世界の果ての通学路 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

学べる幸せ。みんなかしこそー



世界の果ての通学路

(2012年/フランス/77分)


【しょうかい】

地球上の異なる4つの地域で、数10キロの危険な道のりを経ての通学し、学校で学ぼうとする子どもたちの姿を追ったドキュメンタリー。ケニアの15キロメートルのサバンナを命がけで駆け抜けるジャクソン、360度見渡す限り誰もいないパタゴニア平原を、妹と一緒に馬に乗って通学するカルロス、モロッコの険しいアトラス山脈を越え、友だち3人と寄宿舎を目指すザヒラ、幼い弟たちに車椅子を押されながら、舗装されていない道を学校に向かうインドのサミュエルの4人に密着。子どもたちの学習に対する意欲の高さや、そんな子どもたちを支える家族の愛情を映し出していく。アフリカのマサイ族を主役に描いたドラマ「マサイ」(2004)で知られるフランスのパスカル・プリッソン監督が手がけた。(映画.comさんより)



【かんそう】


内容的にも、ですが、77分と短い上映時間ということもあり、親子連れで鑑賞に来られている方たちもちらほらいらっしゃいました。・・・


異なる4つの地域の4組の子供たちの通学模様にスポットをあてて紹介しているわけですが、どの子供たちも毎日真剣勝負。



行きだけじゃないもんなぁ。

帰りもあるもんなぁ。



ちゃんと明るい時間に帰ることができてるのかなぁー。




でも、そんな私の心配をよそにスクリーンに写っていた彼らは「学べる」という喜びだけでいっぱいのように思いました。


そして学校に行かせ、子供たちを応援しているご両親たちも素晴らしいなーと思いました。




私は滋賀出身なのですが、私が住んでいた地域は日系ブラジル人だけではなくブラジルから普通に出稼ぎに来ている方々も多くいました。



ある時小学校の先生をしている友人が言っていたのですが・・・



自分たちが働きに出るため、幼い子供の面倒をみさせたりするのに子供を学校に通わせないブラジルの人たちが結構いる。


なかには「学校にとりあえず行かせればええんやろ」てな感じで手ぶらで来させる親もいるし、教育をあまり重視してない親なんてたっくさんいる。しかもやっぱりそういう(親の)子供はまったく勉強する気がないから授業に集中しないし・・・



とのことでした。


もちろん全部が全部、というわけではなく、中には日本の教育ママ顔負けの教育熱心なご両親もいらっしゃるそうです。


彼らにとっては子供を日本で小学校に通わせるのは義務ではないらしいので(憲法上では日本で義務教育を受ける対象は「日本国民のみ」という解釈らしいです)強くも言えないらしいのですが・・・まぁ、結構大変かなーと当時は言っていました。



しかも家庭それぞれ事情もあるでしょうしね・・・


その話を聞いてから8年くらいは経っていると思うので今は状況も変わっているかもしれませんが。




日本でもそういう状況があったりする(した)のですから、やはりあれだけ毎日モチベーションを高く、学べる喜びを体全体にみなぎらせ、命の危険と背中合わせでも毎日嬉しそうに学校に通う彼らの姿には感動しますし、「教育」は大事よな!ということで子供を学校に通わせるご家族の方たちをも尊敬します。


また学校には「勉強」面の「学ぶ」だけではなく「人間関係」「社会生活」での「学ぶ」もたくさんあると思います。



ただ、実際は通いたくても通えない、通わせてあげたいけれど通わせてあげることができない・・・という子供や親も世の中、国を問わずたくさんいると思います。




そう考えると、普通に、何の疑問も持たずに学校に通わせてもらっていた私はとても幸せだったんだなーと思います。


私の場合、小学校なんて遊びに行ってたようなもんですけど・・・





そしてこの映画を観ていて思ったのが「これってドキュメンタリーよな??」ということです。


えらいドラマチックなドキュメンタリーやなぁ~と思ったのです。


こういう密着型のドキュメンタリーってたいていカメラ1台だと思うのですが、いろんな角度からの撮影シーンが入っており、それが時には時間がちゃんとつながっているような編集になっていて、それはそれはもう、観客の目をきちんと意識したドキュメンタリーに仕上がってるんですよ。当然といえば当然ですけど。

音楽も素晴らしかったし・・・



なんかこう洗練されたおしゃれなドキュメンタリーな感じがしました。

どうやって撮ったのかしら?!カメラは何台もあったのかしら?!とかいろいろ考えてたのですが、あとで監督のインタビューを読んで納得。


1組の子供たちにつきそれぞれ12日間付いて撮影されたそうです。

(撮影前にも子供たちとの距離を縮めるために10日ほど一緒に過ごしたそうです)


そりゃそうですわな。

あんなとこまで行って1日だけ撮影して「ほな帰るわ」はないですわな・・・。



基本的に通学って毎日同じだから(彼らの場合は状況が一変することも多々あるでしょうけど)毎日アングルを変えて撮影することも可能ですよね。



なるほどなるほど・・・でした。



上映時間も短いですし、映像も美しく、内容もいたってシンプル。

大人も子供も鑑賞しやすいドキュメンタリーではないでしょうか?



クラッカーくうこのおまけクラッカー


・アルゼンチンのカルロス君&妹は馬に乗って通学するのですが途中でやっぱり馬に乗って通学する友人たちと待ち合わせて学校へ行く・・・・が!!どうやってあの待ち合わせ場所を決めたのだろうか?!なーんも目印がないからようわからんのですが、なんであそこなんやろう・・と。

最初に偶然出会って「じゃぁ、明日もここで待ち合わせて行こな。」「うん!」ということになったんだろうか。



・インドの三兄弟の通学風景がまた微笑ましいのだが、最後に兄ちゃんの車いすを押す弟二人が「学んだ」技術がこれまた素晴らしかったです!!たしかに必要だわ!!



・むかーし新聞で貧困地域から脱出するために必要なのは・・・というコラムがあり、いくつか条件が書かれていましたが、その中にはやはり「教育」がありました。


また、映画『ふがいない僕は空を見た』でも窪田くん演じる貧困家庭の高校生も自分の環境にうんざり&ヤケになっていましたが、「この状況から抜け出したいなら勉強して大学に行け。お金がなくても奨学金などで通える方法はなんぼでもある。」というバイト先の先輩のアドバイスで猛勉強始めるところがありました。


・・・なんか、そのことを思い出してしまいました・・・。



うりぼう4つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊


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ありがとうございました☆