オリンピックごっこ!
風の中の子供
(1937年/日本/86分)
【ストーリー】
児童文学作家・坪田譲治の同名小説を清水宏監督が映画化し、小学生の兄弟の日常を生き生きとつづった人間ドラマ。小学5年生の善太と1年生の三平の兄弟は、田舎の自然の中で楽しい夏休みを過ごしていた。ところがある日、父親が私文書偽造の疑いをかけられて警察に連行されてしまう。家計を支えるため母親が働かなければならず、まだ幼い三平は叔父の家に預けられることに。こうして兄弟は離ればなれの毎日を送りはじめるが……。(映画.comさんより)
【かんそう】
清水宏監督作品。
京都文化博物館さんのフィルムシアタープログラム
【銀幕が汗をかくー映画で感じる夏】
で上映されていたので観に行きました。
原作あり、の作品ですが清水宏監督の子どもへの目線は優しいなぁと感じる1本でした。
物語の方は…
父親が言われもない文書偽造罪で逮捕されてしまいます。
いつもケンカばかりしている善ちゃん三ちゃん兄弟も離れ離れになってしまうことに…
近所のガキ大将的な存在、三ちゃんはいつもターザンの「あ~ああー」という呼び声で仲間を呼びますが父が逮捕されてからはその座も奪われてしまいます。
ちなみに三ちゃんはターザンが好きなようで「今度のオリンピックにはターザンが出る」って言ってましたわ。ふふっ
大人の事情はしっかり子ども社会に影響するんだなぁ、と改めて思いました。
むかし、友人がママ友同士の飲み会に「行きたくないけど子どものことがあるから毎回じゃないけど顔は出す」みたいなことを言っていたのを思い出したり…
そして、三ちゃんは親戚に引き取られますがいたずらばーっかり!
初日に「いたずらばかりすると家に帰すぞ!」というおじさんの言葉を逆手にとって、というところもあったかもしれませんが親戚の男の子を殴るわ、たらいに乗って川下るわ、カッパに会う!言うて池に入るわ、とうとう自分の街の方に行く、というサーカスにくっついて練習までする三ちゃん。
親戚もほとほと手を焼きます…
一方、善ちゃんは家で一人かくれんぼをして遊ぶけれども…
弟がいないことに涙。
この善ちゃんの涙に私も思わず涙が…
ケンカばかりでもやっぱり兄弟だもん。
離れ離れは寂しいよね…
て、思っていたら意外とあっさり三ちゃんは帰されます。
あまりにもいたずらが過ぎて困ったんすよ、なので、なんなら代わりに善ちゃん預かるで、という申し出付きでした。
大人の困り果てた様子なんてそっちのけで、兄弟は再会をちょっと照れくさそうに、でもとても嬉しそうに喜びます。
兄弟はまた一緒に暮らすことになりましたが、お父さんはいつ帰ってくるのでしょうか…
厳しい家族の状況を交えながらも、オリンピックごっこ、お父さん相手に二人同時に向かっていく相撲、どちらがお父さんのお弁当を持っていくか?!などなど子どものいきいきとした様子が子ども目線で情緒豊かに描かれていてザ☆私の好み!でした。
最後は父親の疑惑が晴れて無事家に戻ってくるのですが、その時の善ちゃん三ちゃん兄弟の嬉しそうな顔!!!
ほんとよかったねー!
二人がいろんなところから「お父さん!」「お父さん!」って呼ぶシーンがまたかわいらしい。
大好きなお父さんととる相撲のシーンもとてもよかったなぁ。
そしてやっぱりガキ大将三ちゃん。
イジメや仲間はずれなんてカッコ悪いことはしないかっこいい三ちゃん!
最後の最後までとてもおもしろくて癒されました。
また子どもメインの清水宏監督作品があれば観に行きたいです。
うりぼう5つ:
2019.8鑑賞
ありがとうございました