こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と70年代クラヤミ・ホラーというテーマで
悪魔の墓場(1974)
(原題:THE LIVING DEAD AT MANCHESTER MORGUE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力と70年代クラヤミ・ホラーとは?
本シリーズは70年代に公開された、おどろおどろしいホラー映画を特集したもの!
60年代のカウンターカルチャーの終焉や環境汚染問題、核戦争の恐怖や校内暴力、そして政治不信などが吹き荒れていた70年代のホラーは、どこか病んだ感じがする鬱展開のホラー!
ですがエンターテイメント系ホラーとは異なり、鬱展開のホラーは観終わった後についまでも記憶の中に残るような、忘れられない作品でもあるのです…
本作では、そんな70年代に作られた暗闇系のホラー映画を特集させて頂きました🎃👻💀😆
ポスターと原題の「THE LIVING DEAD AT MANCHESTER MORGUE (ザ・リビングデッド・アット・マンチェスター・モルグ)」というタイトルからもお分かり頂けるように、本作は、イギリスのマンチェスターの墓地 (モルグ)に現れたゾンビ (リビングデッド)が登場する作品!
別ポスターを観ても
ゾンビ映画だと分かりますね!
ですが本作はよくあるゾンビ映画とは異なり、当時問題となっていた「科学の発達=人類の滅亡」というオカルティズムをベースに作られた環境問題ゾンビ映画なのです!!
イギリスのマンチェスターの墓所には
どんなゾンビが蠢くのか!?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
…ハッキリ言ってこの解説は嘘ですね
そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① 主人公のジョージは、ロンドンで骨董屋を経営している青年。彼はマンチェスターに住む友人に骨董品を届けるためにバイクで旅立ちますが、ロンドンの大気は汚染されており、ジョージもマフラーで口を覆って運転をしています。
大気汚染に苦しむ70年代のロンドン市民。
② 順調にマンチェスターへと向かっていたジョージですが、目的地近くのガソリンスタンで給油していた時、エドナという名の女性が車の運転を誤り、停止していたジョージのバイクに追突して故障させてしまったため、ジョージはエドナのミニクーパーに同乗して目的地へと向かう事になりました。
ガソリンスタンドで休憩中
派手な音がしてジョージのバイクが破損。
事故を起こしたエドナは平謝り。
ジョージはエドナの車を運転して
目的地へ向かう事に!
③ 当日中に友人宅に着きたかったジョージですが、エドナも今日中に自分の妹に会うために別の町に行かなければならないと懇願され、仕方なくジョージはエドナの妹の家へと向かいましたが、途中で道に満ちに迷ってしまったために、ジョージはエドナを車の中に残して近所の農家に道を尋ねに行きました。
芸術家の夫と森の奥で暮らしている
妹の家の場所を覚えていないエレナは
道に迷ってしまいます!
ジョージは近くの農場に向かい
道を尋ねる事に!
④ ジョージが農家に行くと、農地には政府の関係者がおり、虫同士に殺し合いをさせる超音波を流していました。画期的な発明で良好な結果も出ていると胸を張る技師に対して、人間が人為的に環境を変えるのは間違っていると告げたジョージですが、その頃エレナの車の近くには、最近溺れ死んだはずホームレスの男が、フラフラとエレナへと近づいて来てたのです!!
奇妙な音で虫に殺し合いをさせる
機械が稼働していた頃…
先日溺れ死んだはずの男が
エレナに襲い掛かって来たのです!
ねっ。
生をまっとうするために人間の内臓を欲する死者と生きた人間の戦いという内容ではありませんね!!
さて、果たして昆虫を争わせる超音波は、死者の体にどのように作用していたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
本作に登場するのは
"電波系ゾンビ"なのです!
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は70年代におけるイギリスの諸問題を凝縮させて描いたようなホラー映画!!
工業化によって発生し続ける環境問題!!
ゴミとスモッグだらけのロンドン!
ロンドンの若者と地方の保守層との対立!
長髪の若者が突然やって来て
死体が動いたと寝言を言い出した。
地元警察は激おこ!
「ロンドンのバカな若造が!」
カウンターカルチャーの代償!
実はエレナの妹は重度の麻薬中毒!
エレナがマンチェスターに来た理由は
強制入院させるためでした…
そして、科学への不信感!!
昆虫を殺し合わせられる音波は
人間には作用しないのか
そう。
そんな本作は、70年代初期に世界中で蔓延していた、現代社会はやがて行き詰まり、何らかの理由で終焉を迎えるかもしれないという漠然とした不安から生まれた、鬱展開のホラー映画なのです!
花の写真だけでなく
妻の裸体写真も部屋に飾っている
エレナの妹の夫の存在も
地元の刑事には理解できません!
この変態野郎が!!
私見ですがそんな本作はひょっとすると放っておいても何らかの理由で、ある日人類は滅亡してしまうかもしれないという70年代の空気感をイギリスの怪談系ホラーに落とし込んでいるクラヤミ・ホラー映画であり、ヒッチコックの「鳥 (1963)」「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド (1968)」などに影響を受け、「ゾンビ (1978)」や「SFボディ・スナッチャー (1978)」「サンゲリア (1979 )」などに影響を与えた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
本作ではエレベータに乗ろうとした時に
ゾンビに襲われるシーンがありますが…
「ゾンビ」では逆に
エレベーターが開くとゾンビが出現!
きっとこのシーンは
本作へのオマージュだと思います😊
という訳で次回は
70年代悪魔シリーズ第二弾
というテーマで
悪魔の沼
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい日本未公開1970年代ホラー
「CALIFORNIA AXE MASSACRE (AXE)」
3人の無法者に襲われたリサ・リザは
手斧を使って3人を惨殺!
弱弱しい感じのリサ・リザが
どのように心境を変化させるのかに
興味があります!!