サンドラの週末
(2014年/ベルギー・フランス・イタリア/95分)
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
【ストーリー】
体調が思わしくなく休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)は、復帰のめどが立った矢先の金曜日、ボーナス支給のため一人のクビを切らなくてはならないと解雇を通告される。ところが、同僚の計らいで週明けに職員たちが投票を行い、サンドラのためボーナス返上を受け入れる者が半分以上になればクビを回避できるという。その週末、月曜日の投票に向けサンドラは同僚たちの説得するため奔走するが……。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
※ネタバレしてますんでよろしくです※
よかったですね、これ。
私はすごく好きです。
ノレなかったーという方がいるのもよくわかりますが個人的にはとても好きな作品でした。
お話は上記の通りで、サンドラが週末を利用して同僚たちを説得して回るのですが、サンドラの気持ちも同僚の気持ちもよぉよぉよぉぉぉくわかりました。
実は私も、ちょっと彼女と同じように病気で少し休まないといけない状況になったことがあり(今は元気です)、派遣社員だし、業務も私一人しか担当していないし、辞めたくはないけれどそろそろ年貢の納め時かもなぁ・・・という事があったので、サンドラほどではないにしろ、彼女の気持ちが何だかよくわかりました。
(結局私は社員さんや社長が助けてくれて現在も続けることができています。ありがとうございます!)
でも健康な時は、同僚側であったので彼らの気持ちもよくわかりました。
誰だってボーナスは欲しいよ。
日々がんばってるんだもん。
家族だっているんだもん。
サンドラは一番不利な状況下にあり、勝算はほとんどありません。
彼女は自分の職場復帰をかなえることができるのでしょうか?!
夫に支えてもらいながらいざ出陣!
当然、同僚の反応はさまざまです。
快くサンドラの頼みを引き受ける人もいれば、心苦しそうにサンドラの頼みを断る人もいます。
断るその同僚の気持ちもほんとよくわかるのです。
サンドラも同じ。彼らの気持ちはよくわかっていたのだと思います。
だからそんなに強くは頼めません。
難しい状況が続き、なかなか表情も冴えないサンドラですが、夫が本当によく尽くしてくれていて、ええ旦那さんやなぁ~とうらやましかったです。
厳しい状況の中、音楽がかかる車の中でだけはサンドラの表情も豊かで明るかったです。
「グロリア」でみんなでノリノリになっていたところなんてよかったですねぇ。
サンドラが「すごい!よぉがんばった!!」と思ったのは1軒1軒、地道に同僚の家に行って、ちゃんと顔を合わせてお願いをするところです。
こういう案件なので当然と言えば当然かもしれませんが、家を訪ねて回る、というのは限られたシチュエーションだとは思います。
でも、Face to Faceの重要性を改めて感じました。
これがメールや電話だったらサンドラの必死さや熱意の伝わり度合いが全然変わってきていたと思いますし。
サンドラは途中でちょいとくじけてしまい、病院送りになってしまいますが、それでも彼女のがんばりは全く無駄ではなく、同僚の一人の生き方さえも変えていました。
でも、彼女のがんばりで一番変わったのは同僚ではなくサンドラ自身ではなかったでしょうか。
やっぱりピンクのタンクトップで登場のサンドラ。
勝負服なのかしら?
投票の結果、そしてボスからの提案。
最後のサンドラがカッコよくてすがすがしくて惚れ惚れしました。
あの週末を過ごしたサンドラだからこそできた決断だったように思います。
心の不安定さは否めませんが、とことん優しい夫やかわいい子供たちもいてくれるし、何よりあの週末をがんばり通した彼女だもの。
強くなれた彼女の今後はきっと明るいはず、これからもがんばって自分の道を切り開いていけるはず、と思わせてくれるラストでした。
今、記事を書きながら作品を思い出していましたが、やっぱり好きですわ。これ。
うりぼう5つ:
ありがとうございました☆