おとといの話です。
大型連休初日は部屋に引きこもったので、その日は散歩に出かけることにしました。
マンションから人もクルマも少ない通りを歩みました。
緑が多く、ちょっとしたハイキングコースのようです。
途中で、犬を連れたマダムを追い越す状況になりました。
同じマンションの住民です。
名前や素性は知りませんが、かつて何度かエレベーターの中などで話したことがある人物です。
やんわりと、仮想通貨だかを勧められたこともありました。
とりあえず挨拶をして抜きにかかったところ、
「この道、いいでしょ?」
と、声をかけられました。
そう、クルマでは何度も通っていた道なのですが、歩くのは2回目。
最近、歩くのに良いと知った道だったのです。
歩調をマダムに合わせ、しばらくの間お喋りをしながら共に歩きました。
古くからのマンションの住民のようで、いろいろと醜聞も聞かされました。
しかし、嫌みなカンジはなく、サバサバとして悪いカンジはしない方なのです。
当方、積極的な人付き合いはほとんどしないのですが、なんとなくの知り合い、という存在も悪くはないな、と思いました。
来宮まで歩く、と告げたところ、そのマダムが、
「(熱海)警察署の前の『とん一』のかつ丼は美味しいわよ。最近は千円に値上がりしちゃったけど、食べると元気になってまたがんばろう、と思えるの」
と言ってきました。
道の途中で別れた後、自分の足はその『とん一』に向かっていました。
本当は、以前に何度か出かけた『石川屋』でラーメンを食べようか、と思っていたのですが、たまには誰かの言葉を信じて行動するのも楽しいように感じられたからです。
調べるまでもなく、場所はわかります。
そして、『とん一』へ。
お昼時ということもあり1階は満席でしたが、2階に上がるとテーブルがひとつ、ちょうど空席になったところのようでした。
人気店のようです。
メニューを開けば「とん一定食」という2,500円もする高価な料理もありましたが、マダムのお勧めであるかつ丼を注文しました。
自身、かつ丼なるものを食べるのは1年に1度あるかないかです。
かつ+ご飯=太る=毒、だという思い込みがあるからです。
少し待った後に「毒」は運ばれてきました。
濃いめの味付けですが、柔らかいかつが縦に横にびっしりとご飯の上にあるカンジの一品でした。
食べ応え十分です。
ビールやお酒もあるので、肉料理を肴にした夕食にもよいかもしれません。
マダムの言う通りに元気が出たので、さらに熱海の街を歩き回った後、帰宅しました。
旅人のような住民のような時間を過ごせたことに満足です。