助産師らしさを発揮する‘産後3日目、経産婦の後陣痛’の解決法 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

助産師のための骨盤講座の
シェア記事パート2.

どんな優れた技術や
腕があっても
やっぱり「冷え」ているうちは
結果につながりません。

冷えの改善は
助産師でも
治療家でもなく

クライアントさん本人が
気を付けて
取り組んでいただくことです。

なぜなら
「冷え」は
冷たいものを食べたとか
腹巻をしないとか
物理的な冷え以上に
「心の冷え」のほうが
影響力が強いから。

自分で自分を
厳しくするような
価値観や

誰か(自分)をずっと許さずに
怒りをためて生きていると
それだけで
冷えるんです。

性格や人間関係や
考え方は
なかなか変わらないけど

身体を温めて
ホッと緩むと
自然に自分にとって
居心地よい状態を
選べるようになります。

何より、彼より
真面目で優しい
助産師さんって
冷えるんです。

仕事が好きだからこそ、
一生懸命になりすぎて
自分をいたわって
甘やかしてあげることを
ついつい忘れがちになります。

冷えている人には
冷えている人が集まってきます。

まわりを変えたければ
まずは自分から。

20年以上前に
「冷え取り健康法」について
提唱した
進藤義晴医師の本を読んだり、

服部みれいさんの
冷え取り本とか

マーマーマガジン
body&soul
とか

長野で冷え取りグッズを
取り扱っている
「てくてくネット」の
オーナーさんが
「冷え取り温ちゃん」として
冷え取りにまつわる
お話を定期的に
発信してくれていますし

ネットとか本とか
読めば冷え取りのやり方は
どこにでも書いてあります。

例えば
産後3日目、
お産も正常で
育児行動も問題のない
経産婦さんが
「後陣痛」を
訴えてきたとします。

後陣痛は異常ではないし
逆におっぱいを吸わせることで
子宮が収縮して
産後の体を修復しようと
働いている自然治癒力なので
あって当然です。

ふつうの病院なら
とくに異常でないことを伝えて
ロキソニン渡して終わり…。

でも、そういう
問題がなくて
異常でなくて
手がかからなさそうな人にこそ

助産師らしさを
発揮するヒントがあります。

確かに忙しくて
ほかのお産がたくさんあって
緊急カイザーとか
あるときに
相手にしてあげることが
できませんが

そうじゃなくて
暇なとき、余裕があるとき、

経産婦さんが
後陣痛が痛いと言ってきたら

まずは足湯をして
何か温かいお茶でも
用意して
肩とか手とか
マッサージしながら

助産師自身が
「今はあなたの話を
ゆっくり聴けますよ」という
意思が伝わるような
環境を整えて
ママさんに向き合って
みてください。

お産も問題がなかったし
目の前の赤ちゃんの扱いにも
とくに困っていない、

助産師としては
「特に問題ない」と
判断するようなママさん。

でも身体に異常がない分、
余裕があるからか
結構、頭のなかは
あれこれ考えているんです。

上の子は大丈夫かな、

おばあちゃんお菓子とか
食べさせすぎていないかな、

午後に面会に来る人たちは
迷わずに来れるかな、

旦那はちゃんと
飯食っているかな、

名前考えなきゃ、

上の子の保育園の
入園説明会、
赤ちゃん連れて行っても
大丈夫かな、とか。

他人にしてみると
今、そんなこと
悩んでも仕方ないじゃんて
言われることが
分かっているからこそ

あえて人に言わない。

だから、よけいに
考えることに
無駄にエネルギーを使って

子宮(下半身)に行くべき
エネルギーが
足りなくなって
痛みが強くなります。

そういう冷静に
モヤモヤする人は
とくに周りに気をつかうので、

助産師さんが忙しそうだと
空気を読んで
ご迷惑にならないように
立ち振る舞いますから

ナースコールひとつ押すのも
食べ終わった
食器の器を片づけるのも
余計に頭を使うんです。

15分でいいから
ほかの仕事を調整して
ただお話を聴くことに
集中するようにしてみてください。

100人くらいの
後陣痛を訴えるママの
話を真剣に聞くうちに

後陣痛の背景にある
ママたちの
声なき声を聴けるような
助産師になります。

まわりに気を遣って
自分でなんとか
頑張ろうとするママが
後陣痛で苦しむ前に

助産師が話しているだけで
心を整えてあげるような
関わりができるようになります。

すると
「あの助産師さんは
何にも言っていないのに

ずばっと考えていることを
的確に言い当てる」と
言われるようになります。

私が助産師が何か特別な
技術を身につけたり
するのが嫌なのは

何か困ったときに
テクニックに頼るように
なるからです。

そこまで困る前に
もっと助産師として
できることって
たくさんあるんです。

ちょっと温める、
ちょっと休ませる、
ちょっと話す、
ちょっとそばにいる、
ちょっと触れる、
ちょっと笑う、
ちょっと泣く…。

時間でなくて
能力でもなくて、

心にどれくらい
近づこうとしたか、
向き合おうとしたか、

ママたちの悩み、苦しみに
いかに丁寧に
寄り添おうとしたかが

助産師らしさに
繋がると思うのです。