こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も2023年アーカイブというテーマで、本年7月に行った
想像力と70年代クラヤミ・ホラー
というシリーズで選んだ作品について総括してみたいと思います。
毎年1回だけのホラー特集シリーズですが、本年のテーマは2022年の80年代ビデオ・ホラーに引き続き、70年代のクラヤミ・ホラー!!
まだビデオが存在なかった70年代、ホラー映画は訪れた観客に悲鳴をあげさせる事を目的とした見世物小屋のような作品であり、結果的に煽情的な内容の作品が多く、タイトルやポスターから内容が想像できないようなものばかり!!
ですが個々の作品をじっくりと鑑賞してみると、70年代のホラーは当時の不安定な社会情勢や、文明の終焉を感じさせるような趣深い作品が少なくなく、一見の価値があるよう思われます。
公害問題、食糧危機、精神異常、快楽殺人、そして得体の知れない不安などが描かれた70年代ホラーは、80年代以降のデート系ホラーとは一線を画した、クラヤミ・ホラーとなっているのです…
生成AIによる70年代ホラー風モルモット!
皆様はどんなホラーがお好きですか?
本日は、本シリーズで選ばせて頂いた29作品のうち、1~10番目までの作品をご紹介させて頂きます。
①悪魔の墓場(1974)
(原題:THE LIVING DEAD AT MANCHESTER MORGUE)
ポスターと原題の「THE LIVING DEAD AT MANCHESTER MORGUE (ザ・リビングデッド・アット・マンチェスター・モルグ)」というタイトルからもお分かり頂けるように、本作は、イギリスのマンチェスターの墓地 (モルグ)に現れたゾンビ (リビングデッド)が登場する作品。
ですが本作はよくあるゾンビ映画とは異なり、当時問題となっていた「科学の発達=人類の滅亡」というオカルティズムをベースに作られた環境問題ゾンビ映画なのです!!
大気汚染に苦しむ70年代のロンドン。
世界はもうすぐ破滅する!?
原題の「EATEN ALIVE (生きたまま食べられる)」というタイトルからもお分かり頂けるように、本作はポスターに描かれているワニに人間が食べられてしまうホラー映画!
ワニ vs おじさん?
という事は本作でワニと戦うのは、後ろで大鎌を構えているおじさん!?
いいえ。
本作は、狂気に陥ったおじさんと、沼地に生息している狂暴なワニの両方が襲って来る「前門の狂人、後門の凶鰐」とも言うべき作品となのです
③悪魔の虚像 ドッペルゲンガー(1970)
(原題:THE MAN WHO HAUNTED HIMSELF)
原題の「THE MAN WHO HAUNTED HIMSELF (自分に付きまとっていた男)」というタイトルは、ストーカーの映画を彷彿とさせますが、邦題は何故かドッペルゲンガー!
ドッペルゲンガーとは自分ソックリの姿をした怪物の名称ですので、ストーカー映画なのかモンスター映画なのか判断が分かれる所ですね
ちなみに本作は、カプグラ症候群という精神疾患についての説明がある「心理系のサスペンス」映画なのです!!
④悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス(1976)
(原題:BLOODSUCKING FREAKS)
原題の「BLOODSUCKING FREAKS (血を吸うフリーク)」というタイトルは、吸血鬼映画を想像される方もいらっしゃいますが、本作は人間の生き血を吸って喜ぶ異常者が登場するサイコ・バイオレンス映画!!
…なんだか気持ち悪いですね
はい。
尚、本作と⑤でご紹介させて頂いた「悪魔の調教師」は、映画表現に厳しい規制がかけられていた60年代にも、映画がエンターテイメント産業として認知されてきた80年代以降にも見られない煽情的で残虐な描写の閲覧に注意を要する作品となっておりますので、ご覧になる際にはその事に十分にご留意頂ければ幸いです。
本作は「閲覧注意作品」です!!
⑤悪魔の調教師(1973)
原題の「BARN OF THE NAKED DEAD (納屋の中の裸の死体)」というタイトルは、内容に関する直接的な表現が少ない海外の映画タイトルの中でも異彩を放つエクストリームなタイトルである上に、ポスターにも様々なシーンが描かれていて、なんかサーカスっぽい雰囲気!
それもそのはず、本作の別タイトルは「TERROR CIRCUS (恐怖のサーカス)」!!
尚そんな本作は、作品内に差別的な人間描写がある閲覧注意作品となっておりますので、ご覧になる際にはその事に十分にご留意頂ければ幸いです。
⑥悪魔の受胎(1979)
(原題:INSEMINOID)
本作は1981年に公開された作品なのですが、何故か日本では1979年に公開された作品だと紹介されていますので、今回はイレギュラーですが、本作をセレクトさせて頂きました。
※1979年公開と記述しているサイトは、allcinemaさん、TSUTAYAディスカスさんなど。キネノートさんでは1980年公開作品とされています。
そんな本作は、宇宙を舞台にしたハードSF・サスペンスであり、「エイリアン」や「2001年宇宙の旅」よりもずっと難解な作品にも関わらず、公開当時は別の意味で話題となった作品だったのです!!
⑦ディーモン/悪魔の受精卵(1976)
(原題:GOD TOLD ME TO)
⑥でご紹介させて頂いた「悪魔の受胎」は、ビデオ黎明期の1980年代初期に話題となったアダルトなシーンがあったSF系ホラー!
…という事は、タイトルが酷似している本日の「ディーモン/悪魔の受精卵」も、煽情的な内容の作品なの?
いいえ。
本作はあまり知名度はありませんが、1970年代のホラー映画では出色の完成度を誇るオカルト的な世紀末到来を告げる社会派ホラーなのです!!
⑧悪魔の追跡(1975)
(原題:RACE WITH THE DEVIL)
本作は2005年に公開されたアメリカ映画。
本作の原題は「RACE WITH THE DEVIL (悪魔とのレース)」ですので、珍しくそのままの邦題!!
そんな本作は、ポスターがとてもカッコいいので、スタイリッシュなカー・アクション映画を想像させるかもしれませんが、実際の作品は、70年代のアメリカで顕在化していた都会人と地方人の確執を描いたような作品となっているのです…
⑨脱出(1972)
(原題:DELIVERANCE)
本作の原題は「DELIVERANCE (脱出)」ですので、DELIVERANCEは救助、釈放、解放という意味のある汎用性が高い単語。
ちなみに本作の場合、「脱出の映画」なのか「救助の映画」なのか「釈放の映画」なのか「解放の映画」なのか、判断に迷う作品となっているのです…
⑩デビルズ・トラップ 密室ホテル女子学生の恐怖(1972)
(原題:TERROR AT THE RED WOLF INN)
本作の原題は「TERROR AT THE RED WOLF INN (レッド・ウルフ亭の恐怖)」。
「レッド・ウルフ亭の恐怖」ですので、密室ホテルとはレッド・ウルフ亭の事であり、本作は女子学生がレッド・ウルフ亭に監禁される恐怖を描いた作品だと思われる方も多いのではないかと思います。
ですが本作は、出入り自由なレッド・ウルフ亭で女子学生が3日間を過ごすという「邦題詐欺」というべき作品なのです😅
という訳で次回は、想像力と70年代クラヤミ・ホラーでご紹介させて頂いた10~20作品をご紹介したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑次回もよろしくお願いいたします😄