こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力とタイトルの女
というテーマで
荒馬と女
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
一か月に渡り「○○の女」という映画を紹介した
本シリーズも本日でおしまい!
特定のテーマやジャンルではなく
「○○の女」というタイトルでセレクトして
様々な映画に出会ってみるという企画でしたが
いかがでしたでしょうか?
最終回は、映画と現実がリンクして
伝説となった奇跡の作品です
ヽ(=´▽`=)ノ
このシリーズで
本作品を選ばせて頂いた理由は3つ。
推薦理由①
アメリカンニューシネマより
10年も前に存在した
現代社会に適合できない人々の
息苦しさを描いた映画だから
アメリカンニューシネマとは
1960年代の後半の映画業界に現れた
アメリカ映画の新潮流!
アメリカ人の好きな
ハッピーエンドで終わる映画ではなく
時代や社会にうまく適合できない若者が
逃避したり、逸脱したり、無軌道に人生を楽しみながら
次第に行き場を失い追い詰められ破滅していく
重苦しいラストで終わる青春映画です。
俺たちに明日はない
バニシングポイント
真夜中のカーボーイ
などの作品が有名ですよね。
そんなアメリカンニューシネマ的世界観が
60年代末期に生まれた原因は
ベトナム戦争や
若者の大人社会への反発によって
既成の価値観が崩壊したため
というのが定説ではないかと思われます。
けれど、近代社会に対する閉塞感や反抗は
ニューシネマが生まれる10年前の
60年代初頭に既に始まっていたのです…
本作に登場するのは
過去を清算して
新しい人生を始めたい
3人の男と1人の女
↑昔の自分は忘れて
これからを楽しく生きていこうよ!
2人の男はカウボーイ。
もう一人は爆撃機のパイロット。
そして離婚を経験した女性。
偶然出会った4人は
心機一転、新しい人生を歩もうと考え
荒野に打ち捨てられていた
爆撃機乗りの作りかけの家を改装し
新生活を始めようとするのですが
夢だけを追っている彼らは
現代社会では誰からも受け入れてもらえない
不適合者となっただけだったのです…
彼らは軍資金を集めるために
荒野を走る野生馬を捕獲しようとします。
カウボーイが活躍した時代は
何千頭も走り回っていた野生馬たち。
けれど彼らが見つけた野生の馬は
わずか15頭!
馬ではなくジープで馬を追い詰め
5頭の馬を追い詰め
捕まえる事に成功しますが
たった5頭では軍資金にもなりません。
↑絶滅寸前の野生馬を追い立てる!
…これって、夢のある仕事でしょうか?
野生馬たちはまるで、彼ら自身のよう。
誰もいない荒野で
縛り上げられてもがいているのは
現代社会で不要となった
彼ら自身の姿と重なって描かれてます。
↑馬の首に縄を掛けるのは
馬を窒息させて気を失わせるため!
カウボーイも爆撃機乗りも
もはや時代には必要とされない存在。
彼らも窒息させられているのでは…
夢を叶えるための野生馬狩りは
つらい現実を直視する
重苦しい結果となっていきます。
さて、彼らは一体
どんな結論に達するのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑捕まえた馬はどうなるの?
乗馬は廃れているので
捕まえた馬は、工場で加工されて
ドックフードになるのです。
そう。
彼らの夢見た自分たちの理想世界は
とっくの昔に、失われたものだったのです…
本作で離婚した女性を演じたのは
マリリン・モンロー!
あれれ?
(・・;)
マリリン・モンローといえば
人の良いグラマーなセクシーちゃん
というイメージのはずですが
本作の雰囲気は、ちょっと違いますね!
↑一般的なマリリンのイメージはこんな感じ?
↑本作のマリリンは
他の作品と全然イメージが違います。
イメージが違う理由は
本作を作る目的の一つが
素顔のマリリン・モンローを描く事だったから!
↑素顔のマリリンって、どんな人だったの?
本作は、マリリンの夫だった
ジョン・ヒューストン監督が
彼女の本当の姿を映画に残すために
マリリンに捧げれた作品
↑愛するマリリンのために作りました!
マリリン・モンローは
演技派女優を目指していたにも関わらず
ファンの人々からは
胸の大きなセクシーちゃんと認識され続け
心を病んでいった悲劇の女優。
↑「彼女はセックスシンボルだよね!」
こんな声は、マリリンの心を傷つけていきます…
ですので本作のマリリンは
純粋で全ての事に対して優しく
けれどその分傷つきやすく
折角築いた幸せも、自分から壊してしまう
神経症的なマリリンの真の姿が
しっかりと描かれています。
↑とてもロマンティストであり
同時に、繊細過ぎて壊れやすいマリリンの遠い目。
彼女はカウボーイたちの行った
野生馬狩りの残酷な現実を見てショックを受け
駈けだしてしまいます。
↑野生の馬を捕まえる男の仕事だ!
と聞かされていてのに…
↑あなたたちのしている事が男の仕事?
みんな嘘つきだわ!!!!
ああ。
繊細過ぎる人もまた
現代社会では生きにくい存在ですね。
ジョン・ヒューストン監督はきっと
そんなマリリンの繊細な心を
映画を観た人たちに分かってもらいたいと考え
本作を作ったのだと思います。
推薦理由②
純粋な人間は
現実世界の残酷さに
心を傷つけられてしまう
けれど映画の最後には
彼女の心を分かってくれたカウボーイが
自分の理想を捨てて
現代社会で彼女を守ろうと覚悟を決めます。
↑俺が悪かった。
君が傷つかない家庭を築こうよ。
マリリンは暗くなった帰り道で
私たちの帰る場所は
あるのかしら?
と彼に尋ねます。
すると彼は優しく
空に見える
明るい星があるだろ。
そこに向かって行けば
帰れるんだよ。
と励ましてくれます。
けれど現実は…
本作の公開から1年後に
マリリンは帰らぬ人となってしまうのです。
↑本作は1961年作品。
マリリン・モンローの没年は1962年です。
目指した星の下にも
彼女の帰る場所がなかったのです…
本作は素顔のマリリンが描かれた事で
結果として、彼女の心の痛みと
帰るべき道が見つけられなかった悲劇が描かれた
マリリンの墓標のような映画。
映画というマジックは
時に、作り手さえ予測しなかった
不思議な奇跡を
呼び起こすものなのかもしれません。
推薦理由③
マリリンの人生と重ねると
涙なくしては見れない
↑ちなみにカウボーイ役のクラーク・ゲーブルも
本作が遺作となってします。
図らずも二人にとって
目指すべき未来の光はなかったのでした
(ノ_-。)
と言う訳で想像力とタイトルの女は
これにておしまいです!
来月は、本年のブログを振り返る
アーカイブをお送りしたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
↑本作のマリリンとゲーブルなら
演技派としての未来はあったハズでしたが…
人生の心とは儚いものですね。
お二人のご冥福をお祈り申し上げます。
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