クリープのサイン
定山渓温泉で雪のトンガリ帽子を見つけました。
これは積雪の目に見えない様子を我々に教えてくれています。
積もった雪は自重や熱エネルギーなどによって、だんだん沈みながら雪粒が変化していきます。沈降といいますが、このときに重力のかかる方向に沈でいきます。
一方で雪の結晶の枝や結晶どうしは互いにつながりながら繋がっていきます。雪粒どうしの繋がりがたくさんあるほど面としての積雪(スラブと呼んでいます)は安定(引きちぎれにくい)します。
沈降は地形がグラウンドのような平面なら均等になるのですが、山の地形はそうではありません。
斜面の変化する部分では、雪の沈降により斜度変化に応じてスラブにかかる引き裂きの力に差がでていきます。とくにノールと言われる凸の部分には斜度が強くなるにしたがってスラブには引き裂きの力がかかります。雪に繋がろうとする働きがなければ無数のヒビが入るところですが、スラブ化した雪は引き裂きの力に耐えながら存在しています。逆に凹の部分は上から押される力がかかっています。
凸形のノールという言葉は「ニセコ雪崩情報」ではしきりに行動の注意喚起の際にでてきますが、要するに潜在的な切れやすいのです。
『雪崩リスクマネジメント』ではノール地形でのスラブの状態を引っ張った輪ゴムにナイフを当てるという例えで表現しています。
一度に降った雪の量などにもよりますが、沈降スピードが早ければ早いほどノール地形のスラブにかかる張力は大きいとされます。
沈降を示すサインとして写真のようなブッシュにできるコーン(トンガリ帽子)があります。これはブッシュに近い部分が周りの沈降に取り残されてできます。
このコーンの高さが30センチもあれば相当なスピードで雪が沈降したと思って、ノール地形での行動をより慎重にする必要があるかと思います。
今日の定山渓天狗様
皆様こんにちは
昨夜から札幌は新規の降雪ほとんどなし。気温はプラス気温で高めです。
しばらく暖かかったからか、日当たりの道路の法面の雪に亀裂がいくつか入っていました。
昨夜21時の高層の天気図でもいま北海道東方低気圧と大陸の寒気が離れた形ななっていました。
西日本にはやや冷たい空気が入っているようですが、北海道付近は緩んでしまいました。
昨夜は定山渓温泉で恒例の新年会でした。今日は豊羽鉱山の方にゆっくり車を走らせてきました。天狗様の写真もそちら側のものです。
さて今週末は北大雪を予定してますが、白滝や三国峠の降雪を見てもひどいですね。一気に大量に降ってもいいことはないし、東寄りの風が強かったので稜線は硬いスラブかシュカブラの可能性が高くスキーのしづらい環境です。また風下にはブスブス亀裂の入るウィンドスラブが待っていそうです。
ならば樹林帯のツリーランなんだけど、樹林帯なら近所に裏切られないところがいくらでもあるわけで、こうなると行き先を迷ってしまいます。
意外と降らない北東風
今日1日札幌近郊の山は北東の風に支配されました。
一日中風が強く1200mくらいにはっきりと雲のラインが出来てあまり雪にはなりませんでしたが、雪や樹木に大量に霧氷をつけました。
北海道では日高山脈の東側と大雪山の東側で高い降水量を示しています。17時現在、雪崩の危険があり天馬街道野塚峠と石北峠三国峠が通行止めになっています。
きれいに冬型で注目の北陸地方は富山・石川県境と滋賀県北部で高い降水量の数字ですが、そのほかはそれほど降っていないようです。北陸地方はアメダスの降水換算値でも5ミリほど、積雪もプラスぶんは15センチあればいいほうでした。意外と降ってないですね。
実績からも西から寒気の予報からも近畿のパウダーファンは大喜びな感じですね。
明日はパウダー?
定山渓~札幌国際スキー場付近は午後18時ごろやや湿り気の多い雪が降りました。積もっていますが、車の窓でびしゃびしゃに溶けるような雪でした。
山の高いところ(1000メートル)は風が当たっているのですが、夕方の営業が終わる頃の感触はいいかんじでした。そのまま積もればいいのですが…。
明日は北東~北の風でが毎秒15~17メートルとなかなか強そうです。上空に寒気が入り雪の条件はバッチリなんですが、低気圧で運ばれる空気で地上気温は高めということです。
果たしてパウダーはいかに。
8日ぐらいの天気図が良さそうですが、ここ最近北海道付近に低気圧が居座る傾向にあるのでどうなりますでしょうか?
パウダーを求めて山に入る方々が増えていますが、疲労困憊などが理由の救助要請や遭難が増えています。
年末の朝里岳での遭難について話を聞きました。
同行のメンバーに要救助者の名前や住所や電話番号を聞いてもファーストネームしかわからなかったということで、救助関係者からは「さもありなん」としか見られていないのが印象的でした。
自分も経験ありますが、一緒に登っている人のブログの題名とハンドルネームしかわからないとか、友達の友達で全くの初対面など、いまの「滑り系」といわれる人たちにはごく普通にあることなのではないかと思います。
車のナンバーや職場に聞いたり、ザックの雨蓋から財布を引っ張り出せばわかることなのですが、今回のように必要なこともわからず見切り発車で関係機関に救助をお願いすることになることもあるのです。
疲労困憊だからまだ良かったものの、滑落や行方不明などのときには警察や消防とのやりとりはかなり面倒なことになりそうです。そのあたりをしっかりしていかなければ、バックカントリースキーやスノーボードはいつまでたっても「二流の遊び」から脱することができません。
いきなり本名や緊急連絡先や配偶者や親権者の名前を聞かれたら抵抗がある方もいるかと思いますが、本来必要なことですね。ゲレンデならまだしもバウンダリーの外に出るということはそれなりの覚悟も必要とされるのではないでしょうか?
山の高いところ(1000メートル)は風が当たっているのですが、夕方の営業が終わる頃の感触はいいかんじでした。そのまま積もればいいのですが…。
明日は北東~北の風でが毎秒15~17メートルとなかなか強そうです。上空に寒気が入り雪の条件はバッチリなんですが、低気圧で運ばれる空気で地上気温は高めということです。
果たしてパウダーはいかに。
8日ぐらいの天気図が良さそうですが、ここ最近北海道付近に低気圧が居座る傾向にあるのでどうなりますでしょうか?
パウダーを求めて山に入る方々が増えていますが、疲労困憊などが理由の救助要請や遭難が増えています。
年末の朝里岳での遭難について話を聞きました。
同行のメンバーに要救助者の名前や住所や電話番号を聞いてもファーストネームしかわからなかったということで、救助関係者からは「さもありなん」としか見られていないのが印象的でした。
自分も経験ありますが、一緒に登っている人のブログの題名とハンドルネームしかわからないとか、友達の友達で全くの初対面など、いまの「滑り系」といわれる人たちにはごく普通にあることなのではないかと思います。
車のナンバーや職場に聞いたり、ザックの雨蓋から財布を引っ張り出せばわかることなのですが、今回のように必要なこともわからず見切り発車で関係機関に救助をお願いすることになることもあるのです。
疲労困憊だからまだ良かったものの、滑落や行方不明などのときには警察や消防とのやりとりはかなり面倒なことになりそうです。そのあたりをしっかりしていかなければ、バックカントリースキーやスノーボードはいつまでたっても「二流の遊び」から脱することができません。
いきなり本名や緊急連絡先や配偶者や親権者の名前を聞かれたら抵抗がある方もいるかと思いますが、本来必要なことですね。ゲレンデならまだしもバウンダリーの外に出るということはそれなりの覚悟も必要とされるのではないでしょうか?