こんばんは
ご覧頂きありがとうございます

\(^▽^)/
 

 

 

 

 

 

本日も
 

想像力とタイトルの女
 

というテーマで
 

沈黙の女
ロウフィールド館の惨劇

 

 

という映画を
 

ご紹介させて頂ければと思います。






本作の原題は
 

LA CÉRÉMONIE






フランス語で
 

儀式
 

という意味なのですが
 

邦題には
 

ロウフィールド館の惨劇
 

という副題がついてしまっているので
 

惨劇が起こる映画なのは

 

観る前からわかってしまいますね…

 


↑そうです!惨劇の映画です!!






けれど、ネタバレしていても本作は

 

観客にかなりの衝撃を与える作品なのです!






このシリーズで
 

本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。


推薦理由①
普段は隠されている
人間の本性が
解放され瞬間の恐ろしさが
描かれた映画だから







本作の主人公ソフィーは
 

裕福なロウフィールド家に
 

家政婦として勤める事になりました。






以前から家政婦の経験があるソフィーは
 

生真面目そうな雰囲気の女性。


↑キリッとした感じのソフィー。






面談をしたロウフィールド家の妻カトリーヌも
 

彼女の誠実そうな雰囲気に好感を抱き
 

ソフィーを雇う事にします。


↑あら。今時珍しい、誠実そうな子ねドキドキ






ソフィーは感情をあまり見せませんが
 

家政婦としては完璧!
 

 

 

 

 

 

 

料理も掃除も、アイロンがけも

 

文句ひとつ言わずに黙々と行うソフィーに

 

カトリーヌの家族も大満足

 

↑ソフィーの料理は上手い!

いや~。良い家政婦さんが来てくれて良かった

(*´∇`*)

 

 

 

 

 

 

けれどソフィーには

 

少しおかしなところがあったのです…

 

↑食堂で一人夕食を食べるソフィーですが

なぜか手づかみ…。

 

 

 

 

 

 

彼女は、優しく接しようとする

 

ロウフィールド家の家族から距離を置き

 

できるだけ一人でいようとします。

 

↑あてがわれた部屋にあるテレビがお気に入り。

一人の時はずっとテレビを見ています。

 

 

 

 

 

 

そして、何より不思議な事は

 

メモを読んで欲しいとか

 

注文を書きとって欲しいと言われると

 

急にぎこちなくなり

 

あわてて、どこかへ消えてしまうのです。

 

↑カトリーヌから電話で

「メモに書いてあるモノを買っておいて」

と言われると

そのメモを凝視して固まってしまうソフィー。

 

 

 

 

 

 

そう。

 

 

 

 

 

 

彼女は、文字が読めない女性だったのです!

 

↑子供用の発音練習帳で書いてある文字を

発音しようとするソフィーですが

本だけで、文字の発音を理解するのは不可能ですね…

 

 

 

 

 

 

彼女は、誰かに読んでもらったり

 

他の人の話している言葉を聴いたりして

 

文字を読めないのを周囲の人に悟られないようにして

 

今まで生きていたのです。

 

↑誰かが読んでいるのを聴いているソフィー。

うなづいているのですが

一緒に読んでいるフリをしているだけです。

 

 

 

 

 

 

ん?

 

( ̄_ ̄ i)

 

 

 

 

 

 

でも、そんな状態だと

 

日常生活で色々困りませんか?

 

 

 

 

 

 

幸いロウフィールド家の人は

 

ソフィーに好意的。

 

 

 

 

 

 

だったら正直に話せば

 

文字が読めなくても大丈夫なように

 

配慮してくれるのでは?

 

↑実業家のお父さんと女優のカトリーヌは

お互いに再婚者同士ですが

お互いの連れ子である姉と弟も仲良しです。

 

 

 

 

 

いいえ。

 

 

 

 

 

それはソフィーのプライドが許しません!

 

 

 

 

 

 

彼女にとって、文字が読めない事を知られるのは

 

耐えられない屈辱だったのです。

 

↑文字を読めないのを悟られるはイヤ!

憐れみをかけられるのは、もっともっとイヤ!

 

 

 

 

 

 

そんな彼女は、好意的に接してくれる

 

ロウフィールド家の人には懐かず

 

郵便局に勤めている

 

ジャンヌという無遠慮な女性と親しくなります。

 


↑ジャンヌと一緒の時は、いつもニコニコ!

 

 

 

 

 

 

ジャンヌは街に流れて来たよそ者。

 

 

 

 

 

ロウフィールド家の父親は

 

ジャンヌが自分の娘を焼死させた疑いで

 

裁判にかけられた事を新聞で読んで知っており

 

ジャンヌに警戒心を持っていますが

 

そんなこわばった空気を読み取ったジャンヌもまた

 

ロウフィールド家を憎み

 

彼らの家宛ての手紙を勝手に開封して覗いたり

 

悪口を言って暮らしていました。

 

↑あんた、ロウフィールド家の新しいメイドだろ?

あの一家って、最低な奴らだろ?

 

 

 

 

 

 

二人に対してロウフィールド家の人々は

 

何も危害を加えていません。

 

 

 

 

 

 

けれど二人の心の中では

 

裕福だったり、幸せだったり、博識だったりする

 

ロウフィールド家の人々は

 

軽蔑し、憎むべき対象となっていくのです!

 

↑家族が留守の時にロウフィールド家に上がり込み

部屋の中を物色するジャンヌ。

彼女たちは、ロウフィールド家の人々を蔑むことで

仲良くなっていきます。

 

 

 

 

 

 

けれど、ソフィーが文字が読めない事は

 

やがてロウフィールド家の人々に知られる事になり

 

憐れみの目を向けられた事で

 

ソフィーの心の中に屈辱の炎が燃え上がるのです。

 

↑私をバカを見るような目で見るな!!!

 

 

 

 

 

さて、不穏な空気が漂い始めた

 

ロウフィールド家の館には

 

一体どんな惨劇がまっていたのでしょう?

 

 

 

 

 

 

それは是非、皆さん自身の目で

 

ご覧になって頂ければと思います。

 

↑そうさ!この家の人は

私たちみたいな人間をバカにしているのさ!

 

だとしたら私たちも黙っちゃいないわ!

 

 

 

 

 

本作で描かれているソフィーとジャンヌの感情は

 

ルサンチマンと呼ばれるもの。

 

 

 

 

 

 

ルサンチマンを簡単に説明すると

 

弱者が強者に対して抱く、怒りや恨みのような感情

 

↑弱者の持つ、裕福な者や成功者への怒りや恨みは

理不尽なものである事が少なくありません。

 

「パージ:アナーキー」シリーズでは

そんなルサンチマンを爆発させたグループが

裕福な家を襲撃するのです!

 

 

音譜「パージ:アナーキー」の回コチラ音譜

 

 

 

 

 

 

全てを持っているロウフィールド家の人たち。

 

何も持っていないソフィーとジャンヌ。

 

 

 

 

 

けれどだからこそ

 

怒ったり、恨んだりする理由としては

 

充分なのかもしれません。

 

 

推薦理由②

ルサンチマンは

不公平な人生に対する

人間の根源的な怒りから生まれる

 

↑ロウフィールド家の娘は何気ない会話の中で

「ソフィーって賢いって意味よね!」ソフィーに話しかけます。

 

彼女にとっては、ソフィーへの誉め言葉でしたが

ソフィーとしては、学がある事をひけらかされ

文字が読めない事をバカにされたと感じてしまいます。

 

ルサンチマンは相手の心情とは関係なく、

弱者の心の中で勝手に醸造される負の感情なのです。

 

 

 

 

 

 

本作は、観ているうちに

 

ジワジワと緊張感が高まっていく映画。

 

 

 

 

 

 

何も悪い事をしていないにも関わらず

 

惨劇に会う事になるロウフィールド家の人々は

 

ある日突然、誰かから

 

お前の生き方自体が

前からずっと気に喰わなかった!

 

と言って襲われるかもしれない

 

現代という時代の恐ろしさを描いているのです。

 

 

推薦理由③

襲われる理由とは

相手の心の中で勝手に育った

ルサンチマンかもしれない

 

↑ソフィーの文字が読めないのは

彼女のせいではないかもしれませんし

ましてやロウフィールド家の人とは関係ありません。

 

けれど彼女たちにとっては

何不自由なく暮らしている幸せそうな家族こそが

憎むべき対象となっていくのです…

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

文法は大切に!

 

というテーマで

 

セメントの女

 

という映画を解説してみたいと思いますので

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

↑本作は「親切は報われる」とか

「親切は感謝される」といった倫理感を破壊する

怖い怖い映画。

 

親切にした結果恨まれる事も

この世にはあるかもしれないのです…