こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘というテーマで

 

フェリーニの8 1/2

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

9作目に非ず

 

本作は、フェリーニ監督の8作目の監督作品。

 

けれどフェリーニのフィルモグラフィを観ると本作の前には

 

1.寄席の脚光

2.白い酋長

3.街の恋

4.青春群像

5.道

6.崖

7.カリビアの夜

8.甘い生活

 

という8つの作品の監督を務めているので9作目なのではと思うかもしれませんが、第一作目の寄席の脚光という映画が共同監督だったために1/2として数え、8 1/2目の作品となっているのです。

 

つまり本作のタイトル名は本作の内容とは全く関係ない私的な覚え書きのようなもの!

 

そして本作の内容もまた、極め私的なフェリーニの心の中を覗いてみたような作品となっているのです!

 

 

 

 アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「甘い生活」のフェデリコ・フェリーニとエンニオ・フライアーノの原案を、彼ら二人と、同じく「甘い生活」のトゥリオ・ピネリ、ブルネロ・ロンディが共同脚色、フェデリコ・フェリーニが監督した自伝的要素の濃い幻想的作品。撮影は「太陽はひとりぼっち」のジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽は「道」のニーノ・ロータが担当した。出演は「ゴールデンハンター」のマルチェロ・マストロヤンニ、「気ままな情事」のクラウディア・カルディナーレ、「太陽は傷だらけ」のアヌーク・エーメのほかに、サンドラ・ミーロ、ロッセーラ・ファルク、バーバラ・スティール、マドレーヌ・ルボーなど。製作はアンジェロ・リッツォーリ。

 

自伝的要素の濃い幻想的作品!

 

 

はい。

 

これって本作の全てと言って良い解説ですね😊

 

 

主人公のグイドは一流と言われる映画監督。

 

↑俺が人気絶頂の一流監督のグイドだ!

 

 

ヒット作を連発し次作にも期待が集まるグイドですが、実は次の映画の内容が全く決まっていないままクランクインしてしまっていたのですあせる

 

↑どうしよう。実は映画の内容を決めてないんだ…まだあせる

 

 

けれど自信家で弱気なところを誰にも見せないタイプのグイドは、その事を誰にも知らせていないので、プロデューサーも女優も大道具たちも、いつ撮影が始まるのか?自分はどんな役を演じればよいのか全く分からず現場は騒然としてきますが、きっとこれもグイドのマジックと信じて疑わないために、グイドは益々(心の中で)追い詰められていくのです!

 

↑ロケ地には人気女優も招聘していますが

 彼女に自分の役について尋ねられても

 グイドは、何となく口をにごすだけ!

 

 

…これって、かなりヤバイ状況ですねあせるあせる

 

 

追い詰められたグイドは、ピンチの時にいつも傍でサポートしてくれていた妻をロケ地な呼び寄せるのですが、そのロケ地には既にグイドの付き合っている愛人も乗り込んできており、より一層事態は混とんとしてしまいます。

 

↑せっかく愛妻をロケ地に呼び寄せたのに…

 

↑現場には愛人も来ていたので、空気は最悪に…

 

 

さて、天才監督(であるはずのグイド)は、果たしてこの危機を乗り切る事ができるのでしょうか?

 

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑何も決まっていないのに、雰囲気だけは余裕のグイド!

 ねぇ。映画はどうするの!?

 

 

 

作れない心境を作る!

 

観客である私たちは映画を観ていてグイドの心境を理解していますが、劇中の人々は誰もグイドの真意を理解できず混乱し続けます。

 

けれどこれこそが、有名な映画監督だからこそ描ける世界観!

 

 

有名=万能とは限りません!

 

 

有名だからこそ期待され、そんな期待から逃げる事もできず、必死になって頭の中にある過去の経験の断片などを繋ぎ合わせても、映画として完成せず、時間ばかりが経過し追い詰められてゆく…

 

そう。

 

本作は恐らくフェデリコ・フェリーニ監督自身の心の中を描いた「不思議の国のフェリーニ」とでもいうべき作品なのです!

 

↑映画の冒頭、空を飛んで逃げようとするグイドが誰かに捕まっています!

 

↑なんとかして逃げようとしても、逃げられない!!

 これぞアイディアが出ない時のクリエイターの心境なのでは?

 

 

ですので本作は、女の子たちに不思議の国のアリスが愛されているのと同様、クリエイターたちに愛され続けている作品!

 

 

クウェンティン・タランティーノ監督や北野武監督も、本作にオマージュを捧げたような作品を作っており「作りたくても作れない」という作家ならではの苦悩が描かれた本作は、エンターテイメントとしてだけではなく、後続の作家たちを応援する刺激的な映画ともなっているのです😊

 

↑周囲の人が???となる本作の奇妙なダンスシーンは…

 

↑タランティーノの「パルプ・フィクション」に引用されています。

 

 

↑次作が作れなくなった北野監督の頭の中をCTスキャンで観る

 「監督・ばんざい!」は、北野監督の頭の中の開陳!

 

↑ちなみに北野監督の頭の中はこんな感じらしく…いいのかな~あせる

 

 

頭の中で考えていた事と、知られざる自分の本質さえも映像として公開できるというのは、稀有な才能なのではないかと思います!

 

↑「人生はお祭りだ」と語るラストには何が待つの!?

  それは是非、皆さんの眼で!!

 

 

 

という訳で次回は

 

知られざる戦い

というテーマで

 

1900年

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

合格おまけ合格

 

①北野武監督の頭の中で考えている事に興味がある方へ…
 「監督・ばんざい!」



音譜監督ばんざいの回はコチラ

 

②脚本家の混乱する頭の中を描いたヘプバーン出演作に興味がある方へ…
 「パリで一緒に」



音譜パリで一緒の回にはコチラ

 

 

③松本人志監督が考えている芸人道を映像化した作品に興味がある方へ…
 「さや侍」


音譜さや侍の回はコチラ

 

 

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