とにかく、人混みが嫌いです。
歳を重ねるごとに、その思いは強固たるものになってきた気がします。
ついでに、なにかを待つための行列というやつも、時間の無駄にしか思えず避けて生きています。
そういう意味においては、年末年始というのはかなり危険度が高い時期といえるのでしょう。
年末はアメ横の買い物客。
新年は有名な神社や寺の初詣客。
帰省ラッシュの新幹線自由席は乗車率が180%だのとテレビなどでも報じられます。
帰省に関しては、この時期しか帰れないからやむなく、という人も多いのでしょうが、初詣は信仰心からではなく、単なるイベントとして出かけている人が多いのではないか、などと訝る自分がいます。
きょうび年末年始に関わらず、努めて人混みに身を寄せる人たちを見聞きします。
話題のパン屋やラーメン屋に入るために何時間も並んで待つ人。
テーマパークのアトラクション。
甚だしきは、ハロウィンに便乗して狂乱する人たちで溢れる街。
他人に迷惑をかけず、本当に好きなことなら並ぼうが人混みの中の「one of them」でいようが自由ではありますが、偏屈な自分にとっては人混みの中や行列の先に夢を見出すことがどうしても出来ません。
この新年は母、姉と共に、静かに湯河原で迎えました。
おせち料理は3年連続となる川崎日航ホテルの和洋中三段重。
とうてい食べきれず、タッパーに詰めて熱海に帰った後には独り夕食の膳に並べました。
初詣は産土八幡神社。
散策ついでに城願寺。
元日の昼前、どちらも人の気配はほとんどありませんでした。
翌2日は朝早くに目を覚ましました。
かなり有名な神社ではありますが、7時過ぎということで人の姿はまばらでした。
参拝の後に古い御札とお守りを返し、新しいものを手にしました。
神社から眺める海はとても穏やかでした。
今年1年、我が人生も穏やかに過ごしたいと思った次第です。
社会との関わりは大切ですし、人は独りでは生きていけないのは事実です。
しかし、独り静かな時間を過ごすのもよいものです。
たまに「淋しくないの?」などと余計な心配をしてくる人もいますが、強がりではなくてまったく淋しくなく、充たされた心持ちです。
むしろ、騒然とした街で狂喜乱舞する人たちこそ淋しいのではないか、などと思うこともあります。
矯風せよ、とまでは言いませんが、ノリだけで生きていくのはいかがなものでしょうか。
風まかせだけで歩く怖さ。
杞憂ならよいのですが。