汚い話で恐縮ですが、キューバでの後半は下痢との戦いでした。
ハバナで3泊した後の5日間は、まったく予定を立てないままに今回の旅は始まりました。
ハバナで3日目の朝を迎えた時点でも、明日からどうしようか、と考えがまとまらずにいました。
そんな折、宿泊していたカサのセリアさんが部屋に現れ、
「明日からどうするの?」
などと訊いてきました。
これは良いタイミングだと思い、静かに海辺で滞在したいのだが良い場所はあるか、と相談してみました。
彼女が勧めてきたのは、バラデロ。
ハバナから車で2時間ほどの場所で、『地球の歩き方』にも載っている有名リゾート地です。
賑やかなリゾートホテルは好かない、と正直にホンネを伝えると、良いカサを紹介してくれると言ってきました。
現地までの交通に関しても、よく知っているタクシー運転手を紹介してくれるとも言ってきます。
騒がしい外国人客と混載のミニバンなどは遠慮したいところですが、多少高くてもタクシーで独りのんびり行けるなら悪い話ではありません。
ハバナのカサのセンスの良さや、セリアさんの誠実な人柄から、紹介してくれるカサもきっと良いところのはず。
そんなわけで、セリアさんに丸投げする形でのバラデロ行きが決まりました。
「バラデロで4泊して、最後はここに戻って1泊してから帰りなさいよ」
と、再訪プランを提示してくるのはさすが?
承諾しました。
このときは、まだ元気でした。
しかし、その夜はとても寝苦しく、朝起きれば頭痛、倦怠感、そして下痢。
熱中症か冷房で身体が冷えてしまったのかな、と思いながら、セリアさんが手配してくれたタクシーでバラデロに向かいました。
「カサの住所は運転手に伝えてあるから」
と、セリアさんは言っていましたが、宿泊する自分はどんなところに連れて行かれるのか、まったくわかりません。
ただ、無口な運転手だったのが救われました。
2時間ほどで到着。
カサのご夫婦が笑顔で出迎えてくれました。
このカサについては、またあらためてアップしたいと思います。
バラデロでは、大半をカサの部屋で過ごしていました。
何度もトイレを往復し、そのまま夜を迎えました。
毎朝食はカサにお願いしたため、翌朝は朝食をしっかりとり、そして何度かトイレへ。
絶食するのが良いのかも、と思いながらも腹が減るのです。
落ち着いたところで、歩いて2分ほどのビーチへ行きました。
上の画像、ちょうど中央あたりにハエが止まった瞬間となっているのに後で気づきました。
何年ぶりかの海遊び。
独り、美しい海と戯れました。
そして、前日と同じ食堂で昼食。
チーズとハムが挟まったチキンカツみたいな料理がメインのワンプレートです。
腹には悪そうですが、美味しかった!
ビールと合わせてCUC6.50、約750円でした。
CUC1.50、170円ちょっとという金額です。
そして、カサに帰って、またトイレ。
夕食は食べずに、さっさと寝ました。
バラデロ3日目もカサで朝食。
そして、トイレ。
復調の兆しに嬉しくなって、海に遊びに行きました。
またまた同じ食堂での昼食。
日本から持参した下痢止めの薬を服用してみましたが、悲しいくらいに効果はありません。
ちなみに、この日はカサで夕食をとりました。
豪華なロブスターだったので、体調がよかったらどんなに幸せな気分だっただろうか、と悔やまれます。
バラデロ4日目。
完全なルーティンの1日。
朝食。
トイレ。
海。
「ランチはいかが?」
と、どこかの食堂のおじさんが注文をとりにやって来ました。
断ると、どこから来たのか、と訊いてきました。
日本、と言うと、心底驚いた表情を浮かべて握手を求めてきました。
握手が終わると、
「魚料理を食べないか?」
とまた営業。
断ると、素直に立ち去って行きました。
常に荷物を見ながら海を漂うことにはなりますが、安心です。
ただ、怪しい感じの人は見かけず、人も多くないので、わりと安全度は高そうに感じました。
ライフガードもいるうえ、木陰では警察官も監視しており、守られている雰囲気でした。
バラデロ最終日のこの日、昼食は抜いて、カサで魚料理の夕食をとりました。
朝、カサのご主人に白ワインを呑みたい旨伝えたので、ちゃんと用意してくれました。
気分は良かったので、
「腹よ、おとなしくなれ」
と念じて就寝したものの、数時間後には激しい腹痛で目を覚ましてしまいました。
もしかしたらコレラなどでは?という不安も抱いてしまいます。
バラデロは下痢とともに、
などといったタイトルが本当はふさわしいのかもしれません。
しかし、美しい海があり、温かい人たちと出会うことの出来た場所なので、きれいな思い出となりました。