こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と隅っこみっこぐらしというテーマで
夜明け告げるルーのうた
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本日の隅っこは、大きな崖の陰になっている日の当たらない小さな漁港の町。
本作の主人公は、日の目を見ない人々が集う町に住んでいる、表舞台に出る事を極度に恐れている、すみっコ少年だったのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
…歌と踊りが好きな人魚ルーと出会ったことから心を開いていく?
…えっと
本作の主人公のカイは、自分の想っている事をハッキリと言わないキャラクターなので、彼が何を考えているのかは、映画の行間を読んで推測していくしかないのですが、人前で音楽の披露するのが苦手な主人公のカイは、歌と踊りが好きな人魚のルーと出会った事で、以前よりも一層、人前に出るのを嫌がるようになってしまうのです!
↑人前で音楽を披露したくないカイと、歌と踊り好きのルー!
カイが住んでいる日無町は、名前の通り、大きな崖の太陽の光が阻まれている入り江の町。
昔から町の海には、人を喰う音楽好きの人魚がいると噂されており、自分の母親を人魚に喰われた過去があるカイの祖父は、音楽演奏をするカイが海に近づく事を極度に警戒して、禁止しています。
そんなカイは、音楽をやっている事をクラスメイトにも秘密にしている、帰宅部の少年。
けれど音楽を演奏する事自体は大好きなので、一人で演奏した音楽をネットにアップしているのですが、映像に映っている背景からクラスメイトの遊歩と国夫にバレてしまい、一緒にバンドを組もうと強引に誘われてしまいます
↑遊歩と国夫だけではバンドメンバー不足手伝って!!
最初はキッパリと断っていたカイですが、2人が練習してる場所が、町人たちが近づかない人魚島という入り江の小さな島だと知ると、一度だけという約束で、練習に参加する事にします。
そして人魚島でカイが演奏を始めた時…どこからともなくカイの演奏の併せて軽快なメロディーを口ずさむ人魚が現れ、彼女の歌を聴いた時、カイな自然と体が動き出してしまったのです!
↑カイは、ルーの歌を聴いた時、心の中の何かが外れて
自然と踊り出してしまいます!
↑ちなみに、ここでようやくオープニング!
心躍るルーの歌と、湯浅正明監督ならではの映像はコチラ↓
さて、なぜカイは、人前で音楽を演奏するのを嫌がっていたのでしょうか?そしてルーと出会った事でカイは、一体何を想い、どう成長してゆくのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑カイが音楽を奏でると、海からでもやって来てしまうルー!
音楽好きの二人は、一体どんな関係になるのでしょう?
先ほども書きましたように、本作におけるカイの心情はハッキリと語られませんので、映画の中のシーンを分析しながら考えてみると…
①カイの父母は離婚しており、母は都会でダンサーとして成功している
②父親は、かつて音楽をやっていたが辞めてしまい、今は漁協で働いている
③母親はカイに何度も手紙を送っているが、カイは読まずに棚にしまっている
はい。
もう、お気づきですね😄
カイは、母親の才能に打ちのめされた父親を見て育ってきた少年。
だから遊歩や国夫のように、将来音楽で生計を成り立たせたいという無邪気な夢を見る事ができません
ましてや彼の住んでいる日無町の住民は、自分の父親も含めて都会では成功せずに地元に戻って生計を立てている人ばかり!
こんな環境においてカイは、好きな音楽で身を立てる夢も失い、無為な日々を送っていたのです…
↑何もない日無町の風景…。カイの心境も恐らく…
けれど、カイが出会った人魚のルーは、歌と踊りの天才的な才能を持っていた少女!
彼女の歌を聴けば誰もが踊り出していまう天賦の才能を見た時、彼は自分の母親に才能を打ち砕かれて地元へと戻ってきた父親と自分がダブって見えてしまったのです!
↑ルーが歌い始めると、カイや遊歩たちだけでなく…
↑音楽に疎い街の人たちまで勝手に踊り出してしまいます!
↑これぞ天賦の才能!!
↑天才少女ルーの才能を目のあたりにしたカイの心境は
そう。
本作で描かれているのは、才能を持つ人間と共に夢を見る事への葛藤!
けれど映画の後半でカイは、ルーの才能とはまったく違う音楽のチカラを知り、彼の心の葛藤から脱出する事ができます!
家の中にしまってあった、音楽の道をあきらめたカイの父親が歌っていたテープに録音してあった曲は、斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」!
歌う事は難しい事じゃない…という歌詞から始まる歌うたいのバラッドの曲の魂を理解する事で、カイはルーに引け目を感じたり嫉妬する事なく、ルーのために歌を歌うのです!
本作のタイトルは、夜明け告げるルーのうた!
このタイトルの意味が、ルーが歌う夜明けを告げる歌ではなく、カイがルーのための歌を歌う事で、自分の心の中の闇を払い、夜明けを迎える事だと気づいた時、本作は、全ての音楽好きの人のために作られた人生の応援歌である事が分かって頂けると思います。
↑人を感動させる歌とは、才能だけじゃない!!
カイが歌った瞬間、国夫が「来た!」というのが泣けます
という訳で次回は
自分で選んで隅っこ暮らし!
というテーマで
グリンチ
(2018年版)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
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