、敗戦直後の日本の言説に登場しな
い。知識人も帰還したが、かれらはフランス哲学に向かった。あるいは再度、ドイツ哲学
へ。もはや現場を分析できる思考は皆無であった。しかし抽象は言葉のゲームができる。
自分の貌たる虐殺の堕天使・日本鬼子と対話することなく……
日本は原爆が落とされ、大空襲の被害にあった、戦争被害者の国として自然生成する。
やがてこれらは文学として登場するが、戦争時、少年か少女であった人が体験した物語と
して自然生成する。実際に戦争を担った年代は総沈黙である。沖縄は米軍治世下となり、
「原爆投下はしかたがなかった」これが天皇遺伝子とその権威によって、日本動物的本能
をかくし継続することに成功した大東亜戦争設計者のコンセプトであり、吉田茂の世界戦
略であろう。
サンフランシスコ条約によって、日本は独立するが、日本USA安保条約を、積極的に
望んだのは、日本システム設計者の側であろう。USA駐留軍はアジアを犯した罪、その
呪いとしての復習の女神から自分たちを守ってくれる。中国共産党による中国革命と中国
国民党の台湾遷都は、日本システム設計者にとって都合がよかった。中国現代史の一時的
切断と分割は、自分たちのことがせいいっぱいで、中国共産党も中国国民党も日本に対し、
戦争賠償金を請求する余裕がない。そしてすぐさま幸運がまたやってくる。金日成・主体
思想に指導された朝鮮労働党による朝鮮革命と朝鮮戦争である。自由主義をかかげUSA
は共産主義軍と全面戦争に突入する朝鮮戦争の勃発、マッカーサー将軍の作戦。朝鮮戦争
は休戦となり朝鮮半島は三十九度で分割された。その戦争と境界線の緊張が日本経済を復
興させ、資本の原資蓄積を達成した。五十五年体制といわれた日本システムは設計された。
敗戦後から十年の出来事。日本遺伝子と模倣子はみごとに冷戦を取り込むことに成功した。
共産主義と自由主義の緊張した世界戦争その戦争は全面戦争でなく各個において体現され
る、これが冷たい強烈度戦争としての冷戦構造だった。この世界構造を逆手にとって利用
し、経済戦争において占有する、これが満州国を建設した革新官僚と革新経団連のシステ
ム設計であった。ここに日本権力構造の謎があった。日本民族主義の担い手は大日本帝国
から反転して、右翼から日本共産党・日本社会党の左翼となる。
この現出が一九六〇年の日本・USA安保条約改定へ反対する安保闘争だった。「帝国
主義から抑圧された民族は自主独立しなければならない」レーニン民族論の命題によって、
国会を包囲しエネルギーシュに闘われたが、日本システムによってつぶされ、運動は挫折。
ここでも日本システムの模倣子は学習能力を起動した。つまり左翼民族主義闘争を利用す
ることである。安保条約に反対する国民的運動は、USAに対して「共産主義の脅威」と
説明できる。USAはこうして自民党を保護し日本システムを擁護してきた。USAの関
心事項を優先課題を政治緊張へともっていき、そのすきまをついて、世界市場に乗り出す。
USAの労働者・民衆を侮蔑した元衆議院議長桜内の発言は、制度化された日本の労働
運動にとって全く問題にならないばかりか、己の問題としてとらえ返すことはできない。
他人事にニュースを楽しんでいるかのようである。無神経な桜内発言は、日本の人種差別
システムを全世界・特にUSAの労働者・民衆の前に表出し、彼らを深く傷つけたという
点が重要であり、その傷は消して消え去ることはない。しかし日本で「桜内はただちに辞
任しろ!」という声は、どこからも上がらない。規制野党からも労働組合からも街頭から
も聞こえない。それがいっそうUSAをイラだたせる。「日本には顔がない」というUS
A・ヨーロッパからの批判は、日本政府や経団連だけを指しての言葉ではない。それはす
でに日本システムにより戦略的部品として自然生成された、ひとりひとりへの批判。世界
に通用する人権意識が前提として欠落している。
日本語の論理構造は「その最後を言ってしまったら論理の和が崩れてしまう」ことによ
り、なにものかをかくすことによって自然生成する。しかしながら日本語の詩的構造に生
きるのは、庶民である民衆詩人たちである。短歌と俳句人口は圧倒的であり、最後に残さ
れた日本語によっていやされ、圧縮され磨ぎ落とされた言葉の意思によって生きようとし
ている。しかし日本システムの言語はある事実をかくすことによって自然生成する。なぜ
か? 圧倒的人口として存在する詩人と思想者の帝国において、言葉は前線であるがゆえ
に二重言語となり、ダイレクトな現場は排除され記号へと向かう。動物的本能である自己
遺伝子と模倣子によって、バランス感覚という秩序を強力に組織するためには、風景と過
去はふだんに消却され、日本システムが既成事実として出現させた巨大要塞によって設定
されるからだろう。日本の二十世紀とはスターリン資本主義。事実と人間の思想は虐殺の
堕天使たちが沈黙したように、アンダーグランドに潜伏する。こうして個人による個人の
ための個人への表現と思想は、古代以来、もうひとつの日本を建設する。
【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】
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小説 新昆類 (15-1) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】
日本人とは血液主義制度によって証明され、日本語を話し読み書きして、日本語によっ
て思考し、日本語によって表出、唯我構造によって、異質を侮蔑し、なおかつ他者の方法
を己の拡張にとりこみ、「日本人はまったく」と発言するときは、すでに自己は歴史的存
在という主体を忘れ、現在に敏感に反応する原生動物と退行する。民衆を侮蔑するシステ
ム設定者は己と天皇自己遺伝子との結合が模倣子によってなされ幸福感の絶頂をあび、琴
線が故郷の草原と丘から饗宴する肉体的同一、これが日本システムにおける個人であろう。
悪魔的な狡猾を秘めた元衆院議員議長桜内の顔こそ、現代日本の貌として世界の人々は
知覚している。日本システム設定者は己が血を流すことはけしてしない。大東亜共栄圏戦
争設定者は現場ではなく、摩天楼にいた。そこから大本営指令をだして、満州国建設、東
南アジア侵略命令を出していた。実際にシステム計画と設定したのは革新官僚たちであっ
た。満州国建設を構想し中枢神経として起動していたのは、A級戦犯でありながら、敗戦
後、総理大臣になった岸信介である。六十年安保条約を締結した人物。その弟が佐藤栄作、
池田隼人から政権をもぎとった人物。いずれも長州人。敗戦後、吉田茂からの保守主流派
を七〇年代田中角栄が戦闘集団として形成する。自民党とは一九五五年、満州国建設で暗
躍した大陸浪人児玉機関による資金によって誕生した。その児玉機関に資金を提供したの
が共産主義の拡張を阻止するUSAのCIAである。
自民党とは日本において共産主義を阻止するためにUSAによって飼育され擁護されて
きた政権党。冷戦構造の産物。この権力党が今日まで四十五年間、権力を自民党としてシ
ステム設定してきた。ゆえにスターリン資本主義国家なのである。その中央集権の密度は
社会主義国家を超越している。そこでは官僚が分配し再分配する特権階級制度が定着して
いる。すでに問題解決能力はない。四十五年間である。腐食するのはあたりまえだ。US
Aに飼育・擁護されてきたゆえに、つねに民族主義のフラストレーションが蓄積される。
突然、ストレスが爆発し、「日本は天皇の国家である」などと発言し、アジアから弾劾さ
れるのはそのためである。システム設定において二重言語で書き込みするなら、シテム設
定は永遠にゼロに戻る。OSと記憶容量のメンテナスはできない。日本の国是が明治憲法
にあるのか昭和憲法にあるのか、いまでも現実において日本は設定できず、あいまいな二
重言語にある。ゆえに国家めぐる政治言語の領域は抽象となる。一九五五年以降四十五年
間国会とはつねに日本語自己解釈をめぐる二重言語ゲームとして自然生成してきた。
朝鮮戦争の特需によって復活した日本経済シテム、五十五年体制とよばれる日本政治シ
ステムの成長神話によって、二十一世紀の〇一年代を生き延びようとしている、日本シス
テム設定者は血を流した経験がないから悲しみを知らない。USAが親として擁護してく
れたからである。ゆえに安保軍事体制とIMF経済体制によって、USAの世界戦略と深
く結合したにもかかわらず、人間的苦悩としてのUSAを理解することはできない。日本
システム設定者の感受性は、冷戦期、世界中でもっとも満たされてきた部族だからである。
大東亜戦争の泥沼を突破するため、USAに戦争宣言したとき、当時の戦争計画者はヒッ
トラーと同様、USAを侮蔑していた。一九五五年体制とは総力戦体制としてシステム設
定された一九四〇年体制の反復である。侵略戦争から経済戦争へ領域を転回したシステム
設定者は、USAに擁護されていたにもかかわらず「アメちゃん」などと根源として他者
を侮蔑してきた。その感受性に戦前・戦後のフレームは存在しない。
資本主義の前衛とは証券・金融市場に表出する数字が集約する。そこではイノベーショ
ン・シミュレーション・予測する欲望・数字人間のあらゆる活動形態の全面的展開がリア
ルタイムで市場の祭壇にデジタル数字によって点滅する。市場の見えざる神の手とは、数
字人間の心理のコンセプトである。何よりも重要なのはこの心理なのである。その意味で
資本主義の前衛とは数字戦争である。数字は物質による形によって均衡を保つのだが、市
場の数字に形はない。抽象としての不均衡でしかない。それは常に流動する。この数字を
朝鮮戦争以来、システム設定者たちは、あるシナオリによって操作してきた。
毛沢東戦略による中国革命、朝鮮革命とUSA軍の介入による朝鮮戦争、一九五三年三
月スターリンの死、東南アジア植民地解放による独立の嵐、第二次世界大戦後の植民地解
放と戦争に対応するUSAを中心とした共産主義封じ込め世界戦略。日本自己遺伝子と模
倣子は東アジアの激動を狡猾にとりこみ、大航海時代に誕生した世界システムとしての帝
国主義とスターリン主義の二元世界分割を利用し、経済絶対価値観による自己遺伝子と模
倣子の拡張によって今日まで生き延びてくることに成功した部族こそが日本システム設定
者である。
その基礎こそ朝鮮戦争であった。朝鮮戦争こそは、ヒロシマ・ナガサキ原爆投下による
核戦争以後の限定された地域、強烈度戦争としての第三次世界大戦である。USAが総動
員体制をとるときは世界戦争となる。帝国と世界は同義語である。第四次世界大戦とはイ
ンドシナ・ベトナム戦争であり、第五次世界大戦とは湾岸戦争である。これまでの世界大
戦規定は、ヨーロッパが戦場になったということによる、ヨーロッパ世界史とヨーロッパ
中心史観によるコンセプトである。
核戦争をはじめて表出させた第二次世界大戦以後、それがプルトニウムであれ、ウラン
であれ、水爆であれ、核爆弾を使用すれば世界の終わりというピリオドに絶対規定され、
戦争は核弾頭ぬきの地域強烈度戦争として現出する。湾岸戦争で発射されたトマホークも
核弾頭巡航ミサイルとして八十年代当初、ヨーロッパ・アジアに配備される予定だったが、
世界的な八十年代の核配備反対闘争によって中止されたのである。核弾頭をはずしUSA
は大量生産したトマホークを湾岸戦争で消費することができた。資本主義による最大消費
こそ現代では地域強烈度戦争として生成する。
八九年革命によって「東側」は崩壊した。世界核戦争による世界の終わりへの恐怖は消
えた、ゆえに世界的なUSA軍事体制への反対運動はヨーロッパからもアジアからも消え
たかのようである。社会主義以後の資本主義は最大消費としてユーゴスラビア内戦で出現
する。世界終末の恐怖と絶望は全世界から地域強烈度へと転回した。
人類史・世界史・地球史の終末から規定されたことによる軍事戦略として現出する地域
強烈度戦争はUSAドルを中心とした世界システム設定者にとってもぎれもなく世界戦争
である。ローマ帝国の反復としてUSAはもうひとつの世界であり、USA軍に攻撃をあ
びせられる当事国の民衆は、世界の真っ只中・現場にいる。ローマ帝国以来、帝国の意味
に変わりがない。韓国朝鮮の民衆は、核弾頭という世界終末から逆規定された地域強烈度
戦争という世界大戦を体験し、この型はその後の戦争の基本システムとなった。
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