お灸による逆子の治癒率があがった理由 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。


私が一番最初に逆子の方に
お灸をしたのは
産婦人科に勤めながら
鍼灸の学校を卒業してすぐの頃でした。

産婦人科の院長は鍼灸に理解のある医師で
特別に「鍼灸外来」を作ってくれて
何人かの患者さんを診させてもらっていました。

その頃、文献で読んだのは
「28週くらいで逆子の子は
7割くらいが放っておいても頭位に戻る。
鍼灸をすると8割くらいで治る」

という内容でした。

その時の私の治癒率は7.5割くらい。

正直「私の腕では
逆子は治せない」と思っていました。

3年の育児休暇後、同じ職場に復帰しました。

復帰後、産科の世界は
ますます訴訟対策でこれまで以上に
神経質に仕事をすることが求められるようになったうえ

人員整理で人手は減らされ
1人当たりのベッドサイドにかける時間が
減ったような印象がありました。

なので、院長からまた同じように
鍼灸外来を行うようにしてもらったのですが

病棟勤務と並行で、途中でナースコールで呼ばれながら
お灸をするという落ち着かない環境でした。

なので3年前に比べて
ツボの数も減らして
やり方も簡単にして
行うようにしたのですが

治癒率がぐっとあがったのです。

たぶん、9割くらい。

一番の要因は妊娠28週くらいから始めたこと。

でも
次に効果があったのは
私に「生活者」としての
価値観が身についたことです。

ある逆子の妊婦さんに
お灸の指導をした時のことです。

「私は仕事をしていて
お灸をする時間がありません」と
おっしゃいました。

よくよく伺うと
朝6時起きて7時に出勤。
19時くらいまで残業して、パパが帰ってきて
一緒に夕食を食べると夜の10時くらい。
それからお風呂にはいったり
ネットで子育ての事とか調べていると
毎日寝るのが0時過ぎ。

「昼間、眠たくならない?」と聞くと
「今までそうだったし、夜も何回か起きるから
昼寝しないようにしている」

妊娠してなくても
聞いているだけでヘトヘトになるような
毎日ですよね(^_^;)

私は「赤ちゃんはママにもっと
適当に休んでって言いたくて
逆子になってるのかもよ」と伝えたら

その妊婦さんは泣きながら
「今までこの子に話しかけることを
ほとんどしてませんでした。
もうすぐ、産休に入るので
それまではなんとか頑張ろうと気を張りつめていました」

とお話しされました。

主婦や母親としての
生活をしっかりできたおかげで
子どもの自然なリズムに沿って生きていると
現代人の‘不自然な生活’の
異常さに気づきます。

逆児の施術では
ご自分でご自宅でお灸をしもらうために
指導をするのですが、
ただ、お灸の手順を説明するだけでなくて

妊婦さんの一日のスケジュールを聞いて
どの時間帯なら落ち着いて
お灸ができるのか
赤ちゃんに目を向けられるのかを相談して
お灸の時間を指示します。

上のお子さんがいて
火をつけるのが怖いと言われる方は
足湯だけでも治ったときがありました。

必ず、どんな妊婦さんにも
ここにいたった想いがあるのです。

ある方は、産休に入った途端に
逆子になって

よく聞いたら
パパの帰りが毎日遅くて
それまで仕事で必ず、
誰かがそばにいた生活から一変して
一日誰とも話さないで家にいると寂しかった、
とおっしゃいました。

ある方は、上の子にはあんなに話しかけしたのに
この子には胎児名さえつけていないくらい、
忙しく過ごしていて
話しかけをしていなかったと
おっしゃいました。

お腹の赤ちゃんは
ママがどうしたらもっと幸せで過ごせるのか
よく知っています。

「こうしなくちゃいけない」
「妊娠中は多少の辛さは当たり前」
「ママになるんだから我慢できて当然」

と耐えて我慢して
頑張り続けることは
本当にあなたにとって
心から幸せな生き方ですか?

逆子になることは
赤ちゃんからのメッセージです。

逆子と言われると
「治らなかったらどうしよう」と
余計不安になってビクビクしてしまう方が
多いのですが

お腹に手をあてて

「どうして逆子でいるの?
ママに教えてね」とお願いしてみてください。

逆児が治りやすいのは
妊娠28週くらいです。

ですが、放っておいても
(正確にいえば、
ママが良く寝て、冷やさず、
リラックスして過ごせば)
自然に治ります。

妊娠30週越えても
同じ向きが続くようなら
治りづらいので
行動を起こした方がいいです。

妊娠34週に入れば産休になるから
それまで仕事を頑張って
治ってなかったらなんとかしよう、と
おもっていらっしゃるあなた。

この時期まで放っておいた逆子は
治る確率がぐっと下がるうえに

鍼灸治療をおこなうことで
早産の危険をまねくので
積極的な施術ができまくなります。

(たいていの産科が妊娠35週で
予定帝王切開の予定を組みます。
逆児で、破水してしまった場合
緊急手術をしなければなりません)

妊娠28週で産科の先生は
あまり、逆子を問題視していないと思うので
妊婦さん自身も「ふ~ん」って
くらいにしか思わないでしょうが、

できたら、次の2週間後の妊婦健診でなくて
1週間後くらいに逆子チェックで受診して
治っていないようなら
鍼灸を受けられるようにした方が
いいでしょう。