サヨナラ…がない
ノマドランド
(2020年/アメリカ/108分)
監督:クロエ・ジャオ
【ストーリー】
ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーに全てを詰め込んだ彼女は、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。(映画.comさんより)
【かんそう】
アカデミー賞作品賞ということもあり鑑賞。
静かながらもどっしりとした重みを感じさせる作品で、さすが作品賞やなぁと思いました。
そして、主演女優賞を受賞されたフランシス・マクド-マンド。
静かな演技でしたが、圧倒されました。
さて、私にはあまり馴染みがない「ノマド生活」。
あちらではノマド生活をしている方がいらっしゃるんだなーというのは何となくわかるのですが、高齢の方が多いということに驚きました。
でも、考えてみると高齢の方のほうが多いというのも頷けるかも。
主人公ファーンも60代で、夫も住むところも失ってのノマド生活。
観ていて、あの雄大な風景の中、自由で開放感もあるけれど、これは相当孤独も感じるよなぁと思いました。
だからこそ、みんな、たまに会う仲間との繋がりを大切にするのかな。
仲間の一人が、また会えると信じているからさよならは言わない、と言っていたけれど、「言いたくない」という気持ちもあるのかもしれないなぁ、と思ったり。
ファーンたちは季節労働の仕事をしながら収入を得ていますが、やはり固定収入がないのってなかなか厳しいと思いますわ…
でも、厳しいながらもノマド生活を送り続けるファーンがデイブや妹の申し出を断り、もう一度家に帰り、再度出発した時は、最初の出発の時とは気持ちが全然違っただろうなぁ、というのはファーンを見ていてわかりました。
きっと、どういう状況であれ、どんなタイミングであれ、ファーンはやっぱりノマド生活を選んだように思います。
また、孤独を感じながらも、より一層強くたくましく、そして仲間たちとの温かい繋がりを大切にしながら生きていくんだろうな。
そして…
私にはノマド生活は無理やな……
うりぼう4つ:
2021.6鑑賞
ありがとうございました