こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力とタイトルの女
2019
というテーマで
引き裂かれた女
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
原題通り!
狂った血の女の次に登場するのは
引き裂かれた女!?
↑こんな感じの映画なの
(ちなみにこれは、トラジティ・ガールズという作品)
はい。この邦題は原題通り!
製作国であるフランス語の
LA FILLE COUPEE EN DEUX
というタイトルも
THE GIRL CUT IN TWO
という英題も
二つに切られた少女
という意味なのです!
↑タイトルに偽りなし!
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
20世紀初頭のアメリカで起きた
事件を元に描く
サスペンス・ラブストーリー。
2人の男から愛された女が
次第に自分を見失い、
過酷な運命に翻弄されていく。
えっ
この解説だとまるで
自分を見失った女性が悪い感じですが
主人公の女の子は
とても純真で良い人間なのです!
主人公のガブリエルは
TV局に勤めているお天気キャスター。
文豪として知られるサン・ドニは
長年連れ添った愛妻がいる老人なのですが
自著の出版記念パーティで会った
ガブリエルに惹かれ、浮気心が芽生えます。
↑妻を愛していながら
他の女性とも浮名を流してきたサン・ドニ。
屈託ない笑顔のガブリエルを
出版物のオークションに誘ったサン・ドニは
ロマンティックに彼女を口説き
浮気用に借りているマンションへと連れ込み
関係を持ってしまいます。
↑年上の紳士のサン・ドニに求愛され
嬉しくなって肉体関係を持ってしまったガブリエル
もちろんサン・ドニにとって
彼女との付き合いは、火遊びのようなもの。
天国の門と名付けた浮気部屋で
ガブリエルと愛の日々を送るサン・ドニですが
ガブリエルにとっては真剣な恋!
↑方や真剣、方や遊びの恋。
ガブリエルは、サン・ドニが愛妻と別れ
結婚してくれる日が来るのを
待ちわびていましたが
そんなガブリエルが重荷となったサン・ドニは
ある日を境に
彼女と会うのを辞めてしまいます。
…サン・ドニって酷い男ですね
(-"-;A
この仕打ちにショックを受け
酷く落ち込んたガブリエルでしたが
そんな彼女を慰め
愛を告白してくれた男性がいたのです
ヽ(=´▽`=)ノ
その男は、裕福な家の家業を継いだ
ポールという青年。
大金持ちの御曹司のポール。
ポールはガブリエルが
サン・ドニにぞっこんだった頃から愛を告白し
ひたむきに彼女に求愛を続け
一緒に海外へ旅行する仲になりますが
ガブリエルの心の中には、まだサン・ドニがおり
ポールに煮え切れない態度を取っために
遂にポールは激怒し
もう二度とガブリエルには会わないと告げた時
彼女は心を決めて
一生愛してくれるなら結婚して欲しい
とポールに告げたのです…
↑一生愛してくれるなら…
もちろんだよガブリエル!一生愛するよ
おお。
なんかいい感じの展開ですね!
けれど、ポールと結婚したガブリエルには
想像もできないような
残酷な運命が待ち構えていたのです!
さて、ガブリエルにはこの後一体
何が起こったのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑結婚式を控えたガブリエル。
幸せになりたい願った彼女の運命は…
利己主義の犠牲者
本作をはヌーヴェル・ヴァーグの巨匠である
クロード・シャブロル監督の作品。
彼は、人間を利己的な生き物として描く
シニカルな視点の映画監督。
彼の多くの作品では
愛や、思いやりや、信頼などは裏切られ
利己的な人間によって
優しい人生が犠牲になっていきます。
本作で犠牲になっているのは
もちろんガブリエル。
↑何も悪い事をしていないガブリエル。
けれどガブリエルには
主体性のない人生を送っているために
利己的な二人の男に
人生を翻弄されてしまいます。
思うがままに生きるサン・ドニは
若いガブリエルに興味を持ち
付き合ってみたいと思っただけの利己的な男。
けれど、そんなサン・ドニに軽蔑し
彼と自分を比較される事で
コンプレックスを刺激され怒り狂うポールも
利己的に生きている男。
では、ガブリエルは何を想っていたの?
彼女はシンプルに
幸せになりたいと願っていた受動的な人。
だからこそ彼女は
二人の利己主義の塊のような存在の間で
心を引き裂かれてしまうのです。
↑大金持ちのポールの結婚は新聞記事になり
それを見たサン・ドニは
自分の行いを棚の上に置き去りして
ガブリエルに、ポールの素行の悪さを告げ口し
ポールもまた、
サン・ドニへの憎しみを募らせ
ガブリエルの意向を無視して暴走するのです!
ちなみにサン・ドニとは
聖ドニとよばれるキリスト教の聖人と同名。
聖ドニと言えば
モンマルトルの丘で首を斬られた後に
自分の首を持って歩きだし
人々に説諭をしながら歩き続けたという
ある意味、人間の摂理を超えた超利己的な存在!
↑パリの議会に飾られているサン・ドニ。
こんな怖い絵の飾られている議会は怖いですね…
摂理や倫理などを無視して
利己的に生きている人間が存在する限り
温厚で受動的な人間の心は
引き裂かれてしまうものなのかもしれませんね…
サン・ドニと双璧をなす利己的なポールも
ガブリエルを犠牲にしても
全く後悔も痛痒もかんじない男なのです…
※今回のサン・ドニの絵画は
メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-というサイトの
斬首された自らの首を持って歩く聖ドニ(デニス)と、
三名の首の聖人たちという回を
参照させて頂きました。
本サイトは、ダークな絵画に対する造詣が深い
とても勉強になるサイトです
メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-の
という訳で次回は
恐ろしき観察記
というテーマで
三人の女
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①クロード・シャブロル監督の
〇〇の女の映画に興味がある方へ…
②利己的人間による人類の滅亡に
興味がある方へ…
③利己的人間による閉塞状況の打破に
興味がある方へ…
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