高原山 -329ページ目

小説  新昆類  (5) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

    2

 昭和二十八(一九五三)年三月末、朝鮮戦争のまっだなか、泥荒は東京の調布飛行場近
くの都営住宅で産まれた。木造の長屋だった。その年、ソ連邦のスターリンが死んだ。ス
ターリン暴落が日本経済を襲ったという。泥荒という名前を付けたのは、父のノブだった。
泥荒は三番目の男の子だった。故郷の神社の名を子供につけたのである。ノブは占領軍憲
兵隊員が監視する機関銃を造る工場で働いていた。ノブは旋盤工だった。ある日、叫び
ながら家を飛び出し、調布の田園を走っていったと母のテルは言う。気が弱いノブは、何
者かの監視下の労働に、もはや耐えれなかったのだろう。そしてノブは精神病院に入院
した。

 昭和三十(一九五五)年、朝鮮戦争は終結した。それを期に日本共産党は地下・非合法
活動から、再び街頭に登場し、分裂していた左右社会党も、日本社会党として統一されて
いった。さらに保守党のつらなりは、闇の巨大資金によって、自由民主党として合流して
いく。日本経済がこの戦争によって、復興し、昭和初期の経済を越えたことは、言うまで
もない。この時期の青春像のトーンは絶望であった。

 泥荒は二歳になっていた。いつも都営住宅、長屋の濡縁から、調布飛行場の飛び立つ飛
行機を見ていた。いまだ彼の記憶装置は作動していなかった。その瞳はただブッラクホー
ルとして、草原が広がる飛行場の風景を吸い込んでいた。長屋の木造都営住宅の濡縁で、
泥荒は五十年代の空気を吸っている。その表情は魚のようでもあり、蛇のようでもあった。
内部というものが欠落し、すっぽねけているように、ただ濡縁から外をながめていた。飛
行機の爆音が泥荒のちいさな体を揺さぶっていた。

 その年、八月に泥荒はテルの姉であるミツ子にあずけられることになった。ノブの発病
により生活が行き詰ったからである。テルは日雇い労働のニコヨンの仕事をしながら、ノ
ブの退院を待つことにした。長男のトモユキは調布小学校に入学したばかりなので、手元
に置くことにした。次男のヨシヒコはすでにノブの実家に預けてきた。

「姉さん、どうかよろしくお願いします。あの人が良くなったら、必ずこの子を迎えに行
きますので……」

 そうテルは、栃木県北部からやってきたミツ子に頭を下げた。
 
「テルも大変だな、私には子供ができなかったので可愛がって育てるよ、それにしても、
東京はなつかしい、やはり田舎と違って活気があるね」

 ミツ子はそう言いながら麦茶を飲んだ。
 
「東京はわたしも姉さんも娘時代に暮らしたところだもんね」

 テルが笑顔で答えた。

 テルとミツ子の父は治之助、母はサヨと云った。サヨは広島県広島市安佐にある鎌倉寺
山の麓、有留村にある小さな寺の娘であった。治之助は広島県呉の造船会社で働く技術者
の息子だった。治之助の父は有留村の出身だった。治之助とサヨは広島で見合い結婚をし
た。治之助は石炭の鉱山を発見する技術者だった。治之助は、十二人の子供をサヨに産ま
せた。ミツ子は八番目、テルは九番目の娘であった。家族は治之助の赴任で、各地の鉱山
へ転々と移動した。テルが産まれたのは大正九(一九二〇)年二月、しんしんと雪ふる福
島県西白河郡金山村の白川炭坑社宅だった。外からは酒を飲んで歌う坑夫たちの常盤炭坑
節が聞こえてきた。

 テルが産まれてすぐ、治之助は白川炭坑の東京本社に戻された。治之助の家族は日暮里
の貸家に住むことになった。テルは日暮里の高等小学校を卒業すると、姉のミツ子のよう
に洋裁店の針子として働いた。ミツ子もテルも二十歳を過ぎたが、若い男は皆、戦争に駆
り出されて恋の縁もなかった。昭和二十年三月十日の東京大空襲で江東区・墨田区・台東
区が炎上し、多くの犠牲者が出た。治之助は「お前たちは疎開した方がいい」と、娘たち
を栃木県太田原の佐久山の薬局に嫁いでいる長女のヤエのところに疎開させた。イネ、ミ
ツ子、テルが佐久山に疎開していった。東京に残った治之助とサヨは五月二十四~二十五
日にかけての東京大空襲の爆撃で死んだ。ヤエの夫も南太平洋戦線で戦死した。

 テルは敗戦を栃木県太田原市佐久山の岡本薬局で迎えた。居候の身分で肩身が狭かった。
姉のイネは、宇都宮連隊の解散によって、陸軍から帰ってきた次郎と見合い結婚をした。
次郎の村は佐久山の隣村である福山だった。長女のヤエに子供がいなかったので、イネと
次郎が店を引き継いだ。ミツ子は隣村の豊田へ後家に入った。ミツ子の相手は十四歳上の
廣次だった。薬売りの商売で、ヤエは妹たちの結婚相手情報を仕込んでいた。

 豊田の廣次は先妻のハツエを昭和十九(一九三九)年の八月に失った。ハツエが死んだ
のは四十八歳だった。廣次は四十五歳で三十一歳のミツ子と敗戦の年に再婚をした。廣次
は九人の子供をハツエに産ませたが、大正から昭和にかけて七人の子供を幼児のまま失っ
た。輝(一歳)、寿(二歳)、貢(五歳)マツミ(二歳)、掌(二歳)、昇(三歳)、生
き残ったのは娘のサトとトモエだけだった。サトはトモエの姉だったが、知恵遅れの娘だ
った。廣次がミツ子と再婚したとき、トモエは十四歳の多感な時期だった。どうしてもミ
ツ子を母親として認めたくなかった。

 テルは岡本薬局で、岡本薬局製造販売の「神皇丸」という漢方薬つくりや、家事の手伝
いをしていたが、ミツ子が農作業の手伝いに来ないか、と誘ってくれたので、今度は豊田
の廣次の家にお世話になることにした。昭和二十二(一九四七)年、テルは二十七歳にな
っていた。

 三十歳を過ぎたら、わたしもミツ子姉さんのように、後家さんに入るしかないと、テル
は覚悟をしていた。春と秋に忙しい農作業の手伝いの仕事も暇になると、テルは矢板の町
に勤めに出ることにした。仕事は木材加工会社「秋木」の製材工員だった。朝、テルは廣
次の家から豊田村の隣村である沢まで歩いていって、沢の停留場から東野バスに乗って、
矢板の町まで通った。沢には佐久山から矢板をつなぐ街道が通っていた。歩いてバスに乗
るたび、テルは早く、東京に戻りたいと願った。





【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】


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小説  新昆類  (6) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 テルがノブと出合ったのは沢のバス停留場から豊田の廣次の家に帰る途中だった。ノブ
は矢板の金属会社に旋盤工として勤めていた。ノブは豊田の寛の家から自転車で矢板の町
に通っていた。テルとノブはいつも通勤途中の豊田の道で会っていた。ある日の帰り道、
テルが沢の停留場で降りて歩いていたら、後ろから自転車でノブがやってきた。ノブはテ
ルに帰り道が一緒だから自転車の後ろにある荷台に乗れと誘った。テルは恥ずかしかった
が、乗せてもらうことにした。それから急にテルとノブは親密になっていった。数日後、
またノブは会社からの帰り道、テルと出合い自転車の後ろに乗せた。そしてテルに今度の
日曜日、映画を見に行がねぇげ? とテルを映画館に誘った。テルは同意した。日曜日に
ふたりは矢板の駅で待ち合わせ、駅の近くにある東映の映画館に入り時代劇の映画をみた。
映画がはねてノブはテルと食堂で飯を食った。矢板からの帰り道。テルはノブの自転車の
後ろに乗った。二人乗りの自転車は、山を越えて、沢まで行きそれから豊田への道を帰っ
ていくのだが、ノブは山の中へとテルを誘惑した。ノブはテルの子宮へと射精をした。

 テルはその山の中の契りによってノブの子を宿すことになった。テルはノブに結婚を迫
ったが、ノブの家が強烈に反対をした。テルは廣次の家でノブとの子である長男のトモユ
キを産んだ。テルの生存する道はなんとしてもノブと結婚することだった。ノブも家が反
対しているがテルと結婚するしか責任をとる人の道はないと強く思っていた。ふたりは相
談して東京に駆け落ちした。最初はノブが旋盤工として勤めた品川の職場近くのアパート
に住んでいたが、運良く調布にある都営住宅が当たった。ふたりは長男のトモユキを連れ
て調布飛行場がすぐ前にある長屋の都営住宅に引っ越した。そこで次男のヨシヒコと三男
の泥荒が産まれた。

 栃木県那須郡野崎村大字豊田五六四番地で、ノブは産まれた。大正十四(一九二五)年
六月だった。父は寛、母はトキだった。ノブは次男だった。寛の家は豊田で豪農の地主だ
った。寛は矢板農学校を卒業した。寛はトキに五人の子供を産ませた。四人が息子で末っ
子が娘だった。寛は廣次の兄だった。次男の廣次には痩せた土地しか与えられなかった。
貧困の廣次は七人の幼子を失ったが、地主の家を継いだ長男の寛は子供を死なせることは
なかった。寛は豊田でも傲慢な男だった。軍隊に行って近衛兵を務めたことが寛の自慢だ
った。軍隊では上官まで出世した。兵役が終了し、村に帰ってくると、寛は軍人癖が抜け
きれず、いつも地主として威張っていた。

 矢板町からやってきた共産主義者の農民オルグが、小作人を煽動し、寛の家の庭で騒動
を起こしたが、大田原警察からやってきた警官が鎮圧してくれた。昭和五(一九三〇)年
の豊田小作人騒動事件だった。首謀者は捕まり大田原警察の監獄にぶちこまれた。その後、
小作人を農民運動に組織する栃木県北部の共産主義者は根こそぎ、治安法違反で逮捕され
たので、寛はひとまず安心した。矢板の川崎村からは日本共産党の青年団体である共産主
義青年同盟中央委員会の幹部になった人間が出た。それは寛が出た矢板農学校の同級生の
高橋吉次郎だった。「東京に出て、あいつは赤になったんべよ」という噂が寛の耳にも入
っていた。豊田の地主は寄り合いを持ち、町の大田原、佐久山、野崎、矢板からの赤が豊
田に潜入しする街道を監視する対策を話し合った。見知らぬ男を見かけたら、すぐ沢の駐
在所に通報することにした。

 寛の家は、小作人から「あすこはヒト・ゴ(五)ロ(六)シ(四)番地だんべ」と陰口
を叩かれていた。マッカーサーによる農地解放令によって、寛は多くの農地を手放すこと
になった。喜んだのは、それまで寛にいじめられていた小作人だった。寛の家は没落した。
周りの百姓は「いい気味だ」と冷ややかに、寛の家の没落をながめていた。農業では小作
人がいなくなり没落したが、寛は親から譲られた山を持っていた。その私有地の山は豊田
一番だった。寛の家の裏から増録村へと続く広大な山の領地は寛のものだった。増録村と
成田村の境界の山も寛のものだった。成田村のデイアラ神社近くまで寛の山だった。

 ノブはおとなしい子供だった。小作人の子供は尋常小学校に入学する頃は、家の手伝い
をしたが、ノブは地主の子供だったので、家の仕事はしなかった。小作人からノブは「ノ
ウちゃん」と呼ばれ、可愛がられた。寛の子供が寛のように尊大に威張る人間にならない
ように、小作人たちは、寛の子供に表面的な愛情を注ぎ込んだ。ノブは関東軍の謀略で満
州事変が勃発した昭和六(一九三一)年、豊田尋常小学校に入学したが勉強は得意ではな
かった。ただ駆け足が得意だった。家ではいつも寛が家長として威張っていたので、いつ
も寛の前ではビクビクしていた。母のトキは優しかった。トキは小柄な女だったが、全面
的な愛情を子供たちに注いだ。矢板農学校を卒業していた寛は、自分たちの子供の成績が
あまり良くなったので、トキに「おまえがバカだから、おまえの血を引いんだんべ」と悪
態をついた。豊田ではほとんど同族結婚だった。

 長男のマサシは弟のノブを可愛がった。ノブの下に弟のカズ、サブ、マモルが産まれた。
最後に妹のムツコが産まれた。寛とトキの子供は、トキのおだやかな性格の遺伝子を継承
し、いずれもおとなしく人が良い気質があった。しかしその底には、寛の冷たい冷酷な利
己主義の遺伝子が眠っていた。ノブが豊田尋常小学校に入学すると、すぐ番長を決めるケ
ンカが休み時間に校庭で始まった。豊田尋常小学校の伝統だった。おとなしくスローテン
ポだったノブは最初のケンカで敗れた。もともと番長になる野心がなかった。番長にのし
上がったのは小作人の子であるグンジだった。グンジの親父は豊田の小作人騒動の時、大
田原警察の留置所にぶちこまれたので、寛の家には恨みをもっていた。

 小学校の生活に慣れた尋常小学三年の六月、ノブは放課後、グンジに呼び出された。
 
「番長がノブちゃんに用があんだど」そう東豊田のトヨジがノブを校庭の前にある小山の
奉安殿に連れていった。昭和天皇の御真影と教育勅語が厳重に保管されている神社風の奉
安殿の前にグンジが腕を組んで立っていた。グンジはノブを奉安殿の裏に連れていった。

「おめぇのうちは山の主さまと威張っているが、あの山はもともと村のものだったんだん
べ、おめぇ知っていたげ?」

 グンジがノブに質問した。
 
「……」ノブはなんのことか分からなかった。

「おらが教えてやるべ、もともと村のものだった山を、おめぇのじいさまが、山県有朋に
とりいって、自分のものにしてしまったんだんべよ、おめぇのじいさまは悪人だんべ、村
じゃ、みんな知っていっぺ。おらの父ちゃんも、山に入って落ち葉や薪をとって
来るのにも、いちいち、おめぇのいえに、ことわりに行かなくちゃなんねえ、ふざけんな
このやろ!」

 ノブはグンジのゲンコで頭を殴られた。そして地面にノブは倒され、ゲンジの尻がノブ
の腹に乗った。グンジはノブのシャッツのえりをつかみ言った。

「いいか!地主だからっと言って、ガッコウでは調子こくんでは、ねえど、わかったがよ、
おらの父ちゃんは、おめげのおかげで留置所にぶちこまれたんだんべよ、おらだって、警
察なんか、おっかなぐねえんだ、この、でれすけやろう!」

 ノブは泣きながら、分けもわからず「ワガッタ、ワダッタ、かんべんしてぐれや」とグ
ンジに哀願した。グンジはノブの体から離れ、立ち上がった。ノブは泣きながら起き上が
った。

「いいか、兄貴や親に告げ口したら、どうなるか、わがっていっぺな」

 そうグンジは捨てぜりふでノブを恫喝した。





【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】


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資本主義対資本主義―フランスから世界に広がる 21世紀への大論争
古島 敏雄
資本制生産の発展と地主制 (1978年)
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近代日本地主制史研究―資本主義と地主制 (1979年)
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地方産業の発展と地主制
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アメリカ占領下の日本 第1巻 大日本帝国解体
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むかし、みんな軍国少年だった―小二から中学生まで二十二人が見た8・15
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田中正造と天皇直訴事件
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小説  新昆類  (7) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】


 その日からノブはグンジの子分になった。世の中で生存するためには、めだたないよう
におとなしくしていること、「金持ち、ケンカせず」これがノブが現実から学んだことだ
った。村の大人社会では寛が小作人をいじめ村を監視していたが、尋常小学校では寛の子
供が小作人の子供たちにいじめられ、監視されていた。大人社会の現実と子供社会の現実
の力関係は逆転していた。ノブは早く尋常小学校を卒業したかった。

 ノブが尋常小学五年になったとき、グンジは村からいなくなった。満州開拓団としてグ
ンジの一家は満州に行ったとの噂だった。ノブはグンジがいなくなったので安心した。学
級では、次の番長を決めるケンカが始まった。「おら、にがてだんべ、ケンカはぁ……」
そう言って、ニコニコすることにした。親密な笑顔こそ、学校で生存する唯一の方法であ
ることをノブは学んでいた。

 ノブが豊田尋常小学校を卒業し、野崎尋常高等小学校へ入った昭和十二(一九三七)年、
日中戦争が全面的に勃発した。寛は「これから戦争景気がやってくっぺ、お国のために、
一生懸命、働け」と、小作人たちに説教していた。ノブは満州に行ったグンジを「今頃、
どうしていんだんべ」と、縁側から遠くの田んぼを眺めながら思い出していた。

 昭和十四(一九三九)年の三月末、ノブは野崎尋常高等小学校を卒業し、同じ五人の卒
業生と一緒に、東京大田区大森にある軍需工場へ、旋盤工見習いとして集団就職した。野
崎駅から他の親に混じって母のトキ、兄のマサシ、弟のカズ、サブ、マモル、妹のムツコ
が見送ってくれた。「ノブ、おめぇは頭、よくないが、みんなと同じようにやれば、大丈
夫だんべ……、からだに気をつけるんだど」トキが涙を流しながらノブを励ました。そし
て「これ、電車の中で食え」と新聞紙に包んだ油揚げの寿司をノブに渡した。「ノブ、正
月休みには帰ってこいよ」そう兄のマサシがノブの肩をたたいた。弟のカズ、サブ、マモ
ル、妹のムツコは、ただ羨望のまなざしでノブを見上げていた。ノブはそのとき、家族で
はじめて東京に就職する英雄でもあった。集団就職に付き添ってくれるメガネをかけた国
民服の教師が、見送りに来た家族に「それでは」と深いお辞儀をして、ノブたちを列車に
乗せた。

 野崎駅から上野行きの列車が出発した。次の駅である矢板駅からも、東京への集団就職
の少年たちが引率の教師に導かれ乗車してきた。矢板尋常高等小学校の生徒と、野崎尋常
高等小学校はよく箒川にかかる野崎橋の下の河原で石の投げ合いのケンカをした。ノブは
いつも石の補給係だった。

「おめぇも東京へ行くんが、おらもだんべ」

 矢板尋常小学校の番長だった斉藤平八郎がノブを車両で見つけ、近寄って言った。
 ノブはニコニコしながら、
「ああ、そうげ、おらたちは大森の工場だけんど、おめぇは?」そう質問した。

「おらがぁ、おらは品川の工場だんべよ、東京で会うこともあるがもしんねけなぁ、そう
したら、おめぇ、おらの子分にしてやっぺ、あははは」斉藤平八郎は笑った。

 「斉藤、席を離れるんでない」向こうから、矢板尋常高等小学校の引率教師が怒鳴って
注意した。

「またな、これ、おらが就職する工場の住所だがらよ、休みの日に訪ねて来たらよがんべ、
遊ぶべよ」と言って平八朗はノブに紙の切れ端を渡し席に戻っていった。

 ノブは故郷を離れることに不安もあったが、帝都東京で働き暮らすことに新鮮な嬉しさ
があった。なによりもいつも家長として威張りくさっている寛から自由になれることが嬉
しかった。寛はいつもノブを「このバカ野郎!」とののしっていたのである。

 鬼怒川鉄橋を越え、宇都宮駅を列車が出た頃、引率の教師がノブたちに説教した。
 
「おまえたちの注意しておくことがある。向こうに付いたら、上の人の教えをよく聞いて、
早く工場の仕事に慣れなさい。寮ではきちんと生活しなさい。だらしがないのは嫌われる。
早寝早起きを守りなさい。野崎尋常高等小学校の後輩が、これからお前たちが働く工場で
も就職できるようにしっかりやってくれよ。それから東京には陰謀を企む共産党という国
賊の赤が、どこにいるかわからないので、変な話にはだまされないこと、いいな」

「ハイ!」とノブたちはかしこまって応えた。

 列車はやがて利根川を越え、関東平野を南下し、帝都へと滑り込んでいった。

 




【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】


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下野新聞社, 下野新聞=, 小杉 国夫
とちぎとっておきの山48
下野新聞「とちぎ20世紀」取材班
とちぎ20世紀 上巻
下野新聞「とちぎ20世紀」取材班
とちぎ20世紀 下巻
ダグラス ラシュコフ, Douglas Rushkoff, 日暮 雅通, 下野 隆生
ブレイク・ウイルスが来た!!
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
みうらじゅん&安斎肇の「勝手に観光協会」栃木県・岩手県
救現―田中正造大学ブックレット (No.7)
藤井 隆至
茨城県・栃木県の統計―明治前期全国府県別統計集成〈5〉
阿部 昭, 千田 孝明, 橋本 澄朗, 大岳 浩良
栃木県の歴史
森下 喜一
栃木の方言をたずねて―ことばの原風景
平山 輝男, 森下 喜一
栃木県のことば
白井 明雄
日本陸軍「戦訓」の研究-大東亜戦争期「戦訓報」の分析
中川 八洋
大東亜戦争と「開戦責任」―近衛文麿と山本五十六
深田 祐介
大東亜会議の真実 アジアの解放と独立を目指して PHP新書
井上 嘉大, D.T.Wプロジェクト
忘れられた大日本帝国1936―「太平洋戦争」でなく大東亜戦争だった
東村 岳史
戦後期アイヌ民族‐和人関係史序説―1940年代後半から1960年代後半まで
木村 哲人
戦争中は“極楽”だった―記憶ファイル・村の1940年代
市橋 芳則
キャラメルの値段―昭和30年代・10円玉で買えたもの
武邑 尚彦
写真と語り 近江湖東・豊郷の暮らし―昭和10年代に生きた人々
石割 平, 円尾 敏郎
日本映画スチール集 日活時代劇昭和10年代―丸根賛太郎・石割平・橘公子所蔵版
菊池 俊吉, 桜井 隆
飛燕戦闘機隊―帝都防空の華、飛行第244戦隊写真史
藤森 照信, 藤岡 洋保, 初田 亨
写真集 幻景の東京―大正・昭和の街と住い
新潮文庫編集部
帝都東京 殺しの万華鏡―昭和モダンノンフィクション 事件編
原 武史
「民都」大阪対「帝都」東京―思想としての関西私鉄
秋庭 俊
帝都東京・隠された地下網の秘密
秋庭 俊
写真と地図で読む!帝都東京・地下の謎
秋庭 俊
帝都東京・地下の謎86
桑原 譲太郎
狼よ、帝都に舞え〈下〉
野口 毅
台湾少年工と第二の故郷―高座海軍工廠に結ばれた絆は今も
松田 昭三
陸軍軍属少年工 (1982年)
ポニーキャニオン
東京戦争戦後秘話
八木 秀次
精撰尋常小学修身書―明治・大正・昭和…親子で読みたい
入子 祐三, 津村 靖, 柳瀬 修
ニッポンの算數―幻の尋常小学校教科書の問題
紀伊國屋書店
日本の近代化遺産 帝都誕生 ~東京の近代化遺産~
ジーダス
帝都物語 外伝
松竹
小津安二郎 DVD-BOX 第一集
南 相虎
昭和戦前期の国家と農村
高橋 泰隆
昭和戦前期の農村と満州移民
石井 光造
関東平野を囲む山々
原田 信男
中世村落の景観と生活―関東平野東部を中心として
藤木 宏幸
「戦争と平和」戯曲全集 (第13巻)
川島 恂二
関東平野の隠れキリシタン


小説  新昆類  (10) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

 親方は昼前に帰ってきた。足場に上がってきた親方は、泥荒の仕事の進み具合に何も言
わなかったが、顔を不機嫌にしかめた。それを察して泥荒は、すいません、親方、今日は
体の調子が少し悪いもんでと謝った。

「おめぇ、おまんこの匂いがするぞ、昨日の夜、やったな」

 親方はしょうがねぇな若いのはという表情で苦笑い顔で言った。泥荒はどきっとして一
瞬凍った。

 昼時になって、濡縁で弁当を食っていると、神奈川リフォームの営業マンである、関塚
茂がアイスコヒー缶をふたつもってやってきた。塗り替え外装工事をしている渡辺寛之邸
は、訪問営業による関塚茂が契約したのだった。営業マンは工事管理もしていた。毎日現
場に顔を出し、施主にあいさつをする、施主とのコミュニケーションをうまくやらないと、
必ずクレームやトラブルが発生し、工事終了後に待っている工事代回収がうまくいかなか
った。

「親方、お世話になっています。次の現場、見てもらいましたか?」

「さっき、見てきたよ」親方が関塚に応じた。

「木部が多い現場ですが、よろしくお願いします。奥さん、いらしゃいますか?」

 関塚が小指をたて、親方に聞いた。
 
「さっき、車で出かけたよ、なぁ」親方は泥荒にふった。

「はい」

 泥荒は下を向いて弁当を食いながら答えた。親方である前田塗装店にペンキ工として職
を紹介してくれたのは、同じ矢板の出身である関塚茂だった。昼前の出来事が知れると、
大変な問題に発展してしまうと泥荒はびくびくしていた。

「おめぇ、今日、調子が悪そうだな、顔が青いぞ……」

 関塚が泥荒に声をかけた。
 
「昨日、女とやったんだってよ、あんまり寝てねぇんじゃ、ねえか、あっははは」

 親方が笑いながら言った。
 
「チッ、おめぇ、女もいいけどよ、仕事にさしつかえるまでやるなよ」

 関塚も笑いながら泥荒に注意した。泥荒は苦笑いをしながら頭をペコペコした。
 
「それじゃ親方、よろしくお願いします」

 関塚は親方に頭を下げると、カバンを持って訪問営業へと歩いていった。
 
 
 翌日の朝、大雨が降っていた。有留めぐみが住むアパートは小田急線片瀬江ノ島駅から
鵠沼海岸駅方向に歩いていく裏道沿いにあった。それは江ノ島が見える大きな海岸通りの、
ひとつ裏の道だった。車は一車両しか通れなかった。海岸通りにある「すかいらーく」の
裏、住所は藤沢市片瀬海岸三丁目十三番地になる。有留めぐみはアパートのドアを開けた。
隣の部屋に住む関塚茂も丁度、雨の様子を見ようとドアを開けたとこだった。一階の一○
一号室にめぐみ、一○二号室に茂が住んでいた。アパートは二階建て四世帯のセキスイプ
レハブ住宅だった。ふたりは顔を見合わせた。おはようございますと茂が言った。その
声を聞いてからめぐみは、おはようございますと挨拶をした。めぐみはビニールゴミ袋、
ふたつを手に持ち、雨傘を開いた。

「田舎から、おじいちゃんが来ているので、ふたり分のゴミが出ちゃいました、エヘヘ」

 可愛い笑顔でめぐみは茂に言った。そして近所のゴミ集積所まで歩いていった。

 雨傘をさした群青のジーンズ、めぐみのうしろ姿を見ながら茂は、いいけつしているな
と欲情した。ああいう女学生と一発やれたら、最高だんべよ、バックでガンガン突きまく
るイメージに茂は朝から勃起した。あぁ、仕事なんぞせず、こういう雨の日は朝からおま
んこをやりたいもんだと茂は思った。泥荒もいいもんだな、寝ないで女とやれるなんてよ
と昨日の現場での会話を思い出した。

 そうだ、おれもゴミを出さねば・・・だいぶたまってしまったからな、今日は燃えるゴ
ミの日か、茂は部屋に戻った。どうせ今日は一日中雨だから仕事にもならない、そう茂は
ずる休みをする決意をするのだが気持ちの奥底では迷った。雨の日に休むと根性無しと認
定されてしまうのが怖かった。雨の日はお客さんが玄関の外に出てこない。それで営業マ
ンは車の中や公共施設のなかで昼寝をしているのがおちであった。みんな朝に顔を出し、
大声で気合の合唱をしてら訪問営業に飛び出すのだが、雨の日は夕方まで時間をつぶすし
かなかった。

 ゴミ袋を持って外に出ると、ちょうどめぐみが帰ってきたところだった。だいぶ、降っ
てきましたね、そう茂はめぐみに声をかけてみた。えぇ、雨の日は憂鬱だわ、そうめぐみ
は茂に笑顔で答えてみた。

「もしよかったら今度飲みに行きませんか? 鵠沼海岸駅通りに『ラ・メール』という面
 白い店があるんですよ」
 
 茂はそれとなく、めぐみを誘ってみた。
 
「あ! その店ならわたし一度、行ったことがあります。素敵な店ですね」

「飲みに来る店のお客さんが面白い人ばっかりなんですよ。今晩どうですか?」

 茂は会話のかけひきに押してみた。
 
「そうですね、行きますか」

 めぐみが承諾した。
 
「じゃあ、夜八時、鵠沼海岸駅での待ち合わせでどうですか?」
 茂は約束を取り付けようとした。
 
「わかりました。行きます。じゃあ、そこで」

 あっさりとめぐみが約束に乗ったので、茂は歓喜したが表情には出さなかった。めぐみ
は茂に頭をちょこんと下げ、自分の部屋の玄関に入り、そしてドアを閉めた。

 めぐみの表情とからだには十九歳とは思えない色気と人をひきつけてやまないオーラー
があった。いいおんなだ、今日はいい日だと茂は雨のなかを濡れ踊るようにゴミ出しに歩
いていった。憂鬱なずる休みの誘惑などすでに消えていた。茂の体には今日も仕事でがん
ばるぞ、契約をとってみせるぞという気合が生まれていた。夜が楽しみだった。

「おじいちゃん、誘惑に成功したじゃけんね」

 めぐみは部屋の中央に座っている有留源一郎に報告した。源一郎は満足そうにうなづい
た。有留一族の目的は「新昆類」のエサとなる男の精液エキスの収集だった。八十年代か
らの世代交配の反復により、二十一世紀には、新たなる新世代のゴキブリが誕生するはず
だった。「新昆類」昆虫情報体である。その開発とは広島がアメリカに原爆を落とされた
怨霊のなせる業でもあった。もうひとつの日本に有留一族は息を潜めて、ひたすら「新昆
類」昆虫情報体の新世代開発に勤しむ長期戦略があった。それはもうひとつの日本で潜水
している進行でもあった。出来事は二十一世紀ゼロ年代の中頃、日本列島各地にある在日
アメリカ軍に向けて、「新昆類」昆虫情報体が放されるはずである。原爆投下への復讐だ
った。秘密結社の棟梁、源一郎はめぐみの部屋で、タンスの上のガラス槽を見ながらゆっ
くりとパイプ煙草をふかしていた。そして彼はお茶をすすった。ガラス槽には、夜、活動
する茶色い昆虫が眠っている。彼にとってそれは沈黙の生物兵器だった。昭和五十七年、
夏の雨、広島原爆記念日はとうに過ぎ、晩夏の匂いがする朝だった。めぐみもアルバイト
に出かけひとり有留源一郎は、海岸通りにある「すかいらーく」裏のアパートで、二十一
世紀を夢想していた。






【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】


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恒和化学工業技術本部
<入門ビジュアルテクノロジー>塗料と塗装のしくみ
新しいペイントのテクニックフォーフィニッシュの世界
久住 章
壁の遊び人=左官・久住章の仕事
平野 八洲夫
住まいのリフォーム 外壁塗り替え塗装入門
基本から始める塗りのテクニック―エクステリア・インテリア・木材・金属の塗装術
石田 典彦
住宅リフォーム営業実践マニュアル―顧客発掘の極意
住宅リフォーム営業99の法則
住宅リフォーム受注が「湧き出る」正眼営業
中野 光雄
レストランの主役は誰ですか―レストラン営業のリフォーム
百瀬 篤
鵠沼海岸象景―1996‐2001 百瀬篤写真集
高木 和男
鵠沼海岸百年の歴史 (1981年)
チチ松村, ネイチャープロダクション, PPS, 江ノ島水族館
海月
造事務所
江ノ島ネコものがたり
斎藤 栄
江ノ島鎌倉観光殺人事件 (1983年)
吉川 文夫
江ノ電写真集―湘南の風吹く街を走り抜けた車輌たち
湘南倶楽部
江ノ電百年物語
関東周辺の潮位表―東京・川崎・横浜・江ノ島・大島・伊東・御前崎・千葉港・布良・銚子・大洗〈2006年〉
岩間 靖典, 江ノ島水族館
クラゲ―その魅力と飼い方
文化財としての江ノ島を論ず (1980年)
青木 皐
本当に困っている人のためのゴキブリ取扱説明書―ドクター青木式・究極の退治マニュアル
ナタリー アンジェ, Natalie Angier, 相原 真理子
嫌われものほど美しい―ゴキブリから寄生虫まで
久里 洋二
ゴキブリちゃん
リチャード シュヴァイド, Richard Schweid, 西田 美緒子
ゴキブリたちの優雅でひそやかな生活
鈴木 知之
ゴキブリだもん―美しきゴキブリの世界
本間 祐
超短編アンソロジー
スティーヴン・ラリー バイラー, Stephen Raleigh Byler, 京兼 玲子
海は僕を見つめた
盛口 満
わっ、ゴキブリだ!
奥本 大三郎
考える蜚〓(ごきぶり)
北原 立木
ゴキブリインニューヨーク
松岡 洋子, 松岡 達英
ゴキブリ400000000年―ゴキブリ
藤本 博, 島川 雅史
アメリカの戦争と在日米軍―日米安保体制の歴史
島川 雅史
アメリカの戦争と日米安保体制―在日米軍と日本の役割
島川 雅史
アメリカの戦争と日米安保体制―在日米軍と日本の役割
山根 隆志, 石川 巌
イラク戦争の出撃拠点―在日米軍と「思いやり予算」の検証
前田 哲男
在日米軍基地の収支決算
新聞ダイジェスト 2006年 07月号 [雑誌]
森本 敏
米軍再編と在日米軍
高島 忠夫
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スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐
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小説  新昆類  (11) 【第1回日経小説大賞第1次予選落選】

    4  

     ウィルス・イデオロギー               渡辺寛之
     
 平成十二(二〇〇〇)年十二月二十四日~平成十三(二〇〇一)年二月六日にかけて書
く。ウイルス・イデオロギー概念とは、沈黙の兵器である。
 
 
 ----------------------
  ところで精神が、戦争に関する基本的思想のあいだを遍歴して身につけたものは、か
  かる精神のうちに開顕された光明にほかならない。そしてこのことこそ理論が精神に
  寄与するところの利益なのである。理論は、諸般の課題を解決する方式を精神に指示
  することはできない。理論は、精神の行くべき道を、その両側に立て並べた原則によ
  って必然性という狭い一筋だけに制限することはできない。要するに理論の効用は、
  精神を訓練して夥しい対象とこれらの対象相互の関係を徹見させ、そのうえで再び精
  神を行動の領域に送り出すにある。しかしこの場合の行動の領域は、以前よりも一段
  と高次なのである。
  このとき精神は、こうして自然的に得たところの力の大小に応じて、かかる精神的諸
  力を糾合し、真実なものや正しいものを、一個の明白な思想として感得するのである。
  するとこの思想は、あらゆる精神的諸力の与える総体的印象から生じたものであるに
  も拘わらず、思考の産物というよりはむしろ感情の所産であるとさえ思われるほどで
  ある。

  「戦争論 第8 戦争計画」 クラウゼヴィッツ  訳/篠田 英雄  岩波文庫
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 一九九一年に勃発した湾岸戦争は、やはり九十年代の中心軸であろう。その年の八月に
旧ソ連邦においてクーデター、一挙にソ連邦の解体。湾岸戦争の世界的勝利によって、自
信を回復したUSAは、経済戦争へと移行。無知な日本閣僚の言語が集約され、ジャパン
バッシングが展開されたのである。

 数字は臨界点に達すると一挙に転げ落ちる。だが牧歌的な日本語は崩壊をイメージによ
って隠し、幸福な市民生活と城内平和の仮想現実によって意識をみせかけのベールでおお
いつくす。

 通貨「円」は都市をめざましく変貌させサイボーク環境を非連続的に生成させる。労働
し生活する人間の肉体的知覚は全面的であるがゆえに、この数の多元的変貌にレイプされ
無防備で受け入れるのだが、一面的な思考はこの数の闘争 に追いつけない。

 かくして潜在的知覚である肉体的知覚(目の裏・耳の裏・足の裏・ 手の裏・皮膚の裏・
頭の裏)と意識思考との不均衡は拡大し、平衡と安定をめざす人間の動物運動を利用した
メディア機関による架空とカオスのとりこになり、イメージによって操作される奴隷が誕
生するのだが、無防備な国民ほど美しいとは三島由起夫の言葉である。

 日本語による単一言語帝国の内部には、圧倒的な詩人(俳句・短歌の巨大人口)と、圧
倒的な評論家(新聞・雑誌の発行部数・電波メディアを読み見ながら、他人事に評論する
巨大人口)が存在する。

 日本語の感受性は王朝詩人から「よみひとしらず」といった民衆詩人によって、数の形
式に規定する型に圧縮することによって、あたかも自然であるごとく生成してきた。だが
これは、個人による個人のための個人への記号でもあったのである。また、誰でも歌える
この自己感受性の叫びの記号表出は、階層を寓意とするカオスとして自然=生成してきた。
ゆえに主体は隠されあいまいとなる記号へとおさまる。主体の論理構造をかくす記号とし
ての日本語は一音一表記が自立し組み合わせることによって 組織し造形する数のDNA
言語である。またイメージのモンタージュ言語である。非主体として装いながら実は強力
なウィルスがそこには自然生成している。わたしがときあかすウィルス原論の迷宮がここ
にある。

 数の型に圧縮され自然生成してきたモンタージュ言語としての日本語は、数字言語によ
るデジタル回路が表記するコンピュータソフトが自己完結したといえよう。だがこれは他
者を存在認知し、前提として意識する空間の闘争そしてコミュニケーションの道具として
生成しないのであれば、デジタルが内包する自己完結はナルシズムの用具と化す。
 第一自然と人間の関係を変貌させることによって成立するデジタル言語は、脳の知覚と
ダイレクトに結合することにより、ある種の快適さを人間に感受させる。アニメティ空間
の機器はやさしく真綿であなたの首を……

 他者の確認あるいは自己の位置、これら空間の世界意識は闘争がなかったかのように、
「和」によって融合させられる戦略的部品としての日本語は、最終的解決としての数との
和解をめざす。これが情としてのDNAの発生。矛盾・疎外を消却した「和」の感情を国
民の琴線を鳴らす爪として自然生成させる歌の発生、語るべき物語は数の秩序意識によっ
て連結させられ、その浸透のスピードはウィルスの進化として伝染する。微妙な戦略的部
品を連結させ感情を伝導させながら吸入・排出する国民的言語とは印刷機である。

 不均衡衝動のシステムに自然生成する数のDNA言語であり、戦略的部品を連結・連動
させる印刷機としての日本語は、第一自然が崩壊死をとげた九十年代世界システムへの対
応能力を失い絶句する。歌の始原、歌の発生にかかわるエネルギーと語るべき物語を語る
エネルギーこそウィルスである。


 一三四七年九月から十五世紀初頭までに全ヨーロッパは、その人口の四分の一を黒死病
たるペスト・ウィルスの餌食とされた。ヨーロッパ言語はやせた土壌に規定される凶作・
飢餓と格闘し、ペスト・ウィルスと格闘。その動物的闘争はペスト・ウィルスに侵食され
ながら、暗黒の出口を外部・他者に向ける。その当時、世界の中心であった豊かなイスラ
ム世界を敵と設定し、十字軍遠征・レコンキスタ運動を開始する。ヨーロッパの誕生とは
何か。ローマ帝国とヨーロッパが継続していると思い込むのは誤りである。ローマ帝国の
植民地であったヨーロッパは蛮族とローマ帝国市民に蔑視されていた。蛮族こそローマ帝
国軍隊の雇い兵士であり、彼らは戦争の方法のみをローマ帝国から学習した。西ローマ帝
国を滅ぼすまで、ローマはヨーロッパ蛮族の敵であった。かれらは植民地独立をかかげ西
ローマ帝国に勝利したのである。敗北した西ローマ帝国市民は東ローマ帝国である現在の
トルコの首都へと逃亡する。ゆえに現在のイタリアとローマ帝国は遺伝子において継続し
ていない。世界は古代以来、市民か蛮族かに分岐する。市民主義とはギリシア文明以来、
帝国城内のステータスであり市民主義の核こそ帝国主義の秘密である。帝国に所属する人
々こそ市民と呼ばれる。文明とはこうして帝国と市民による興亡史を織りなす。

 ローマの地下洞窟で帝国の奴隷であったヨーロッパがなぜキリストを受け入れたのか。
キリストは倫理革命者として、ただひとりローマ帝国に抗拒した神徒であった。奴隷解放
と植民地解放をかかげヨーロッパは地下洞窟でキリストを受け入れる。ヨーロッパのエネ
ルギーの象徴である十字架にキリストの受難肉体を貼り付けるモンタージュによって、キ
リスト教は誕生した。

 西ローマ帝国に勝利し、市民を東へと追いやり植民地解放をなしとげたヨーロッパ。ロ
ーマは政治軍事統合の首都からキリスト教の帝都となった。ローマ帝国のソフトは投げ捨
てられた。ハードとしての遺跡のみが残る。ローマ帝国に勝利したイデオロギーたるキリ
スト教こそソフトであったが、宗教は文明を勃興できない。次なる外部の敵を発見するま
で長い停滞が続く。

 敵はついに浮上した。イスラムとそのソフトを生成させるユダヤである。イスラム文明
と帝国という他者を発見したとき、壮絶なイデオロギー戦争は、ローマ教皇から全ヨーロ
ーッパに発令された。ヨーロッパ言語のDNA、その自然生成とは何か。

 イスラム・そのソフトとしてのユダヤという他者に対し、壮絶なイデオロギー戦争を仕
掛け、貧困なヨーロッパは、その戦争を通し、これらの他者から実践的に学習した。ヨー
ロッパ言語のDNAとは、方法・思想・イデオロギーを他者から動物的本能と闘争心で学
ぶ。それこそ戦争を通して戦争を学ぶ他者を前提としたところの戦略的体系のDNA言語。
ゆえにそれは空間と他者を前提とした数学と哲学思考の音声言語でなくてはならない。神
と人間の闘争と契約に歌の始源・歌の発生・語るべき物語のエネルギーはあり、外部の空
間と他者が存在しなければヨーロッパDNAは自壊する。






【第1回日本経済新聞小説大賞(2006年度)第1次予選落選】


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フランケンシュタイン 恐怖の生体実験
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オルフェ
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悲恋
紀伊國屋書店
ブローニュの森の貴婦人たち
アイ・ヴィー・シー
恐るべき子供たち (トールケース仕様)
アイ・ヴィー・シー
アモーレ (トールケース)
アイ・ヴィー・シー
ジャン・コクトー/ルイ・ブラス
TDKコア
パリ・オペラ座バレエ 「カルメン」/「若者と死」
カイ マイヤー, Kai Meyer, 山崎 恒裕, 山田 章博
七つの封印〈6〉黒死病の悪霊
ノーマン・F. カンター, Norman F. Cantor, 久保 儀明, 楢崎 靖人
黒死病―疫病の社会史
近江 吉明
黒死病の時代のジャクリー
矢島 鈞次
十字軍と黒死病―資本主義黎明史
ブライドベリ『人口革命論』―経済史のなかの黒死病ー賃金論ー物価の力学ー人口問題 (1983年)
クラウス ベルクドルト, Klaus Bergdolt, 宮原 啓子, 渡辺 芳子
ヨーロッパの黒死病―大ペストと中世ヨーロッパの終焉
石津 朋之, 戦略研究学会
戦略論大系〈4〉リデルハート
加藤 周一, 凡人会
「戦争と知識人」を読む―戦後日本思想の原点
伊豆 利彦
戦争と文学―いま、小林多喜二を読む
山内 敏秀, 戦略研究学会
戦略論大系〈5〉マハン
道下 徳成, 長尾 雄一郎, 石津 朋之, 加藤 朗
現代戦略論―戦争は政治の手段か
西谷 修
不死のワンダーランド―戦争の世紀を超えて
ポール ヴィリリオ, Paul Virilio, 石井 直志, 千葉 文夫
戦争と映画―知覚の兵站術
杉之尾 宜生, 戦略研究学会
孫子
村井 友秀, 戦略研究学会
戦略論大系〈7〉毛沢東
瀬井 勝公, 戦略研究学会
戦略論大系〈6〉ドゥーエ
片岡 徹也, 戦略研究学会
戦略論大系〈3〉モルトケ
川田 忠明, ジャワード・アルアリ
それぞれの「戦争論」―そこにいた人たち-1937・南京-2004・イラク
五十嵐 敬喜, 立法学ゼミ
都市は戦争できない―現代危機管理論
井上 俊夫
八十歳の戦争論
戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一, 杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎
失敗の本質―日本軍の組織論的研究
山本 七平
日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条
石原 莞爾
最終戦争論
ティーハ・フォン ギーツィー, クリストファー バスフォード, ボルコ・フォン アーティンガー, Tiha Von Ghyczy, Christopher Bassford, Bolko von Oetinger, ボストンコンサルティンググループ, BCG=
クラウゼヴィッツの戦略思考―『戦争論』に学ぶリーダーシップと決断の本質
アニタ ローベル, Anita Lobel, 小島 希里
きれいな絵なんかなかった―こどもの日々、戦争の日々
吉本 隆明, 田近 伸和
私の「戦争論」
千葉 展正
男と女の戦争―反フェミニズム入門
長谷川 慶太郎
新『戦争論』の読み方―クラウゼヴィッツの時代は終わった
加藤 陽子
戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで
川村 康之, 戦略研究学会
戦略論大系〈2〉クラウゼヴィッツ
荒俣 宏
決戦下のユートピア
夏目 房之介
マンガと「戦争」
坂本 多加雄
スクリーンの中の戦争
保坂 正康
戦争観なき平和論
カール・フォン クラウゼヴィッツ, Carl von Clausewitz, 清水 多吉
戦争論〈上〉
佐藤 晃
大東亜戦争「敗因」の検証―「帝国海軍善玉論」の虚像
音谷 健郎
文学の力―戦争の傷痕を追って
三村 文男
米内光政と山本五十六は愚将だった―「海軍善玉論」の虚妄を糺す
カール フォン クラウゼヴィッツ, Carl Von Clausewitz, 日本クラウゼヴィッツ学会
戦争論 レクラム版
多木 浩二
戦争論
マイケル・P. ギグリエリ, Michael Patrick Ghiglieri, 松浦 俊輔
男はなぜ暴力をふるうのか―進化から見たレイプ・殺人・戦争
メアリー カルドー, 山本 武彦, 渡部 正樹
新戦争論―グローバル時代の組織的暴力
柘植 久慶
詳解 戦争論―フォン=クラウゼヴィッツを読む