2週間前、笠間の町を散策した後に宿泊したのは割烹旅館の内原鉱泉「湯泉荘」だった。
住所は水戸市。
常磐線の内原駅からなら歩いて10分弱くらいか。
当日の朝、楽天トラベルから予約した。
当日予約だからか夕食付きのプランは販売されておらず、1泊朝食付きで予約した。
料金は7,320円。
クレジットカードで事前決済しておいた。
笠間から遠くない距離にある。
宿には17時前には着いた。
周辺は住宅が並ぶ閑静な環境。
駐車場にクルマを停め、庭を横目に玄関へと向かった。
中に入って声をかけるが返事はない。
靴を脱いで勝手に上がり、帳場のベルを押す。
すぐに若い男性が奧から顔を出した。
手続き時、支払いは先だと言われた。
クレジットカードで事前決済であることを伝える。
すぐに確認をしてもらえた。
よくあることだ。
庭に沿った廊下を歩いて部屋に案内される。
最奥の角部屋だった。
6畳の小さな部屋だ。
中庭も眺められる。
部屋にかけられたカレンダーは地元の取引業者からのもらい物などではなく自館のものだった。
夕呑みに出かけることにする。
趣ある廊下を歩く。
すっかり暗くなってきた。
夜道を歩く。
宿の周辺は店の類は一切ない。
内原駅を越え、イオンモールまで歩く。
昔ながらの居酒屋、などは見当たらないのだ。
おそらくは新しく造られたエリアなのだろう。
モール内でかなり迷った末、入ったのは土佐料理の「龍神丸」という店だった。
昼間はずいぶんと歩き回ったので喉が乾いた。
瓶ビールと生湯葉豆腐から始める。
いろいろな味が楽しめる「わら焼き鰹節 食べ比べ」。
お刺身3種盛り、鰹のはらんぽ焼き、牡蠣フライ。
酒は超辛口特別純米の司牡丹。
温燗をお願いしたら、店員さんからは苦笑と共に
「がんばります」
と言われた。
運ばれてきた酒は、がんばりがわかる温さだった。
夜道をトボトボ歩いて宿に戻った。
風呂に入る。
鉱泉。
だから、成分表のような掲示もない。
気持ち良いので細かいことはどうでもよい。
静かな鉱泉宿に身を潜める一夜もよいものだ。
朝食は7時にお願いしておいた。
6時には早起きし、朝風呂にも入った。
7時になろうかという時刻に部屋の電話が鳴った。
言われた通り、帳場に近い小部屋に向かった。
個室形式で用意してくれているのはありがたい。
ちなみに、自分も含めた宿泊者4名が全員一人客であることは、前日帳場で目に入った予約リストでわかっている。
昨夕、夕食をとっている客の姿も目撃している。
こちらが朝食。
魚はなく、代わり?にソーセージとポテトサラダの皿があった。
廊下の先には朝の明るい日差しに照らされた庭が眺められた。
8時前に宿を出た。
中庭に小さな鳥居と祠があった。
参拝しておく。
心穏やかにクルマのエンジンを始動させる。
フロントガラスは凍っていた。
春はまだもう少し先のようだ。