子供って大人びたように見えてもやっぱり純粋だよねぇ・・・・
ミツバチのささやき
監督:ビクトル・エリセ
(1973年/スペイン/99分)
【ストーリー】
一人の少女を主人公に、彼女が体験する現実と空想の交錯した世界を繊細に描き出した作品。スペインのとある小さな村に「フランケンシュタイン」の巡回映画がやってくる。6歳の少女アナは姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞き、それを信じ込む。そんなある日、彼女がその家を訪れた時、そこで一人のスペイン内戦で傷ついた負傷兵と出合い……。 (yahoo映画さんより)
【かんそう】
最初は完全に大人の観客としてこの映画を見始めたのだが・・・・
いつの間にか自分もアナの目線になっていたわ。
そう思うと、この監督はすごいな。
子供が主役の映画で最初から最後までやっぱり大人目線だったね、という映画も有る中で、
子供時代の感覚などをそのまま映画にしてしまっている、というところがすごい。
「フランケンシュタイン」の映画で「死」というものを目にするアナ。
その後も、毒キノコ、煙をゴウゴウとあげて走ってくる汽車、炎の上を飛び回る姉たち、姉の死んだふり・・・・さまざまな「死」に関連するショッキングな出来事に出会うアナ。
でも、だからと言ってアナは「死」を理解したわけではないと思うんだよね。
ただただ、子供が出会う「ショッキング」な出来事・・・に過ぎないと思う。
見てる私もドキドキしたもんなぁ・・・
これらを繰り返し経験することによって子供は大人に・・・・いろんな事を考えるようになるのではないでしょうか。
アナ・トレントの奇跡のようなかわいらしさにもう、メロメロだったけれど、映画自体も非常にいい内容のものだなぁ・・・と思う。
アナのセリフは少ないが、アナの気持ちがよくわかる・・・・
自分が経験したことがあるからこそわかるのだが、それがうまく映画の中で表現されている。
アナと姉の様子がとても自然に描かれていたり、姉がいることでアナの「妹」「姉よりもっと子供」ぶりが際立って映し出されていたように感じた。
アナと姉イザベラがひそひそとささやきながら話しているシーンも子供らしくてかわいらしかったし。
「そうそう、こんなんやったわぁ・・・・」と思える子供ならではのシーンもたくさんあるので、子供っていつの時代も変わらないものなのかもしれないね。
現実と空想が入り混じる世界を堪能していた子供時代・・・それを思い出させてくれる映画だった。
内容はもちろん、スペインの叙情的な風景、絵画のような建物の中、アナが着ている服・・・・視覚的にもとてもよかった。
いやぁ・・・これは良かったわ!!!
もう一度みたい映画である!!!
うりぼう5つ: