なんでやねん・・・
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
(2013年/アメリカ/104分)
監督:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
【ストーリー】
1960年代のニューヨーク、冬。若い世代のアートやカルチャーが花開いていたエリア、グリニッジビレッジのライブハウスでフォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライターのルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)。熱心に音楽に取り組む彼だったが、なかなかレコードは売れない。それゆえに音楽で食べていくのを諦めようとする彼だが、何かと友人たちに手を差し伸べられ……。
【かんそう】
終始「なんでやねん・・・」ていうつっこみが似合う映画でした。
もう・・私のツボに入りまくってくれた映画で大好きです。
私、コーエン兄弟って初めてなのですが(たぶん・・・)、毎度毎度こんな「わかるわー」な地味な笑いを投入してはるんでしょうか。
茶トラのにゃんこもかわいかったー
きれいなにゃんこさんでしたね。
でもですね、にゃんこ以外にも、主人公がだんだん山田孝之さんに見えてきたり、私の大好きな地味な笑いが連発だったり、と、どっぷりはまっていってしまいました。
これ、たった1週間のお話なんですねぇ。
音楽方面はまったくもって疎いのでよくわからず、私の中では一アイテムにしか過ぎず、たぶん重要な役割なんだろうけど、わかっていなくて申し訳なかったです。
いろんな曲を知っていたらもっと楽しめたんだろうなーというのは容易に想像がつくのですが。
しーかーし!!
プは3つじゃなくて2つで・・・の
プリーズ・ミスター・ケネディー♪はとっても好きー!
アルの発声練習にルーウィンが「なんじゃこいつ・・・」な目を向ける瞬間から二人の絡みが大好きです。
素敵なアルの合いの手?&低音ボイス
アルのアパートの廊下がめっちゃ狭くて二人が挟まる瞬間。
アルのテーブルの下の箱いーっぱいのレコード。
・・・ちょっとしかないのですが、すごくツボです。
思わず声出して笑ってしまいました・・・
「プリーズ・ミスター・ケネディ」のアルのパートをマスターしたいわぁ~
あぁぉおうっ♪
すぺいすっ!!
あぁぉおうっ♪
すぺいすっ!!
ぷるるるるるるるる・・・・
実はこの歌の部分だけ何度もyoutube観てます・・・
いやぁ・・・笑えるわぁ・・・
その他にも地味ぃぃな笑いは満載で、飽きませんでした。
ジーンのアパートの廊下がめっちゃ狭くどんどん行き詰まる感じ。
ジーンのルーウィンへの無表情罵倒。
トロイのシリアルの食べ方。
ジムからのヘルプ要請の電話があり、すぐにかけなおしたがタイミング良く電車通過でよく聞こえない。
シカゴまでの道中ずっと・・・なに、あの雰囲気。
雪の中にズボッと足をつっこんでしまい、靴下がびしょびしょでイヤーな気分。
ルーウィン所属の事務所の秘書のおばあさんが強烈キャラ。
老夫婦のところにいるお客様が毎回毎回なーんか変。
老夫婦のところで出会った夫婦にこどもの写真を見せられるがお世辞にもかわいいと言えない。
オーナーに聞かれてルーウィンが放った白いセーター4人組への評価
今思いつくだけ書きましたが、たぶんもっとあると思います。
こういうのを思いつく、また目をつけるコーエン兄弟は「あるあるネタ」させたら素晴らしいかもなーと思いました。
また、自分のニート時代も思い出しました。
くさくさしてる時って、何をやってもうまくいかないんですよね、ほんと。
しかも、容赦なく税金の請求とか来たりしてこの世は息吸ってるだけでお金かかるんやなぁ・・と、どよーんとしたり。
就活資金稼ぐために日雇いの派遣などに飛びついたり。
でも、友人たちは変わりなく私と接してくれたりアドバイスをくれたりして、感謝感謝の存在だったり。
そして当時私も猫と犬を飼っていたのですが彼らだけは私が仕事してようがしてまいがお構いなく「お!家におるんやったら遊んでおくれよー!」と私”自身”になついてきてくれて心底癒されたり。
そういうことも思い出されたりで、彼のあの「なんでやねん・・・」な表情がすごく染み入りました。
ルーウィンは劇中、船乗りに戻ろうとしたこともありました。
今後もええ暮らしになるような要素がなさそうな彼はひょっとすると、また、歌を捨てようとするときがあるかもしれません。
ですが、私は彼が「歌」を捨てることはないんじゃないかなぁ~と思います。
なんやかんやと歌ってそうな気がしますわ。
だって・・・最後はちょっと前進もしはったと思いますし・・・
そして、あんなラストではありましたが、あしたは今日よりはちょっとええ日かもよ?とも思いました。
あーどうしよう・・・
めっちゃ好きです、この映画。
くうこのおまけ
・ジーンの罵倒シーンは字幕に釘づけでした。
何年か前にぼらんてぃあで字幕のお手伝いをほんのほんのほんの少ーーし、させていただいたことがあったのですが、映像にはバンバン罵りの言葉(中国語ね)は出てくるのですが、そこにぴたっと当てはまる日本語が全然思い浮かばず、メインで翻訳されていた方も「日本語の罵り言葉って少ないからねー」とおっしゃっていて、なるほどなーと思いました。
でも今回のは観ているだけでも十分おもしろかったなー
うりぼう5つ:
ありがとうございました☆