動物園日記 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

舞台は上野動物園。

動物園日記

(1957年/日本/75分)


監督:羽仁進


【しょうかい】

1882年に開園した歴史ある上野動物園。近代が生み出したこの人工的な環境を舞台に、飼育係と動物の生活の記録を通して、動物と人間のかかわり合いを見つめた一篇。今から60年近くも前の上野動物園が見られる! その後、アフリカに渡り動物を描くことになる羽仁の原点。(シネ・ヌーヴォさんサイトより)




【かんそう】



※だらだらだらだら長いです※




≪”映画の天才”羽仁進映画祭≫にて鑑賞。



ハニー映画祭で観たのはこれが最後ですが、実はこれが一番観たかった作品です。


結局『手をつなぐ子ら』が私のハートを一番にわしづかみにしていきましたが、この作品も非常に興味深くて面白かったです。。





舞台は上野動物園で、そこでの動物や飼育員たちの様子を紹介するのがメインの内容ですが、始まりはアフリカの大草原でキリンを捕まえるところから始まります。




これを観て私もハッ!となりました。




のほほーんとした動物園紹介だけではなく、ちゃんと「動物園にいる動物たちの中にはこうやって捕らえられてやってくるものたちもいるんやからな。」ということを伝えてくれています。




でもそこからは動物園側の愛情ある飼育が映し出されます。


動物たちがここで快適に暮らせるように飼育員の皆さんは昼夜問わず一生懸命彼らの世話をし、彼らと共に過ごしていました。



ちょうどライオンの赤ちゃんが生まれたようで、その子がちょっと主人公っぽくピックアップされてました。


初めてのオスなので「太郎」と名付けられます。


でも母親が育児放棄したため飼育員によって育てられることに・・・



太郎には2頭の姉がいて両方とも同じように人間の手で育てられているようでした。


お姉さんたちは「ナナ」とあとなんだったかな、カタカナの名前でしたね。

太郎はがっつり日本語の名前。


でもいい名前だよ!太郎!!




太郎の愛くるしい様子がもう、たまりませんでした。

ネコ科動物が好きな人ならメロリンキューだと思います。



ナレーションでは「百獣の王子」と呼ばれていました。


担当飼育員と一緒に初めて園内を散歩する様子が映し出されていましたが、檻の外からですが、お母さんのもとに連れていくと、母親は興味津々でこちらにやってこようとするのですが、太郎は怖がって飼育員さんの後ろに隠れようとします。



そうよなぁ。

初めて見たんだもんなぁ・・・

しかもあんなでかいのにグイグイ来られたらそりゃぁ怖いよね。



ここでナレーションで「太郎は猛獣のアパートにはまだ住めないようです」て言われててちょっと面白かったです。




飼育員は太郎にも友達が必要だね、ということでふれあい動物園のコーナーに連れて行きます。



ここでの太郎も超キュートで、「お前は誰だ?」と寄ってきたうさぎにびびりまくり、うたた寝してしまった太郎のひげを猿がムンギュッとひっぱり・・・百獣の王子・太郎はいいように遊ばれていました。


かわいらしかったなぁラブラブ



そしてそのあと、多摩だったかなぁ・・・

なんか新しい動物園建設予定地に太郎を連れていきます。


まだまだ草ぼーぼーの原っぱ状態。

そこで思いっきり太郎を走らせます。



嬉しそうに全力で走る太郎。


あー

君がそうやって走っていると日本じゃないみたいだよ、太郎・・・←私の心の声



ナレーションで「もしかすると檻のない動物園もそのうちできるかもしれません」のような内容が入るのですが、今でいう、サファリパークなんかがそうですよねー。


このドキュメンタリーは1957年に作られているのですが、そのころにはもうそういう構想があったのでしょうか。



そこにはツルみたいな鳥もいて太郎はじっと彼らを見つめるのですが、その様子も本当にかわいらしくてねぇ。


あぁ・・かわいい・・・ラブラブ


太郎を観ていると飽きませんでした。




しかし、動物園は外国の動物園との交流もあり、動物を交換したりしています。


なんと太郎も中国の動物園に行くことになりました。




運ばれるトラックの中できょとんとしている太郎。

何にもわかってない太郎。


手塩に育ててきた飼育員さんが太郎に呼びかけます。


「あっちの人たちは僕らと見た目は似ているけれど言葉が違うからな!早く慣れるんだよ!!」


太郎「・・・はぁ?!」



・・・さすがに太郎も「はぁ?」とは言うてませんが。

飼育員さんの言葉に「確かに!!」とちょっと笑ってしまいました。



でもこの時代の中国の動物園に行くのかぁ・・・と私は複雑な気持ちに・・・。




はっ!

どうしてもネコ科動物になると力が入ってしまいダラダラ書いてしまいましたが、もちろんほかの動物にもスポットを当てていました。



動物園で生まれたカバのまる子も本当に本当にかわいがられて育ててもらっていましたし、サイのお嫁入りでは結構みなさん命がけでした。




そして飼育員さんたちには英語の勉強の時間がありました。


外国から来た動物たちとコミュニケーションをとるためだそうです。





また、一般客が入れない動物園の奥にはたくさんの動物たちのはく製が。


戦争でなくなった動物たちのはく製です。


二度とこんな悲惨な事が起きてはいけない、こういうことがあったんだ、ということを忘れてはいけない、ということでここに置いてあるそうです。




この頃の上野動物園の飼育員の皆さんも真剣に動物に向き合っていて、動物たちがいかに快適に過ごせるか、ということに心血を注いでいらっしゃいました。


ナレーションでもそのような事はおっしゃってましたけど映像からもそれは伝わってきました。




今とはもちろん設備や技術、研究の差もあるでしょうが飼育員たちの動物に対する愛情は今も昔も変わらないんだろうなぁ、という印象を受けました。




1957年の上野動物園はまだまだ動物が少なくてとても広々とした印象がありました。




私も1957年ではないけれど、遠い昔に一度だけ行った事があるらしいのですが記憶にありません。

ふてぶてしい顔でパンダの檻の前に立っている写真は1枚だけあるのですが・・・

(パンダは見えず。意味ないやん!)



このドキュメンタリーを観てちょっと行ってみたくなりました。


今はどんな感じになってるんだろうなぁ~。





ハニー映画祭の作品鑑賞はこれでおしまいです。


さびしい・・・ううっ...


また縁があって鑑賞できることを信じてます。



うりぼう5つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊 うり坊 合格 


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ありがとうございました☆