鰻の男
(2014年/韓国/100分)
監督:キム・ドンフ
【ストーリー】
中国でウナギの養殖業を営むチェン(パク・ギウン)は、韓国に輸出したウナギから水銀が検出されたことを知り、中国産ウナギの安全性を証明するため危険を冒して韓国へ密入国する。しかし、再検査をしても結果は同様で、ショックでぼうぜんとする彼を食品安全庁の女性監視員ミ(ハン・チェア)が世話するように。やがてミの紹介で倉庫の警備職に就いたチェンは、そこで衝撃的な事実を知ってしまう。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション映画祭2015』にて鑑賞。
いわゆる「カリコレ」と言われている映画祭です。
結局この『鰻の男』しか観れなかったですが。
でも本命だったのでヨシ!
キム・ギドクが脚本、というだけで観に行ったので、どんな映画かもよくわかっておらず映画鑑賞開始。
最初、えらいけったいな所に目ぇつけた話やなぁ・・・とすっごい不思議な感覚で観ていたのですが、話が進むにつれて、なるほどそういうことねっとわかってきました。
かなり社会派のドラマだと思うのですが、そこにバイオレンス&エロという2大要素が絡んできます。
チェンがこの2大要素を背負うべくして、か、どうかわかりませんが、とにかく異様に強いのにびっくりしました。
ほんまに単なるウナギ養殖場の兄ちゃんかぁ?!てなくらいに強いのです。
でも、その強さがあってのストーリー展開、なところもありましたねー。
そしてエロ部門を担うのはチェンと、韓国のウナギ検査員?ミです。
チェンはお料理だって上手なんだぜー
最初は「はぁぁ?あかんもんはあかんねん!!」とウナギ再検査をつっぱねるミでしたが、ウナギ命のチェンの熱意に負け、検査してあげるところから二人は急接近。
(命がけで持ってきたウナギは3匹だったのですが内2匹があっけなく死んでしまいこの時点でハラハラしました!)
ミの普段の表情から現状に満足していない、何か問題を抱えている、鬱屈・・・といった「負」の感情が読み取れるのですが、言葉が通じないチェンとの生活はちょっと癒しになっているような感じがしました。
『きみはペット』をちょっと思い出しましたねー。
それにしてもこのミ役のハン・チェアさん、観ている間、ずっと誰かに似てるなーって思っていたのですが・・・
いつまで経ってもウナギが上手にさばけないのよ!!
そうだ。杉野希妃さんに似てる!と思ったのですがどうでしょうか??
こちらの画像は映画.comさんの映画『禁忌』ページより。
ミをはじめ、韓国側は「made in China」を嫌っており、それが原因でミとチェンの仲も一時険悪になるのですが、ウナギに関して意外な事実が発覚します。
それを知ったチェンは暴挙に出るのですが・・・。
この映画を観ていると「じゃぁ”made in Korea”と書かれているものはすべて安全なのかしら?」「韓国の人々は盲目的に中国のモノはだめ、韓国のモノはOK、と判断しているのかしら?」という疑問が湧き上がってきたのですが、でも、日本も似たようなもんか?てな事を思ったりして人ごとのようには思えませんでした。
脚本がキム・ギドクで監督が『レッド・ファミリー』のプロデューサー:キム・ドンフ。
作品は主人公二人の言語の違いから、ということもありますがセリフが少なく、社会派ではあるけれどバイオレンスにエロに・・・となんとなくキム・ギドクのかほりがしました。
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆