ウェディング・バンケット
(1993年/台湾・アメリカ/109分)
監督:アン・リー
【しょうかい】
「推手」、「恋人たちの食卓」とあわせて“父親3部作”といわれるアン・リー監督のヒューマン・ラブ・ストーリー。アメリカに帰化した台湾出身のウェイトンはビジネスでも成功を収め、ゲイの恋人サイモンと幸せに暮らしている。しかし彼がゲイだとは思いもよらぬ両親が台湾からやって来ることになった。ウェイトンは両親を安心させるために、グリーンカード目当ての中国人女性と偽装結婚することになるが……。主人公たちの奇妙な三角関係のなかに、中国の伝統的な考え方とゲイ、国籍問題、親子の絆などを見事に表現した斬新なタッチの人間ドラマ。(映画.comさんより)
【かんそう】
『台湾巨匠傑作選』特集上映より。
たっくさん観に行ったんねーん!!と思っていたのに結局観に行ったのはこれと、あと1本くらいだったかな?
何かとタイミングの合わない毎年の1月、2月、3月・・・仕方あるまい。
この映画、とてもよかったです。
ゲイ、アメリカ、グリーンカード、台湾から両親が来る・・・いろんなチグハグ感や違和感から生まれる笑いや物語は台湾から離れたアン・リーの視線だったからこそ生まれたんじゃないかなぁ、と思いました。
中国(大陸)の結婚式が騒々しくてにぎやか、というのは私も参加したことがあるので、知っていたけれど台湾の結婚式もかなりのにぎやかさだったのねぇ。
たぶん今では大陸も台湾も都市部での結婚はかなりスマートになっているとは思うのですが。
また、大陸の方で、初夜に友人たちが冷やかしに来る、という伝統行事がある(「闹房」と言います)というのは聞いたことがあるのですが、台湾でもそういうのがあったんですねぇ!!
郊外では今もあるのかな?
なのであの結婚式のシーンは私もかなり新鮮でした。
これが「大陸」の人たちの結婚式、というのであれば特に何も思わなかったと思います。
この結婚式。
当の本人たちにとってはまさかまさかの大結婚式だったわけで。
しかもそのあともまさかまさかの初夜だったわけで。
それがまたおかしかったです。ぷぷ。
そしてこの映画で一番泣かせてくれたのは「父」でした。
終始コメディタッチではありますが、父と母がスッと絡んでくるだけでじんわりしんみりしてきます。
父とサイモンの二人きりの会話。
空港での父。
父がどれだけ大きな器で彼を見守ってきたかわかります。
母も息子の行く末が心配で心配でたまらん・・・というのが伝わってきます。
息子を信じて、彼の周りの二人を信じて、父と母は台湾に帰っていきます。
その時の父の後ろ姿が・・・もう・・・
父の大きさを感じずにはいられませんでした。
あの大々的な結婚式だって、父の人柄、人徳があったからこそ行われたもの、と言っても過言ではなかったし。
あの3人のその後も観てみたいなーと思いました。
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆