また会えると信じてた
さよなら子供たち
(1987年/フランス・西ドイツ/103分)
監督:ルイ・マル
【ストーリー】
1944年、ナチス占領時代のフランス。パリからカトリック寄宿学校に疎開している12歳の少年ジュリアン・カンタンの学校に、ある日ジャン・ボネという少年が転入してくる。彼は少し変わってはいるが、数学、国語、ピアノなど学業優秀でジュリアンのライバルとなった。初めはどこか打ち解けない2人だったが、次第に連帯感が生まれてきたその頃、ふとしたことからジュリアンは、彼が偽名を使って転入してきたユダヤ人であることを知る……。(yahoo!映画さんより)
【かんそう】
「地下鉄のザジ」に続くルイ・マル第2弾!
最後の最後にググーーーッと泣きそうになった。
終始静かに、そして当たり前のような日常が流れる寄宿学校。
男子校らしくどうでもいいイタズラやいざこざ・・・まぁまぁ、きっとこれもあれも当たり前な日常。
時に、空襲警報が鳴ったりして、一斉にいそいそ避難したりするけれど、でも、やっぱり普段は普通の学校生活を送っていて、たまーに先生たちと一緒にみんなでチャプリンの映画を見て笑いあったりしている。
どうでもいいけど私もこのチャプリンの映画でちょっと笑ってしまったよ・・・
さすがチャプリン!時代を超えてもなお画面の向こうの向こうの人まで笑わせている・・・
でも、「戦争」の影響は何にも関係のない子供たちにまで忍び寄ってくる。
転入生のボネは実はユダヤ人。
神父(司祭)も知っているのだが学校にかくまう。
主人公ジュリアンはひょんなことから彼がユダヤ人と知ってしまう。
だが、そんなボネとジュリアンはドライだけれど、穏やかな友情関係を育んでいく。
ジュリアンがちょいちょいボネを心配したり、かばったりしたりするんだけど、ボネもまた、ジュリアンがからかわれた時にはパッとからかったヤツらへの攻撃に参加したりするのだ。
ド☆派手ではないが「あー彼らは仲が良いんだなぁ・・・」と思えるシーンが何個も出てくる。
ピアノで連弾しながら笑いあうシーン。
夜中に一緒に禁止されている本を読むシーン。
映画を見ながら顔を見合わせて一緒に笑うシーン。
ボネがジュリアンの母を「いいママだね!」と言うシーン。
どれもこれも心がほっこりする・・・
劇的な盛り上がりもなく、普通の寄宿学校の日常をみせられているだけのような気がするのだが、そこに地味ながらもキラリと光る彼らの静かで穏やかな友情が流れているので、じわじわーとこの映画の良さが心にゆーーーっくり染み込んでくる。
ある日突然「このクラスにユダヤ人はいないかぁぁ?!」とナマハゲ・・・いや、ゲシュタポが入ってきて事態は一変する。
料理人のジョゼフが闇市で取引していた、という理由で解雇され、その腹いせに密告したのだった。
ボネを始めとする3人のユダヤ人生徒、彼らをかくまったという罪で捕まる神父。
最後の最後に神父が口にする『さよなら子供たち』
いろんな方の感想で知ったのですが、この時神父が口にしたフランス語は
「Au revoir」
「また会う日まで」の意味が含まれているそうです。
そういえば原題もこの言葉が使われていたかな??
二度と会わない別れには「Adieu」を使うそうだ。
へぇ・・・・そうなんだぁ・・・
中国語にそんなあいさつの区別あったっけな・・・
中国語はたいてい「また会いましょう」という意味の「再見」を「さよなら」として使うんですけどね。
そしてそして・・・・彼らがいよいよ学校から去る、という時に一瞬だけ振り返るボネに、一瞬だけ手をふるジュリアン・・・
もう・・このシーンにやられました。
二人の何とも言えない表情に・・・
わかっていたけれど、やっぱりか・・という結末に。
非常に美しい映画だけに最後はその分悲しかったよ・・。
でも見てよかった。
うりぼう5つ:
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