自然なお産って? | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

郡上もりのこ鍼灸院・院長の
加藤祐里です。

「自然なお産」と言っても
いろんなとらえ方があります。

帝王切開や陣痛促進剤など
医学的な介入のない
「人工的」なものを使わないという意味。

そのものの持つ生命のバイオリズムを
乱さないように
「介入」をしないという意味。

私たち助産師は正常経過のお産のみ
取り扱うことが出来ます。

正常から逸脱する可能性があると
考えられれば
必要な医療機関にかかりますし、

異常へ移行しないように
生活指導や予測されるリスクを考えながら
ケアを行います。

助産師の行うお産の介助が
ずべて自然かというと
私は違うと思います。

それは法を犯して医療行為を
行っているという意味ではありません。

もともと、助産師のもとのもと、
日本に「産婆規則」ができたのは
明治時代。

それまで長く鎖国をしていた日本は
諸外国と同等に戦える国力を
身に着けるために強い軍隊と
経済力を強化しなければなりませんでした。

それまで戸籍制度もなく
日本に毎年何人位赤ちゃんが生まれていて
無事に大人になっているのかも
よくわかっていませんでした。

お産は家族や親せき、
もしくは他のほとんどの動物たちが
そうであるように母親がひとりで行っていました。

しかし、お産やその後の衛生状態、栄養状態の
悪さで亡くなってしまう
母親や子どもも多く

正しい医学的知識をそなえた
お産を管理する人材を育成して
全国各地に広めることで
日本人の出生率、生まれたての赤ちゃんや
今後も子どもを産んでくれる若い母親の
死亡率をさげることに成功しました。

野生の動物たちにとって
‘死’も自然の一部です。

江戸時代まで日本人は
‘死’も含めた自然のなかで
お産をしていました。

助産師が意図的に
最悪の事態が起こらないように
予測して、そうならないように
予防的にケアをすることは
自然の摂理から反しているともいえます。

最近、理想のお産ができる場所が
減ってきたからか
医療者の手を借りず
夫婦だけで自宅でお産をする人が
増えているそうです。

以前、自宅出産を専門に扱っている
助産師さんに聞いた話ですが

いきなり電話がかかってきて
「どうしても胎盤がでなくて
助けて欲しい」と言われて伺ったら、
大量に出血していて
病院に行ったほうがいいと促したが
断られた、らしいです。

そのあと、その方がどうなったのかは
分かりませんが、

すべての人がそういう選択をするとは
思いませんが、
自分たちの都合の良いときだけ
こまったときに助けてあげることは
できません。

やはり、妊娠中からのお互いの信頼関係、
妊婦サンだけでなくてご主人も含めた
家族と助産師がお産を作ります。

車に乗ったり
農作業をしなくても
スーパーで食べ物を買って
電気で動く冷蔵庫や洗濯機があって
パソコンや携帯電話が欠かせず
生まれたときから洋式の生活を送ってきた
今の子育て世代。

小さな時からお産もみたことがない、
少子化の環境で生まれ育って
赤ちゃんすら抱っこしたことがない、
実家の親も子育てのことは良く分からず
あてにならない時代です。
近くに信頼して相談できる相手もいないし、
都会の生活であれば
隣に誰が住んでいるのかも
知らないことも当たり前です。

私たちはさんざん不自然に囲まれて
暮らしているのに
お産だけ自然にようとしても
無理があります。