「ビジネス旅館 布佐」(千葉県我孫子市) | プリンシペ・オリエンタルのブログ

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誰も知らない元覆面ルチャドール(プロレスラー)“プリンシペ・オリエンタル”のブログです。リングネームだったプリンシペ・オリエンタル=東洋の王子様。しかし、素顔は王子とはかけ離れた男であります。今はプロレスとはまったく関係ない毎日を送っています。

ちょうど3週間前の金曜日、「ビジネス旅館 布佐」に泊まった。

 

いつものように、泊まるべき理由などなかった。

 

住所は我孫子市。

 

JR成田線の布佐駅から歩いて10分かかるかかからないか、という場所にある。

 

昨秋、隣り駅の木下(きおろし)駅からほど近い「銚子屋旅館」に泊まって風情を感じられたので、その流れで泊まってみたという口実はありかもしれない。

 

 

 

宿の公式ホームページがかなりしっかりしていて期待が持てた。

 

宿泊予約サイトからの予約はできないようなので、当日の朝に電話をかけた。

 

ワンコールですぐにつながった。

 

一流ホテルのオペレーターのような女性の声に驚いた。

 

対応も、いわゆる「ビジネス旅館」のイメージとはほど遠い素晴らしい感じだった。

 

期待が高まる。

 

ちなみに宿泊料金は素泊まりで4,900円、税別とのこと。

 

税込みなら5,390円ということになる。

 

いずれにしても安い。

 

ホームページを見ると食事が売りのようで、せめて朝食付きでも、と思ったが、当日予約だからか素泊まりのみのようだ。

 

 

 

クルマで向かう。

 

当日はあいにくの雨模様だった。

 

予定よりもかなり早く着いてしまいそうで、途中で電話した。

 

今度は男性の声。

 

主人だろうか。

 

気さくな雰囲気で、どうぞどうぞ、と言ってもらえた。

 

 

 

宿には15時過ぎに着いた。

 

外観も館内もきれいだ。

 

帳場で受付をする。

 

バス・トイレ付の部屋がよければ500円高くなるが空いていると言われた。

 

お願いする。

 

実際には600円高くなり、5,500円+消費税の6,150円だった。

 

 

 

手続き中、奥の方から年配の女性が現れた。

 

予約時の電話の女性ではないことはすぐにわかった。

 

「どちらから?まあ、お近くから」

と言われた。

 

「このあいだは四国から来た人がいて、どこだったかしら、鰹の県で……」

 

「高知県、ですか」

 

「あ、そうそう、高知。パイロットになるための学校に通うとかで、すごい高そうな車に乗ってきて、多分お金持ちなのね」

と、一方的に話し続ける。

 

主人はその話には一切乗らず、クレジットカード決済が済むと、部屋の鍵を渡してくれた。

 

階段を上がり、2階の「寿」へ。image


室内もきれいだった。

 

 
部屋からの眺めはこちら。

宿の駐車場と、その先には住宅が並んでいる。

 

利根川が近いが、見ることはできない。

 

 

 

こちらが浴室。

 

ユニットバスかと思っていたのだが、洗い場付きの独立した浴室だった。

 

浴槽も深くて大きい。

 

この部屋にして正解だったと思った。

 

 

 

さて、昼食抜きで15時を回り、そろそろ何か口にしたくなってくる。

 

しかし、周辺にはこの時間帯に呑み食いできそうな店は見当たらない。

 

布佐駅まで来てしまった。

 

駅の時刻表を見ると、我孫子行きの電車がまもなく到着するらしい。

 

とりあえず我孫子まで成田線の電車に揺られた。

 

15分あまりで到着。

 

手賀沼方面へと歩く。

 

開いていた鰻屋に入りかけたが、せっかく布佐という町に泊まっているのだからその町で吞むべきだと変な義務感を覚え、鰻屋は外から眺めるだけにした。

 

結局、雨の我孫子では何も口にすることなく、1時間たらずでまた成田線の電車に乗車した。

 

散策して腹を空かせたと考えることにする。

 

布佐駅に戻る。

 

歩く。

 

鮨屋。

 

まだ営業前らしい。

 

 

 

居酒屋。

 

扉を開けて入りかけたが、誰の姿もなく、スナックのような雰囲気に怖気づき、扉を閉めた。

 

行き当たりばったりの旅はこんなものだ。

 

 

 

この日は無難に中華料理店に入った。

 

「紅龍閣」という店。

 

人気店なのか、次々と客が増えてほぼ満席となっていった。

 

そんな中、独り愉しむ布佐の夜。

 

アルコールを注文している客は皆無で、皆さん定食や麺類を注文している。

 

世の中、そんなに酒を呑まない人が多いのだろうか、と素朴な疑問が湧く。

 

 

 

宿に帰る頃には雨は小降りになっていた。

 

その晩は固めの寝具で気持ち良く眠れた。

 

 

 

翌朝。

 

8時過ぎには宿を発つことにする。

 

帳場の奥から現れたのは予約時の電話口の女性だった。

 

若女将か。

 

「遠いところからかと思いましたらずいぶんとお近くから。お仕事ですか?」

と訊かれる。

 

一般的には、なんで近くに住むおっさんが独りで泊まりに来るのだろうか、と思うのは当然なのだろう。

 

「道楽で」

「趣味で」

「ヒマで」

「風変わりなことをしたくて」

「旅館マニアで」

どれも、言えなかった。

 

「この辺りが好きで、ちょうど時間があったので」

などと言う。

 

ますます怪しいと思われたかな、と後になって思う。

 

 

 

そういえば食堂の前を通ったとき、多くの食膳がテーブルに並んでいるのを目にした。

 

駐車場にはトラックやバンも並んでいた。

 

正統派ビジネス旅館には、やはりシゴトを頑張る客が似合うのだろう。