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蜘蛛巣城
(1957年/日本/110分)
監督:黒澤明
【ストーリー】
シェイクスピアの『マクベス』を日本の戦国時代に置き換え様式美に拘り描いた戦国武将の一大悲劇。鷲津武時は謀反を起こした敵を討ち、その帰途の森で出会った老婆から不思議な予言を聞く。やがて予言通り事が運び始めると、欲望に取り憑かれた妻にそそのかされて主を殺し、自ら城主の地位につくのだったが……。(allcinemaさんより)
【かんそう】
やっと12月分の感想に突入ですわー
さぁー黒澤明映画祭8本目!
最初の城が登場するシーンから圧巻でした。
最近新聞でこの「蜘蛛巣城」について書かれていたものを読んだのですがセットは富士山麓、標高約1450メートルの「御殿場口」手前の「太郎坊」とよばれる地につくられたそうです。
完全主義者の黒澤監督。
監督は自分の脳裏にある完全なイメージにことごとく固執し、周りのスタッフたちは振り回されぱなっしだったそうです。
本作でも黒沢組のカメラマン中井朝一氏とは意思の疎通がはかれず何度も衝突した、と書かれていました。
そのスタッフさん達の頑張りがあってか、ハッと息をのむようなシーンが多かったです。
迫力もあればおどろおどろなシーンもあり、また、幽玄な美しさもあり、映像美で見せてくれる映画と言ってもいいくらいだったと思います。
映像だけではなく、役者陣ももちろん素晴らしかったです。
三船さん演じる鷲津武時が猜疑心にさいなまされて自滅していくさまや、山田五十鈴さん演じる奥さんの「ひぃっ」と思わず言ってしまいそうになる恐ろしさも必見ではないでしょうか。
お話は『マクベス』とやらを原作にしているらしいのですが、まぁ占いや予言はあんまり聞かんほうがええんかもなぁ、ってことを思いましたわ。なんか軽い感想で申し訳ないのですが。
シェイクスピアの『マクベス』が原作だから、と言っても難しく構えることはなく、この映画はわりとわかりやすい展開になっていたと思います。
黒澤明監督の『蜘蛛巣城』と言えばラストの弓矢のシーンも有名ですよね。
CGなどもない時代、本当の弓矢を至近距離から撃たせたという伝説(?)のシーン!
当たったらもう、それこを命も危ないやろうに三船さんもようやらはったわ。
三船さんが撮影終了後に監督に向かって「俺を殺す気かぁ?!」と怒鳴ったそうですが。
監督なら今でもCGじゃなくてほんものの弓矢で射らせたやろか・・・
今のご時世だったら監督はやりたくても周りが止めたかもしれんなぁ~
「人の心」に関しては今の時代にも通じるとても現実味のあるお話だったのですが、映画全体的な雰囲気はあの映像美があったからか、山田五十鈴さんの存在があったからか、ちょっと不思議なファンタジックな感じもしました。
うりぼう4つ:
ありがとうございました