マダム・マロリーと魔法のスパイス | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

魂の味

マダム・マロリーと魔法のスパイス

(2014年/アメリカ/122分)


監督:ラッセル・ハルストレム


【ストーリー】

南フランスの山間にたたずむ美しい街で、マダム・マロリーは自らが経営する伝統的なフレンチ・レストラン〈ル・ソール・プリョルール〉にすべてを捧げ、守っている。彼女の関心事はただひとつ、ミシュランから1つ星を獲得しているわが店に、もう1つ星を増やすということ。そんなレストランの道を隔てた真ん前に、ライバル店がオープン!そのド派手な店は、〈メゾン・ムンバイ〉。インドから移住して来た頑固なパパと、その息子ハッサンたち一家が経営するインド料理店だった。2軒のレストランの“戦い”はどんどん激化。しかし、ハッサンが亡き母から譲り受けた魔法のスパイスと「絶対味覚」のセンスが、両店主の心を溶かしていく……。(TOHOシネマズさんより)



【かんそう】


とっても楽しみにしていた映画でした。


何度も書いていて申し訳ないのですが、「食」を通じて人と人とがつながる、というテーマのお話が私は大好きです。


しかも今回はラッセル・ハルストレム監督作品と聞いて期待も高まりました。






だだだ・・・大感動!!というわけではありませんでしたが、じんわぁ~り心が温かくなるのと同時にどこか爽やかさも感じられる作品でした。



フランス人とインド人の「気質」みたいなものもうまく描かれていたと思いますし、フランス料理はソースが命でインド料理はスパイスが命、ということもとてもわかりやすく描かれていたんとちゃうかなぁと思います。


ちなみに日本の調味料事情は朝ドラ『ごちそうさん』のめ以子のとうちゃん(原田泰造さんが演じてました)によりますと・・・



日本は醤油というすぐれた調味料があったからソースなんてものは全く発達しなかった



だそうです。


でもそういうめ以子のとうちゃんは洋食屋のシェフですけどね。






今回は印象に残っているマルグリットとマダム・マロリーについてちょこっと感想。



主人公の青年ハッサンが家族と共にフランスに来て最初に助けてもらった女性マルグリット

この女優さん、どこかで観たなーと思ったら『イヴ・サンローラン』のあのモデルさんを演じていた方ですねー

日本人バイヤーに「お茶会にどうぞ」みたいなジョークを言って注意されていた・・・

私はあのシーン好きやったなー。



そして何度も出てきた自転車のシーン。

私も次は赤い自転車が欲しいわぁ!と思うほど彼女が自転車に乗っている姿はかわいらしく、とても似合っていました。

(私が赤い自転車乗ったところでかわいくなれるかどうかは置いといて)



マルグリットもまたシェフの卵だったのでハッサンを応援する反面、ハッサンのすご腕に対して悔しさや嫉妬もあって、もやもやもややん・・・という気持ちがとてもよくわかりました。


だって自分だって高い所を目指しているわけで、同じ土俵にいるんやもんなぁ。



マルグリット&ハッサンのシーンでおもしろいなーと思ったのが、ハッサンが彼女の部屋を訪ねる時ってなぜか夜中で雨、ということが続いていたと思うのですが、最後の最後は明るいお日様の下でちゃんと会っていたところ。

実際は何の意図もないのかもしれませんが、私には暗闇→明るい場所、雨→晴れ・・・が二人の関係を表していたかのように見えました。




そしてそして邦題のメインにもなっている人物、マダム・マロリー!!

マァロリーちゃん♪



最初は気位とプライドだけが高いフランス人かと思いきや、実は「フランス人」としての誇りを大切に持ち、フランス料理とお店を愛し、努力も惜しまない人物でした。

最初の頃のハッサンのお父さんとの戦いには笑ってしまったけれど。


彼女がハッサンのオムレツを食べた時の背中の演技がとても印象的でした。

あのワンショットで彼のオムレツの味がどれほどのものかわかりました。


ここに欧州の月影千草を見た!!な瞬間でしたねー

「ガラスの仮面」に出てくる大女優さんです




また、ミシュランの星を1つ取るのにどれだけ大変なのか、ということは他の映画などでも知っていたつもりでしたが、フランス料理に対してかなりストイックに取り組むマダム・マロリーの一喜一憂な姿を観ていると、星を一つでもとることは大変なことであり、星を守り続けることもプレッシャー続きの大変なことなんだなぁ、と改めて思いました。






最後に題名について。



ストーリー紹介にもあるように物語展開としては両店主の心が溶けて行き、両店の距離も縮まっていくというものですが・・・

しかし、向かい合うフランス料理店とインド料理店の間の実際の距離は短いのに、お互い歩み寄って行き来するまでの距離はかなり長いものでした。

その両店の橋渡し役となったのが主人公・ハッサンであり、距離を縮めたのもハッサンと言っていいと思います。



これはそんなハッサンの成長物語でもあるけれど、やっぱりこの映画は原題の


「The Hundred-Foot Journey」


かなーと思います。




ちなみにこの映画、中国では


米其林情缘



という題名になっています。


わかります??



それぞれ直訳すると


米其林=ミシュラン

情缘=男女の縁、縁


です。


「情缘」は決して男女の縁に限ったことではないので、それはわかるのですが、「米其林」(ミシュラン)も持ってきたかーという感じでした。



クラッカーくうこのおまけクラッカー


・音楽はやっぱり来ましたA.R.ラフマーン。でも今回はちょっと抑え目だったかな・・・


・やっぱり分子料理はおいしそうじゃない。



うりぼう4つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊

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ありがとうございました☆