こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

ル・アーヴルの靴みがき

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

はじめてのカウリスマキ♡

 

本日は、80~90年代の映画評論雑誌等で度々名前が挙がっていたアキ・カウリスマキ監督の作品!

 

今回のシリーズでは、カウリスマキ監督以外にも、ベルナルド・ベルトルッチ監督やエミール・クストリッツァ監督、レオス・カラックス監督などの、映画通っぽい人がリスペクトする方々の作品が目白押しなのですが、その結果として、なんだかとても敷居が高いシリーズのようになってしまっている気がいたします汗

 

 

けれどアキ・カウリスマキ監督の作品は、小難しい作品ではなく、どちらかというと等身大の普通の人々が主人公のほのぼのとした漫画のような映画を撮られる人!

 

本日の作品も、フランスのル・アーヴルという小さな港町を舞台にした、優しい眼差しで描かれたハートフルな物語なのです😊

 

 

 

 アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「街のあかり」(06)以来5年ぶりとなるアキ・カウリスマキの監督作品で「ラヴィ・ド・ボエーム」に次ぐ2本目のフランス語映画。監督デビューした1980年代から一貫して社会の片隅でひっそりと生きるアウトサイダーを見つめてきたカウリスマキが、今作ではヨーロッパの深刻な難民問題を描き出す。庶民の人情と善意がたぐり寄せる奇跡を、時に優しく、時にこぼれだすオフビートなユーモアを交え、つむぎだされたヒューマン・ドラマの傑作。

 

はい。

 

解説にもある通り、本作の主人公もル・アーヴルの片隅でひっそりと生きているマルセルという靴磨きの老人!

 

↑マルセルは老人の靴磨き。

 

 

ル・アーヴルは小さな町らしく仕事はあまりないようで、毎日小銭を家に持ち帰る日々。

 

けれど妻のアルレッティは、マルセルの労をねぎらい、夕食を用意してくれているのです。

 

 

マルセルもアルレッティも、昔は色々あって訳アリの人生を歩んできた人間ですが、今の二人には愛犬のライカと幸福な日々があるたげ!

 

裕福ではない二人ですが、少しずつ貯めた貯金はちょっとした金額になっていました!

 

↑つましい生活ですが、二人は幸福でした。

 

 

けれどある日アルレッテは激しい腹痛に襲われ、病院に入院してしまいます!

 

医師は、悪性腫瘍で長くはないと診断しますが、マルセルが気の毒で本当の事は言えず、マルセルはアルレッテがすぐに退院できると信じて、しばらくは一人で生活する事を決意するのですが、そんな時、彼の家の納屋の中に、黒人の少年が隠れているのを発見したのです!!

 

↑ライカと一緒にいた黒人の少年!

 

 

少年はアフリカのガボン共和国から、コンテナに隠れてイギリスへ密航しようとしていた不法難民の一人!

 

 

けれどコンテナ積みかえでル・アーヴルに陸揚げした時、隠れていた一団が警察によって発見され、少年だけが逃走してマルセルの家へとたどり着いたのでしたあせる

 

↑最初はふ頭の海の中に隠れていた少年。

 

 

人生いろいろあったマルセルは、少年を哀れに思い、食事を与えて匿う事にするのですが、話してみると少年は流暢な英語を話すインテリジェンスの高い少年!

 

父親が死んでしまった彼は祖父と一緒にコンテナに密航して、ロンドンで仕事をしている母親の元へと行こうとしていたのでした。

 

↑イドリッサという名の少年は聡明で善良な子供でした。

 

 

お金もツテないマルセルですが、なんとかイドリッサをイギリスへと降り届けたいと思うのですが、逃亡した少年を捜索するために探偵のようなモネ警視が派遣され、行動の怪しいマルセルの身辺を調査し始めたのです!!

 

↑トレンチコートのモネ警視は厳しい顔立ちの人!

 

 

さて果たしてマルセルは、イドリッサをイギリスへと送り届ける事ができるのでしょうか?そして入院したアルレッテの容体はどうなってしまうのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑嫌な隣人の通報で少年を探しにマルセルの家まで来たモネ!

 ドアの後ろを覗かれたら見つかってしまいますあせるあせる

 

 

 

優しさのわらしべ長者



ねっ。

 

難しい話ではないですよね!

 

 

映画の冒頭マルセルは、仕事らしい仕事もない甲斐性なしの男に見えます。

 

↑駅での靴磨きも、警察に追っ払われれば店じまいですあせる

 

 

けれどしばらく観ていると、マルセルは周囲の人に優しく接する老人であり、街の人々もマルセルが困った時には、何かを手伝ってあげたいと思われるような人だと分かってきます。

 

 

靴磨きの仲間も、飲み屋の女主人や八百屋の主人や、病院の医師も、みんなマルセルの味方!

 

マルセルは金持ちではありませんが、人徳者だったのです!

 

↑町のみんなに愛されているマルセル。

 

 

では、そんなマルセルがイドリッサを助けたいと思った時、街の人はどうしたでしょう?

 

 

そう。

 

 

本作は本当の幸せというのは、金の有無ではない事をじんわり優しい眼差しで描いているのです😊

 

 

映画を観ているうちに、観客である私たちもマルセルを愛し応援したくなってゆく。

 

本作はそんな、人間としての心あり方を思い出させてくれる映画なのです!

 

↑お金がなくても、マルセルのような晩年はきっと幸せなのです。

 

 

 

という訳で次回は

 

理想主義者の軽薄

というテーマで

暗殺の森

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

①カウリスマキ監督のオフビートなロック魂に興味がある方へ…
 「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」



音譜レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカの回はコチラ

 

②ポルトガルの港町を描いたカウリスマキ監督の短編に興味がある方へ…
 「ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区」


音譜ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区の回はコチラ

 

③優しさのわらしべ長者的な発掘良品の作品に興味がある方へ…
 「女はみんな生きている」



音譜女はみんな生きているの回はコチラ