独立系助産師が経験する「心の傷」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

独立系助産師とは
働く場所や
立場の分類でなくて

どこで働いていようと
子どもが小さくて
働いていなくても

助産師として必要とされる
喜びを感じつつ
仕事と自分の生き方と
ちょうどいいバランスのなかで
満足して生きている
助産師のこと。

資格や条件、認定制度が
あるわけでなくて

今日から
「独立系助産師」を生きる、と
決めたらその時から
あなたは「独立系」

今までの日本は人口も
経済も右肩上がりで

何にも考えなくても
お産のお客さんが
来てくれて
助産師を宣伝してくれる
お母ちゃんたちがいました。

だけど、今は
助産師が何をする人かすら
知らない人が増えて

助産師一人一人が
どんなことで
困っている人のために
自分は結果をだせるのか
自分の価値を世の中に
知ってもらう努力と工夫を
しないといけない時代です。

また、お産は昼夜問わず
ですから

夜勤もあれば
休みもあってないようなもの。

かな~り、自分の身を削って
家族との時間を
犠牲にしないと
やっていけなかったのが
今までの時代。

それが好きで
寝ないで仕事しても
病気にもならないし
ストレスもまったくたまらない
ような人なら
それでいいのですが

今の時代、
ただでもストレスフルな
世の中で
どこか自分に無理を
するような働き方をしていると
ある日突然ボキっと
折れてしまっても
おかしくありません。

自分のライフスタイルや
子どもの年齢だったり
親の介護、地域の事情など

女性の仕事は家族や
そのほかでの役割との
兼ね合い(バランス感覚)のなかで
‘満足感’が
変わってくるのだと思います。

勤めていた
病院が産科をやめちゃって
お産から離れてしまったけど
たまに自分の休みを返上して
小さなクリニックに
バイトに来ている助産師さんが

「月に一回でも
お産の仕事に関われるって
有難い」って言っていた
意味が今はよく分かります。

ただ単に仕事に求めるものが
給料とか
残業が少ないとか
休みが月に何日以上は
とれる、という人とか

だったら看護師で
いいじゃん、って
思うのですけどね(-_-メ)

まあ、そういう時期も
若い時には
大事だけどね。

今日は独立系助産師の
心の傷のはなし。

世の中で一般的な
助産師とは違う活動を
しているような
助産師さんたちのなかには

過去に結構
心に傷を背負っている人が
います。

そもそも心や感受性が
ナイーブで
人の悪意を受け取りやすかったり

他人では変わってあげられない
人の心の痛みを
敏感に感じてしまって
自分が苦しくなって
しまうのかもしれない。

また、自分の出産や子育てを
きっかけに
今までの自分の
仕事観ががらりと
変わってしまうような
経験をする人も
いるかもしれない。

先日のまきちゃん先生の
勉強会でも
「第1チャクラ、第2チャクラ
(生命力・子宮・丹田)が
安定しない人は
予期しないことが起こると
パニックになって
頭が真っ白になりやすい」と
言っていましたが

第1・第2チャクラが
安定しない人は
疲れやすいから

夜勤もあって
不規則で
予期しないことばかり
起こるような
お産の仕事を続けるのは

‘体質的に’かなり
無理があると思います。

ですが
ほかのひとには
気にならないような問題を
敏感に
感じることができる
センスがあるからこそ
自分がなんとか
しなくては、

と正義感や責任感を
ばねに

周囲のひとたちの意識を変えて
時代の流れを
変えていく大きな原動力に
なっているのかもしれません。

そもそも私も
助産師になって
最初に勤めた病院では

本当に死にたくなるくらい
暗黒の日々を送った
ことがありました。

もともと、要領も悪いし
仕事を覚えるのも
人の何倍も時間がかかる。

集団で空気を読んで
動くのも苦手。

最初に勤めた病院は
古い準看護師さんが
お医者さんたちよりも
偉そうにしているような
病院で

学校で習ってきたような
エビデンスとか
医療の法律とかなんて
まったく通用しない
世界でした。

忙しかったから
新人助産師の
心のケアをしながら
イチから仕事を
教えてくれるような
システムも上司もおらず、

無視もされるし
患者さんたちの前で
怒鳴られたり
カルテの角で殴られたり
蹴られたり
周りがみんな敵に
思えてきて

申し送りの最中で
声が出なくなって
ただただ涙が止まらなく
なったこともありました。

ある意味、職場は
自分自身がいつ
心が折れて
死んでしまっても
おかしくないような
「戦場」でした。

私の場合、
比較的早い段階で
針灸師になろうと
人生の目標設定を変更することが
できたらから
まだよかったのかもしれない。

助産師向いていないな、と
感じるときは
ただ仕事の内容だけでなくて

人間関係や
その病院での
助産師の位置づけなど

もっと色んなことが
複雑に絡み合って
影響しています。

でも、私は本当に
恵まれているというか
転んでもただでは
起きない性格だからか

今では
「あのとき、私を
いじめて苦しめて
‘こんな病院やめてやる’と
思わせてくれた人たちの
おかげで今の自分がある。
有難い~」と
思えるような出会いや
経験がたくさんあったので

ずいぶん、心の傷が
癒されました。

ベストセラー作家さんの
ひすいこたろうさんから
教えていただいたのですが

自分らしさって
いきなりポンッと
見つかったり
完成するわけじゃなくて

逆に「自分らしくないもの」
「嫌と感じるもの」
「許せないもの」
「汚いと思うこと」
「お金をもらっても
二度とやりたくないこと」

そういう暗いくらい
闇の部分、を
積み重ねていくことで

「光」がより際立ってきて
自分らしさに
なっていくそうです。

だからね、
嫌と感じられた、
心が傷ついて
逃げるしかなかった
自分も

自分らしさに
たどりつくために
必要なプロセスなのです。

繊細な人、
昔の古傷を思い出すだけで
泣けちゃうような人は

もっと冷え取りしましょう。

冷え取りの主役は
「半身浴」です。

今の時代は
夏のほうが冷えます。

汗かきで
暑がりだと思っていても

手のひらより
お腹やおしりが冷たく
感じるような人は

下半身が冷えて
上半身がのぼせている状態。

「頭寒足熱」に
保てるようにしましょう。

汗をちゃんとかかないと
胃腸によけいな水分が
たまって
消化力が落ちるから

冷ややっこや
ひやむぎとか
余計に喉ごしがいいもの
ばかり食べるので
さらに胃腸が冷えます。

昔みたいに
一日、畑仕事で
身体を動かして
日に当たって

家事もスイッチを
押すだけで
終わらなかった時代は

スイカやきゅうりに
塩や味噌つけて
食べているだけで
十分だったと思いますが

一日中、パソコン業務とか
病院の外に出ないような
季節を感じない
働き方をしている人は

自分にあった
養生を考え直して
いったほうがいいです。

何か大きなことを
成し遂げようと
する前に

自分を満たして
癒して
喜ばせて
自分が安心できる
時間と場所を
確保しましょう。

過去の苦しい記憶も
自分を輝かせる
宝のように感じられる
日がくるから。