(2012年/台湾・香港/110分)
監督:チャン・ロンジー
【ストーリー】
目が不自由なユィシアンは希望や情熱をピアノにのせて表現する非凡な才能を持っている。その才能を磨くため、それまで支えてくれた家族のもとを離れて都会に住み、音楽大学に通い始める。そんなある日、ダンサーをめざしながら挫折しかかっているシャオジエに出会う。ユィシアンと交流するうちにシャオジエに前向きな気持ちが芽生え、やがて彼女はダンスの国際コンクールに挑戦する。ユィシアンもまた仲間たちと夢に向かって飛翔していく…。(第25回東京国際映画祭さんより)
【かんそう】
今回もネタバレしてまーす。
きらっきらの透明感あふれる台湾青春映画・・・と言えばそうなのだが、やはりちょっと違う青春映画かな。
まず主人公にご本人が演じていらっしゃること、が一番大きいかも。
フィクション(もちろんご本人のお話もあるだろうが)でありながらすごくリアリティがありました。
その分、とてもメッセージ性が強いなぁ、ということも感じました。
今までの台湾青春映画にメッセージがない、というわけではないですが、これほど強いのってそんなにたくさんあったかしら??
ただ私が知らないだけかもしれません。
でも、台湾独特のきらっきら感、ユーモア、はもちろん健在で、メッセージ性が強いからと言って押しつけがましい映画、というわけではありませんでした。
彼の友人たちもとても素敵で、ユィシアンを特に盲目だから、というような特別扱いはしていませんでした。
どこにでもいる普通の大学生の仲間、という感じで接していたのがとても好感が持てました。
彼の周りに素敵な仲間が集まってくるのはユィシアンの人柄も大きいだろうなぁ、と思います。
自分の周りの人々は自分の鏡だ、って言いますものね。
ダンサーを目指す女性シャオジエとの交流もよかったです。
ユィシアンにとっても彼女との出会いは素晴らしいものだったと思うのですが、私はそれ以上に彼女にとってのユィシアンとの出会いはかけがえのない宝物のようなものだと思いました。
彼女は彼に出会ったことで大きな一歩を踏み出すことになるからです。
それまでは何かと言い訳をつけてるように見えた彼女でしたが、彼との出会いにより、体験レッスンに参加してみたり、オーディションを受けてみたり・・・・行動に出るようになります。
結果はどうであれ、行動するというのは非常にエネルギーのいることですし、そこまでのテンションがないと体は動いてくれないと思うのです。
それだけの力を与えてくれた出会いや交流って人生の中でそんなしょっちゅうあるものではないと思います。
そして私は彼女の
「夢をあきらめきれないのであれば、人に認められるまで努力するしかない」
という言葉が心にズーンと響きました。
努力していればいつか人に認められる・・・・という言い方もありますが、人に認められるまで努力するしかない、という言い方ではなんとなく積極性が違うような気がします。
いや、必死感だけの問題かな?!
とにかく!人に認められるだけがすべてではないかもしれませんが、人に認めてもらうこともまた、大きなステップとなると思うので、全否定はできないと思います。
彼女はユィシアンとの出会いで大きく羽ばたきますが、彼女のバイト先の店長?の存在も無視はできないですねー。
彼女を優しく大きく見守ってくれている存在です。
優しく大きく見守ってくれる存在、と言えば、ユィシアンの母親もまたそうでした。
彼女の大きな愛情に感動しました・・・
そういや、意外なところで、代理で来た学校の先生もまたユィシアンのよき理解者だったなー。
そうしてユィシアンもシャオジエも共に夢に向かって羽ばたき始めたところで映画は終わります。
二人を応援したくなると同時に、自分もがんばろーと思える映画でした!
くうこのおまけ
・ユィシアンが所属するサークルの部室?みたいなところには除霊部やペン回し部など変なサークルも一緒で笑えたわー。
・キャンペーンを兼ねて、だと思うのですが、大阪での試写会に来てくださり、ピアノまで弾いてくださったそうです!!!(もちろん私はハズレました・・・)
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆