39窃盗団 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

サンキュー!
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39窃盗団

(2012年/日本/113分)

監督:押田興将


【ストーリー】

兄キヨタカ、ダウン症。弟ヒロシ、発達障害。刑務所を出たり入ったりのヒロシは、オレオレ詐欺のリーダー・ケンジに「お前の兄貴は、刑法39条があるから、刑務所に入らなくていいんだぞ」と、そそのかされる。キヨタカと幼馴染の和代の三人で、ケンジにだまされているとも知らずに、のんきにドロボーの旅に出て、空き巣を繰り返す三人。痴呆老人の金山も加わった緊張感ゼロな「サンキュー窃盗団」。本当に、彼らはつかまることは無い!……のかな?(goo映画さんより)


【かんそう】

すごく楽しい映画だった。


もちろん楽しいだけでなくてさらっとしたセリフの中に今の世の中の現状や考えさせられることなんかも含まれていてハッ!とさせられたりするのだが、でも、なんて言うんでしょうねー


世の中を痛烈に批判して毒々しい、とか、障害を持っていても明るく末来に向かって頑張ります!!頑張ります!!がんばりますーーーーーーー!!と力がすごく入っている、とか、そういう感じではない。


あくまでも私個人の感想ですが。



多分出演されているみなさんも制作スタッフさんたちもこの映画作りをとっても楽しんだのではないだろうか。

監督、主演のキヨタカさん、弟役のヒロシさん・・・みなさん押田ファミリーなのできっと気心しれたリラックスした雰囲気だったんだろうな。


そんな風に伝わってくる映画でもある。





あと、なんかすごくユーモアがきいてるのよ。



ちいさーーーーい、こまかーーーーい小ネタがいちいちおもしろいねん。


巨人VS阪神とか・・・
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福引場所での『笑う門には土地来る』というキャッチフレーズとか!

ほんまにこの抽選での1等賞は「土地」。

すごいよね!!


その土地自体もすごかったが・・・




そのほか・・・パピコ、ふりこめさん・・・



ほんと、楽しいネタ満載やしセリフもおもしろかった。




実際泥棒に入るシーンでも
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本当は泥棒なんて犯罪やし、やったらあかん。

あかんねんけど・・・兄キヨタカが持ってくる品々がどれもおかしくて、まるでコント観てるみたいで笑ってしまった。







この映画を観る前にNHK教育『ハートネットTV』に押田監督が出演されていて映画についてお話されていたのを観た。


キヨタカさんの弟ヒロシ役で出ていらっしゃる方は実はキヨタカさんと一番仲の良い一つ上のお兄さんだそうだ。


劇中でもすごい仲良しさんでほのぼのしてたもんなー。なるほどー。



そしてびっくりしたのが、監督はキヨタカさんになーんの演技指導もせず、脚本も教えておらず、未だ「映画に出てくれないかな」という出演交渉すらしていないそうだ。

ここでこうしといてー・・とかそんな感じだそうだ。



なので当然と言えば、当然の自然な演技だったのだが、監督がそれゆえに名演技が生まれた場面もある、ということで紹介されていたシーンがある。


どうしてその素晴らしいシーンが生まれたのか、ということを監督がお話されていたのだが、感動した。



キヨタカさんをよく存知じの監督だからこそ、そしてキヨタカさんの感性の強さがあったからこそ撮れたシーンだったんだろうなぁ。



確かに兄弟愛を感じる、ジーンとくる素敵なシーンだった。



キヨタカさんの実生活も紹介されていたのだが、押田兄弟はなんと8人兄弟!!

お母さんもええお母さん。

さすがキヨタカさんのことようわかってはる。


育てるうえで2つの事に気をつけてきた、とおっしゃっていた。



まずは「彼を特別扱いしないこと」


これは8人兄弟だったということもあり「できなかった」ということもあったそうだが、逆にそれが彼の生活力になったかもしれない、とお話されていた。




そして「彼の好きなことを見つけてそれを応援してあげる事」


幼いころはどうしても学力をつけてもらいたいと、そちらに力を入れたのだが結果キヨタカさんが体調を崩してしまう。


でも、ある日、中学の授業参観でキヨタカさんが嬉しそうに一輪車に泥を載せて運んでいるのを見かける。

お母さんは「これかなー」と思ったそうだ。



実際、キヨタカさんは今、週4日、農業作業所で働いていており、仲間と共に汗を流して働くのが何よりも楽しいそうだ。




映画の中で「何か特別な事ができないとだめなの?!」とヒロシが和代に言うシーンがある。
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だって、ヒロシにとってはキヨタカは何ができようができまいが大好きなたった一人の兄なのだ。

それだけじゃだめなの?そこにいてくれるだけじゃだめなの??


そんな思いが伝わってきた。




作業所では仕事を繰り返し繰り返し教えてもらっていろんなことが確実にできるようになってきたそうだ。



お母さんも「その子が一番いやすい場所を探してあげる事が大切かなー」とおっしゃっていた。



私には子供はいないが、これって障害者だけでなく老若男女全員に言える大切なことかもしれんなーって思った。





最後はとっても素敵な居場所を見つける3人。


・・・て、これも和代がまたまた父にどえらい仕事をさせられてる結果得られたものなのだが・・・
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なんか複雑な想いがこみあげてはきたが・・・


みんなの夢がかない、たくさんの花が咲くといいね。





笑いの中にも厳しい現実が見えるこの映画。

笑ってばかりの映画ではないけれど・・・


たくさんの場所で上映されてたくさんの人に観ていただきたいとおもった。






クラッカーくうこのおまけクラッカー

・和代役の山田キヌヲさんがとってもキュート!


・キヨタカさんが実際に描いたロボットの絵がこの映画のシンボルマークになっているのだが、それもまたかわいいのです!!


・音楽もほのぼのしていて耳に残りやすく、とてもよかったなー




うりぼう5つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊 うり坊 合格


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ありがとうございました!

サンキュー♪


みなさま楽しい週末を~☆