(2013年/日本/121分)
監督:是枝裕和
【ストーリー】
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
いやぁ、よかったですわぁ。
ほんとよかったですよ。
「そして父になる」・・・その通りでしたわ。
私は子供いないのですが、母親の、あの感覚はなんとなくわかる気がします。
そして、この映画を観て、夏くらいに観たドキュメンタリー『隣る人』を思い出しました。
あの映画に出てくる施設のスタッフも血はつながっていないのですが、それはそれは子供たちを我が子のようにかわいがって愛して育てていくのです。
私はそのドキュメンタリーを観て「血のつながりがあって、一緒に住んで、愛し愛されて・・というのが確かに理想ではあるけれど・・・でも・・・彼らを観ていると血のつながりって・・・一体・・・」と思ったのも確かでした。
でも、この「そして父になる」の両家の母親たちは見事に私のもやもやを吹き飛ばしてくれました。
私が言うのもおこがましいのですが、一緒にいた時間ってやっぱり何物にも代えがたい、いや、代えられないような気がします。
だって・・・「一緒に過ごした」「愛して育ててきた」「お互いを大切に思ってきた」という”時間”は事実ですもの・・・。
ここから完全なるネタバレで書いています。
そして福山さん演じる父親。
このシーンで私はめーっちゃ泣きましたわ。
福山さんのセリフにも、ですが、この二人の道がここで一緒になる、という演出にも、もう・・・はい・・・
斎木家の琉晴君との過ごした時間もまた、彼が一生懸命父親になろうとしている努力の時間であり、過程であり、必要な時間でした。
そしてそして・・・このシーン。
「そして父になる」に納得したシーンでした。
終始静かな映画で、リリー・フランキー&真木よう子夫婦の家族が出てくるとにぎやかでっせー!にはなっていましたが、それでも全体を通して静か~に心に染み入ってくる映画でした。
くうこのおまけ
・ブルグミュラーの曲が使われていて「懐かしー!」と思いました。
ブルグミュラーの曲って単なるピアノの練習曲、という印象が強いのですが、私は一度ピアノの先生の先生が弾いてくださったのを聞いたことがあり(「ブルグミュラー 25の練習曲」) 、「これが私の練習していた曲なのか?!」と思うくらいに別物の曲になっていて、たいそう感動した覚えがあます。
ブルグミュラーに限ったことではないと思いますが、何でも演奏者によってずいぶん変わりますなぁ。
・斎木家の長男がちょいちょい関西弁になり「?」と思いましたが、彼は滋賀県出身だそうで、なるほどなーでした。
でも、リリーさんもたまに関西弁っぽかったね。
・リリーさん&ピエール瀧さんを観たときは、すぐに『凶悪』思い出したよー
・尾野真千子さんと真木よう子さんが逆でもいいんじゃないの?と観る前は思っていましたが、観るとそんなことはなく、しっくりきてました。
・中国大陸では『如父如子』と、英語題名をそのままにしているようですね。
台湾は「我的意外爸爸」で「意外な父親」という感じになるのかな。
私が一番衝撃受けたのが香港での題名『谁调换了我的爸爸』
直訳すると「だれが僕の父を取り換えたのか」ということです。
台湾と香港は子供目線の題名ですねー
・・・おまけの方が長くなってしまったかも・・・すんません。
ありがとうございました☆