まさか…であってほしい
クローブヒッチ・キラー
(2018年/アメリカ/109分)
監督;ダンカン・スキルズ
【ストーリー】
信仰を重んじる小さな町で貧しくも幸せな家庭に暮らす16歳の少年タイラー。ある日、タイラーはボーイスカウトの団長も務め、町でも信頼の厚い父親ドンの小屋に忍び込み、猟奇的なポルノや不穏なポラロイド写真を見つけてしまう。不審に思ったタイラーが調査を進めていく中で、父親が10年前に起きた未解決事件「巻き結び(クローブヒッチ)連続殺人事件」の犯人ではないかとの疑念を深めていく。タイラーは同じく事件を追う少女カッシに協力を求め、真相を究明しようとするが……。(映画.comさんより)
【かんそう】
※ネタバレ全開ですよー※
チャーリー・プラマー君主演つながりでこちらの作品の感想も。
とてもおもしろかったのですが、終始気持ち悪いやら怖いやら…でしたねぇ。
上記のストーリーでは父親の小屋に入ったところから疑念が生まれるような感じですが、実はその前にタイラーが気になる女の子と深夜デートで父親の車をこっそり使い、そこで彼女が車の中に落ちていた縛られた女性の写真の欠片を見つけてタイラーに「なんですかこれは」と突き付けて気味悪がる…というのが最初で、そこから上記のようにタイラーが疑問に思い父親の小屋に入って…となります。
片田舎の小さなコミュニティーなので、「タイラーってばこんな気持ち悪いやつなのよ!」という噂はすぐに広まりますが、一人だけその
噂にまどわされない女性がいました。
未だに追悼が行われている10年前に起こった「クローブヒッチ殺人事件」の真相を追うカッシです。
タイラーはカッシと共に事件を追うことにするのですが…
父親の小屋で見つけた怪しげな写真やら記事。
「まさか…父さんが?!いやいや…違う違う…でもでも、こんなに変なものが…えぇぇええ?!」
と混乱するタイラー。
しかも父はタイラーが自分の小屋に入ったことに気づきこれらを隠します。
タイラーは引き続きカッシと調べていきますが…
ますます父が怪しいーーー!!
悶々悶々悶々…
そしてとうとう犯人は誰なのかが明らかになるのですが。
父はこの事件の犯人をちょうど事件の起こった10年前に自殺未遂で車いす生活になりしゃべれなくなっている叔父のせいにしていましたが、その叔父さんだって本当に自殺未遂なのかどうかわからんよなぁ~て思いました。
事件を知った叔父を犯人がそのような体にした、とも考えられるし。
そこからも気持ち悪ぅ~!!てなる描写は続きます。
いやーもう…タイラーが住んでいる街も田舎特有の閉鎖的な部分があってそこにも息苦しさを感じるのですが、私にしたらタイラーの家族の仲良し過ぎひんか?な仲の良さもちょっと気持ち悪かったですねぇ。
ま、一番気持ち悪かったのは父親ダンなんですけどね。
あの一連の自撮りシーンは忘れられへんくらいに衝撃的でしたわ。
でも、あれも彼なりに抑えてきた結果なんだろうなぁ。
結局皮肉なことにタイラーが父のパンドラの箱を開けてしまった、ということなんだろうか。
そして実はタイラーもその父の自撮りの場面を見ていたという衝撃!
クライマックスはタイラーVS父親!
父親の犯行現場を押さえるタイラーですが、なぜその現場がわかったのか?というのはちゃんと「実は…」的にわかるようになっています。(さっきの自撮りシーンをタイラーがなぜ見ていたのか、というのもここでわかります)
ああなると実の息子とか関係なく殺そうとするんだなぁ、と恐ろしかったです。
決着は…
タイラーにしたらあの結末しかなかったんだろうなぁと思うと切ないやら悲しいやら。
そして私がもう一つ、恐ろしい!!と思ったのが母親です。
彼女…絶対全部知ってたし知ってるな、って思いました。
結局タイラーも誰にも言えない秘密を抱えてしまった、ということになるのかな。
結び方の一つ「クローブヒッチ」を題材にした物語ですが、コミュニティーや家族の「縛り」もこの作品に関しては「クローブヒッチ」という言葉につながるなぁ、と思いました。
ストーリーもおもしろかったですし、チャーリー・プラマー君の不安そうで落ち着かない表情は安定で素晴らしかったし、父親役のディラン・マクダーモットの怪演も素晴らしかったです!!
うりぼう4つ:
※画像はお借りいたしました。
2021.6鑑賞
ありがとうございました