こんばんは。ご覧頂きありがとうございます😊
本日は想像力と人間観察記というテーマで
マダム・フローレンス!夢見るふたり
(原題:FLORENCE FOSTER JENKINS)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作は、ニューヨーク・フィルハーモニックの本拠地であり"音楽の殿堂"と言われているカーネギーホールで歌を披露した最も有名な女性と言われている、フローレンス・フォスター・ジェンキンスの半生を映画化したもの!
カーネギーホールで最も有名な女性という事は、ものすごい美声の持ち主!?
いいえ。
なんとフローレンスは、壮絶な音痴!!
Florence Foster Jenkinsでネット検索すると、彼女の歌ったモーツァルトのオペラ「魔笛」の
夜の女王などを聞く事ができるのですが…
↑フローレンス・フォスター・ジェンキンスの夜の女王。是非、御一聴を!!
御一聴頂ければ、ご理解できると思いますが、これは誰が聞いても歌唱力があるとは言えません😨😨😨
では、一体なぜそんなフローレンスが、カーネギーホームで歌を披露できたのでしょう?
本作はそんな歴史の謎を検証しつつ、彼女と夫との夫婦の愛の在り方を描いた恋愛映画なのです😘
★「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り
はい。
この解説で、内容はもうお分かりですね😄
ですがもう少しだけ詳しい解説を加えるなら、フローレンスは父親から莫大な遺産を受け継いだ音楽好きの老婦人。
幼い頃から音楽家を目指していたフローレンスは、歌唱力を磨くためにプロの音楽家を雇って個人レッスンを受け、頻繁にリサイタルを開催していたのです!
えっ!
でも、フローレンスは歌唱力に致命的な欠陥があると解説にも書いてあるのに、どうして頻繁にリサイタルを開催できたの?
はい。
その答えは、フローレンスに莫大な財力と、優秀なサポーターが存在したから!!
フローレンスにはシンクレアという売れない芸人の夫がおり、彼女がリサイタルを開きたいと望めば、お金でサクラを雇ってリサイタル会場を満席にしてしまうので、観客たちはどんなにフローレンスの歌が下手でも、万雷の拍手を送ってくれていたのです!!
もちろんシンクレアは、サクラで観客を集めた事をフローレンスには秘密にしていますので、彼女は自分の歌唱力が酷いなんて全く気付かなかったのです
↑あたしのリサイタルは、いつも大盛況ね💗
その上周到なシンクレアは、彼女の歌を笑ったり批判したりしそうな批評家や一般人たちにチケットを販売しなかったため、彼女の歌唱力の秘密は世間に知られる事もなかったのです!
↑常に笑顔を絶やさない若き夫のシンクレアは
フローレンスに内緒で観客を操作していたのです!
けれどある時フローレンスは、シンクレアで内緒でレコードを製作してしまっただけでなく、カーネギーホールで開催する予定だった極秘リサイタルに、軍の兵士たちを無料招待してしまったのです!!
さて、超一流の音楽ホールで開催された絶世の音痴が歌うコンサートは、一体どんな結果をもたらしたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑きっと兵隊さんたちも、私の美声を喜んでくださるわ
と、ここまでの説明ですと、コメディ映画の様な雰囲気ですが、フローレンスの暴走に対して
シンクレアが必死になってフォローしている理由が、彼女の財産を狙っての行為ではなく彼女の夢をサポートしてあげたかったいという純粋な想いからだと分かってくると、この作品は、フローレンスの歌を茶化して笑うようなコメディではない事が分かってきます!
↑天使ワルキューレの役も演じるフローレンス
けれど本作はギャグ映画ではないのです!
彼女は小さい頃に父親から、音楽の仕事に就かないよう厳命された女性。
恐らくですが父親は、フローレンスが音痴だと分かっていて夢をあきらめるよう説得していたのです!!
けれどその父親の決定は、夢に挑戦する事なく生きるようフローレンスに命じた事でもあったのです…
フローレンス。お前は夢になんか挑戦せず無難に生きなさい。
…でもそれって、幸せな人生なのでしょうか?
ちなみにシンクレアは、全く売れないコメディアン。
けれどたとえ売れなかったとしても、シンクレアは夢をあきらめず挑戦した人生を送って来た男だったのです。
そんなシンクレアだからこそ、夢をあきらめさせられて老いてしまったフローレンスを放ってはおけなかったのでは…
そう考えると、シンクレアが音痴のフローレンスを必死になってサポートしていた理由は、同じ境遇の人間に対する優しさなのだと理解できると思います。
そう。
人間とは、自分の過去から学んでいくもの。
シンクレアが人生をかけて学んだ事とはたとえ失敗したとしても、夢に向かって挑戦できるのは良い人生なのではないのか?という事だったのです…
↑夢を追い続けられる人生を送っているフローレンスは
自分が失ってしまった成功を夢見て生きている。
そんな彼女を傷つけたくない
本作を監督されたスティーブン・フリアーズ氏は、そんな庶民の夢を描き続けている監督!
彼の作品は一見すると変人をモチーフにした作品ばかりに見えますが、劇中で描かれているのは、人間らしく生きるとはどういう事なのかという問いかけである事が少なくないのです😊
という訳で、次回も引き続きスティーブン・フリアーズ監督作品として
同情心を持つ女性
というテーマで
噂のギャンブラー
という映画を解説してみたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①夢を叶えるために嘘をつく映画(その1)
「ローマの休日」
②夢を叶えるために嘘をつく映画(その2)
「スクール・オブ・ロック」
③夢を叶えるために嘘をつく映画(その3)
「ヤコブへの手紙」
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