こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/






本日も
 

想像力と貴君の名は。
 

というテーマで
 

MIND GAME
マインド・ゲーム

 

 

という映画を
 

ご紹介させて頂ければと思います。






前回のねこぢる草は
 

シュールな世界を描いた原作を動画化した作品。


↑ん?どうなってるの?






シュールな世界を映像化するには
 

イマジネーション豊かな監督の表現能力が


不可欠なのです!


↑海外におけるシュールなアニメ表現の例①

ローラン・トポールの絵を動かしたのは

アニメ映画監督のルネ・ラルー


↑海外におけるシュールなアニメ表現の例②

    フィリップ・K・ディックの原作を映像化したのは

なんと「恋人たちの距離」を手掛けた

リチャード・リンクレイター監督!







このシリーズで
 

本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。

推薦理由①
躍動感のある原作コミックを
イメージを損ねずに

映像化できた映画だから!






本作の原作は
 

ロビン西氏の同名のコミック作品。






そして、この作品は…


とてつもない描写の作品なのです!







キャラはコマからはみ出し
 

デフォルメされたキャラは
 

大胆な構図で自由自在に走り回る!

 

 

 

 

その描写は、まるで北斎漫画のようなのです!

 

↑天才、葛飾北斎については次回「百日紅」にて!

 

 

 

 

 

 

…当然ですが、このような動きのある原作には

 

それを上回るような

 

映像描写が求められる事になります。

 

↑原作が既に動いているのです!!

 

 

 

 

 

そして

 

その期待を裏切らない描写ができるのが

 

湯浅正明監督の魅力なのです

 

\(^▽^)/

 

↑うぉぉぉぉ!動いてる!!

 

 

 

 

 

本作の主人公は

 

ここ一番の決断力が全くない

 

西という男。

 

↑何かをする前に、あきらめてしまう西くん。

 

 

 

 

 

漫画家になる夢も中途半端

 

好きな女の子への告白も

 

振られるのが怖くて出来ずじまいです。

 

↑別の男性と話しているのを見て

もう諦めムード…あせる

 

 

 

 

 

けれど、そんな西くんは

 

酒場に突然乱入して来たヤクザに襲われ

 

映画開始15分で死んでしまいます!

 

↑西くん、ご愁傷様のイメージ。

 

 

 

 

 

 

けれど、死後西くんは何もない世界で

 

なぞの存在に出会います。

 

↑?????

 

 

 

 

混乱している西くんに、謎の存在は

 

自分は神様だが

西くんは神様のイメージがないので

実際の神様を目の前にして

どんな姿を想像していいか分からず

混乱しているんだろ

 

と言うのです。

 

↑お前、神様ってどんなイメージか

想像した事ないから

ワシの姿がちゃんと定まらないんだ!

 

 

 

 

おお!

 

これはキューブリックさえ思いつかなかった

 

自分の見た事がないものは

想像する事ができない

 

という定義に対する究極の回答です!!

 

 

推薦理由②

見たことのないものを

想像しようとすると

自分が今まで見て来た記憶と

照合するしかない!

 

 

 

 

 

 

そして神様は西くんに対して

 

君の人生は終ったので

消滅してください

 

と言ってきたのです。

 

↑はい。あっち行って消滅してください。

 

 

 

 

 

えっ。これで人生おしまい?

 

( ̄Д ̄;;

 

 

 

 

西くんは、次の生まれ変わりは?

 

と聞くと、神様は怒って

 

人生は一回きりだから

次はない!

 

と突き放すのです。

 

↑ごねた西くんは

神様にスリーパーホールドをかけられ

沈黙させられます。

 

 

 

 

 

 

さて、西くんの人生は、そしてこの映画は

 

これで終わってしまうのでしょうか?

 

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身の目で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑死にたくないと死後の世界で後悔する西くん。

なんだか矛盾してますね…

 

 

 

 

 

本作は、そんな西くんが

 

死とは逆のベクトルを見つける事で

 

価値のある人生を自ら構築していく決意をする映画。

 

↑放っておけば人生は消滅しますが

もし西くんが自分の人生を放っておかくくなったら

どうなっていたのでしょう?

 

 

 

 

 

 

このテーマは

 

湯浅監督の映画で繰り返し描かれる

 

死に至る病

 

というキルケゴールの思想によく似た

 

絶望への回答なのです。

 

↑後に湯浅監督が作られる

「四畳半神話体系」や「夜は短し恋せよ乙女」などの作品も

逡巡する若者がチャンスを逃し苦しむ作品です。

 

 

推薦理由③

死に至る病が絶望なら

逆説的に言えば

絶望しないなら死ぬことはない

 

 

 

 

 

原作を棄損しない躍動感のある映像と

 

見た事のないものの新しい形の描写方法

 

そして、人生における絶望への回答。

 

 

 

 

 

 

これらを同時に達成した本作は

 

まるで現代芸術のような

 

まだ誰も挑戦していなかった

新しい表現方法

 

によって生み出された

 

オリジナリティの高い傑作だと思います。

 

 

 

 

 

 

と言う訳で次回は

 

卓越した表現の先駆者

 

というテーマで

 

百日紅

 

という映画を解説してみたいと思いますので

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

↑ちなみに西くんが悟った

がむしゃら人生突進型の解決方法は

やや男の子向け!

 

↑同じ問題の女の子バージョンとしては

「魔法少女まどか☆マギカ」という傑作があります。

この作品も、もう少し後で

ご紹介できればと思っております

\(^▽^)/