リアル~完全なる首長竜の日
(2013年/日本/127分)
監督:黒沢清
【ストーリー】
第9回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した乾緑郎の小説「完全なる首長竜の日」を、佐藤健&綾瀬はるか主演、黒沢清監督で映画化。浩市と淳美は幼なじみで恋人同士だったが、淳美は1年前に自殺未遂で昏睡状態に陥り、いまも眠り続けていた。浩市は淳美を目覚めさせるため、「センシング」という最新医療技術を使って淳美の意識の中へ入り込み、彼女がなぜ自殺を図ったのかを探る。センシング中に出会った淳美は、浩市に「首長竜の絵を探してきてほしい」と頼み、浩市はその絵を探しながら淳美との対話を続ける。しかし、センシングを繰り返すうちに、浩市は見覚えのない少年の幻覚を見るようになり……。(映画.comさんより)
【かんそう】
黒沢清監督作品は「トウキョウソナタ」しか観ていないのだが、これがすごくよかったので、それだけで私は黒沢清監督が大好きになった。
しかも大阪でインディペンデント映画祭のボランティアをしている時、ちょうど黒沢監督が審査員のおひとりで大阪に来てくださった。
私は全然お話することはできなかったのだが、トークでの発言や、他の監督さんたちから黒沢監督の逸話を聞いたりしてますます大ファン!(じゃぁ作品観ろよ・・・)
今回こんな大規模な映画を撮影されてたなんて!ということで早速鑑賞。
しかも滅多にない初日鑑賞。
・・・・映画の日で1000円だったからではない。
いや、その理由もあるか。
原作は読んでいないのだが、原作では兄弟の設定なんだってね。
でも映画では恋人同士。
だからかわかんないけど、どうもお互いを熱く思う恋人同士には見えなかった。
どこか冷めてる・・というか、なーんとなく温度が低い感じがした。
ま、いろんなカップルいますしね☆
で、6/2にはなんと佐藤健さんと黒沢監督がTOHO梅田に舞台あいさつに来てくださったのですが、その事が某日の夕刊に載っていた。
その中で佐藤健君が
「この映画には黒沢監督が仕掛けたトラップが数多くあります。1回見ただけではわからないので2回3回と楽しんでくださいね」
とおっしゃったそうだ。
そう聞くとまた観たいやんか・・・
別に1回でもうええわ・・・・な映画じゃなかったし観れるで。
でも前半は黒沢監督お得意のホラー描写がちょこちょこ・・・で怖かったりもした。
そのシーンが出てくると劇場の若い女性たちの声で「きゃっ」「ひゃー」「え!!」というのがあちこちから聞こえてきて笑った。
いや、ほんとそれくらいにリアルでタイミングも抜群な演出だったのよ。
私もドキー!!ってしたもの。
フィロソフィカルゾンビの存在も不気味だった。
でも最後まで一番不気味だったのは中谷美紀さんでしたけど!!!
彼女は医者として映画の中に存在するんだけどなーんか微妙。
何考えているのかわからない節がある。
そして題名にもある「リアル」
「現実」と「意識下」・・・この境界線がほんとどんどんわかんなくなってきて自分も彼らの意識下の中にいるんじゃないかと思うくらいにぼやぁ・・・としてくる。
二人の意識間の移動が見事やった。
あと、見事といえばクライマックスに登場する首長竜ね。
もちろん現実ではなく彼らの意識の中に登場するわけですが、ここらへんが一番私の意識がしっかりしたかも!!
ぎょぎょ!首長竜やん!!
て。
単純に首長竜にびっくりしただけの話ですが。
それだけ「リアル」やったのよ、首長竜さんが!!
黒沢監督は原作を読んだ時にこの首長竜は映画にするなら出さないとお客様は納得しないだろうな、ということで長年一緒にお仕事されて信頼されているCGアーティストさんと共に試行錯誤を重ねて作り上げたそうだ。
でも、確かに登場しなかったらずーっと最後まで「で?で?でぇぇ?」となり彼ら二人の過去や謎も「?」なままだったように思う。
首長竜は単なる恐竜ではなくちょっと悲しい産物でもあるしね。
内容や人物の描写だけでなく画面のすみずみまでこだわりがあった黒沢監督なりの娯楽映画。
私は結構好きだったなー。
くうこのおまけ
この映画でびっくりしたのが綾瀬はるかさんの足の速さ!!
めっちゃ走るの速いんよ!!!
そのことを友人に話したら彼女も以前からそれは知っていたそうで・・・
有名な話なのかしら?!
んで夕刊の監督インタビューでお二人について書いてある部分があり佐藤さんに関しては演技について書かれていたのですが、綾瀬さんについてはなぜか
「身体能力の高さに驚かされました。映画の後半ではすごいアクションを見せてくれますよ」
と、演技のこと一切書かれてなかったし!
でもすっごい納得したし!!!
ということで綾瀬さんの身体能力の高さ(特にダッシュ!)も見ものな映画です!(?)
うりぼう4つ:
ありがとうございました
みなさま楽しい週末を~☆