青の稲妻
(2002年/中国・日本・韓国・フランス/112分)
監督:ジャ・ジャンクー
【ストーリー】
中国山西省・大同(ダートン)。19歳のシャオジィとビンビンは定職にも就かず毎日気ままな生活を送っていた。ビンビンには受験生の恋人ユェンユェンがいた。だが、彼女が北京の大学を志望していると知ると、ビンビンは自分も北京に行こうと兵役志願を決意する。一方、シャオジィはダンサーのチャオチャオに出会って一目惚れしてしまう。しかし、彼女にはヤクザの愛人チャオサンがいた。それでもシャオジィはチャオチャオにアプローチをかけるが、案の定チャオサンに手痛い仕打ちを受けてしまう…。(yahoo映画さんより)
【かんそう】
正直、ジャ・ジャンクーは苦手。
だった。
この映画は思いのほかおもしろかった。
多分、私が留学していた時代、場所(別の場所だが)が被るからだと思う。
私が留学していた場所も都会に近い場所ではあったが、映画に出てくるような田舎でいろんな工事が急ピッチで行われていて、若者たちはいっぱしに自分らはかっこいい!と自負しているようだが田舎臭さ満点で・・・
この映画とほんと被ってた。
若者の閉塞感、というのも多分被ってたと思う。
娯楽もさほどなくて、生きている世界が狭いのでテレビなどで得た情報が自分の世界の全て。
そして、みんな「人生の主人公は自分」、だからいいのだけど、世界が狭い分異様にドラマチックに自分を見立てている。
なんかイラッとする。
私が留学時代に接触した田舎の若者たちもそういう人たちが多く「なんでこんなんなんやろう、この人ら」とイライラすることもあった。
もちろん私にはない考え方を持っていたりして刺激を受けたこともあるし、彼らの並はずれた生きて行く力に感心したり、イライラする半面カルチャーショックを楽しめる部分もあった。
そういう事って留学の醍醐味だろうし、国が違えば文化も考え方も違うというのを身を持ってわかった気がする。
ええ体験やった。
この映画は2002年に作られているが、見事にその年代を表している単語やシーンがたくさん出てきた。
WTO、法輪功、オリンピック招致、至る所での工事・・・・
この映画は古典落語みたいに後世に観ると「あーこの時代ってこんなんだったんやー」と思いだせる資料的な役割にもなるかもね。
あと、なぜか農村の人たちって普段着にフツーにスーツの上(ジャケット)着るよね。
私が留学している時も出稼ぎに来て道路工事している人たちがふつーにジャケット着てドロッドロッになりながら働いていた。
彼らにとっては単なる防寒服なんかもなぁ~。
・・・・て、話しの内容には一切触れずにすんません。
結局自分が留学していた時の事を思い出す映画にしかすぎなかったのかなー。
でもそう思ったらすごいリアルに描かれているよね、これ。
そして、目を引くカットや伝わってくる空気感などもたくさんあり、これがジャ・ジャンクー映画の持ち味なんかなーと思ったりもした。
この若者たちはここで、または都会に出たとしても一生こうやって暮らしていくんやろーなー・・・というのが、観終わった後のぼんやりとした感想ですわ。
うりぼう3つ:
ありがとうございました☆