こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
家族のこわい映画
というテーマで
フレンチアルプスで
起きたこと
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
シンプルな恐怖
本は極めてシンプルな作品。
トリックや複雑な伏線やどんでん返しはありません。
本作で描かれているのは
どこの家族にでも起こり得るであろう出来事。
けれど、そんなシンプルな出来事の中に
観客の心を締め付けるような
普遍的な家族の問題が描かれているのです…
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
人間の本能が起こしてしまった行動の残酷な代償を、
ブラックユーモアを交えて描く人間ドラマ。
前作『プレイ』(11)が世界中で話題となり、
東京国際映画祭でも監督賞を受賞した
リューベン・オストルンド監督最新作であり、
人間観察に長け、特殊な状況下における
人間の心理の揺れを丁寧に、そして徹底的に描いていく手腕は
冴えを増している。
もっとも、『プレイ』では
危機下における心理描写が強調されていたのに対し、
本作では悲しみや希望といった、
より「通常の」感情にも重きが置かれており、
映画の普遍性は増している。
…なんか、プレイという作品に
ものすごく思い入れのある方が書いた解説ですね
( ̄_ ̄ i)
けれど肝心のプレイは、現在日本では視聴できず
シネマ旬報さんのサイトにも
解説やあらすじが記入されてませんので
本作について書かれている
人間の本能が起こしてしまった行動の残酷な代償
というポイントについて
もう少しだけ詳しく、ご説明したいと思います。
本作は仲睦まじい4人家族が
フレンチアルプスにスキー旅行に行った時で
体験した出来事の映画。
↑映画の冒頭の記念撮影は、とても幸せそう!
初日はスキーを満喫した家族ですが
翌日、昼食に訪れたスキー場のテラスレストランで
つもり過ぎた雪を除去するために行われた
人工雪崩を目撃する事になります。
↑ドドドドドドド…
最初は喜んでいたテラス席の観客たちですが
思いのほか雪崩の規模が大きく
レストランが覆われそうになってしまいます!
↑おい、ちょっとヤバくないか
テラスの客たちはパニックに陥り
雪煙で何も見えない中
子供たちは、父親を必死に呼びますが
父親からの返事はなく
暫くして、雪煙が収まり視界が明るくなった頃
父親の「今のはすごかったな」
という能天気な声が聞こえてきたのです。
父親は何事もなかったように食事を再開しますが
必死に子供を抱き抱えていた母親は
視界が見えなくなる直前
父親が助けを呼ぶ子供の声を無視し
一目散に逃げ出したのを目撃していたのです!
↑あ
自分たちを見捨て逃げ出したのに
何事もなかったように振る舞おうとする父親に
母親の顔から笑顔が消えます。
そして、子供たちも父親とは
一切口をきかなくなってしまったのです。
↑ …
↑ … …
↑ … … …
父親は、妻と仲直りしようとしますが
自分が子供たちを見捨てたという事を認めず
とっさの状況だったから
見間違いをしたんじゃないかと弁解してしまい
ますます心が離れていきます。
↑友人と夕食をしていた時、雪崩の話になり
妻が、父親が逃げ出したと言うと
そんなことはないよ!と父親は咄嗟に否定します。
そして妻の心は凍りつくのです…
さて、家族のスキー旅行はあと3日。
妻や子供と心が断絶してしまった父親は
どうなってしまうのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑初日の光景
↑雪崩後の光景
父親は何を失ったのか
本作は恐らく
男性と女性で感想の異なる作品。
きっと男性の方には
父親は悪気はなかったミスだったのに
妻が追い詰めすぎだ!
と不満に思う方もいらっしゃると思いますが
本作で描かれているのは
夫婦のどちらが悪いかではありません。
本作で描かれているのは
もし女性が男性への信頼を失ったとしたら
どんな感情になっていくか!
↑価値観が共有できなくなった妻。
世の多くの男性は
価値観の違いは話し合いや共通体験によって
埋まっていくものと考え勝ちですが
それは、男性同士にしか通じない身勝手な論理。
↑結局は、みんなが無事で良かったじゃないか。
イヤな事は忘れて楽しい旅行にしよう!
(男性理論)
けれど妻にとっては
夫がなぜ逃げたのかが分からない上に
その事に向き合わない夫に
信頼や愛情を注げなくなってしまったのです。
↑もう、昨日には戻れない…
けれど、その事が分からない父親は
なんとかして家族が元の状態に戻れるように
あらゆる手段を講じますが
その行動自体を冷静に見ている妻の目は
もはや、かつてのものではなくなっているのです…
↑夫(さぁ、以前のような関係にするぞ!)
妻(あなたのその考え自体が、信頼できないの…)
ですので本作は
スキー場のアクシデントの映画ではなく
ある日突然訪れるかもしれない
男性が妻の信頼を失ってしまう日のお話。
そして、その失った信頼は
恐らくですが、妻の心の中で回復させる事は
ほぼ不可能なのだと思います…
↑本作の原題は「FORCE MAJEURE」(不可抗力)。
けれど男性が不可抗力だと強弁しても
信頼を失った男性を、かつてのように愛する理由は
女性にはないのだと思います。
女性の視点で考えれば
夫の事を信頼できないと思う感情を消すことが
不可抗力なのです…
そして、もし自分が同じような状況に置かれた時
その後どんな事をしても
愛する女性の信頼や愛情を取り戻せなかっとしたら
とてもこわい状況だと思うのですが
皆さんはどう思われますか?
↑たとえ幼児のように泣いてみても
愛する人の心は戻らない…
ああ、なんて恐ろしい状況なのでしょう。
という訳で次回は
心のモヤモヤ
というテーマで
つぐない
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①男女の考えと行動の行き違いに
興味がある方へ…
②愛の定義のあいまいさを問う映画に
興味がある方へ…
③価値観の違いを認める男の映画に
興味がある方へ…
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