こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
＼(＾▽＾)／
本日も
想像力と
ざんねんなタイトル
というテーマで
小悪魔はなぜモテる？！
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
邦題の留意点とは
想像力とざんねんなタイトル
というテーマでお送りして参りました本シリーズも
本日で最終回！
日本特有の問題である
原題と邦題の違いによって引き起こされる
映画への誤解や偏見をテーマに
セレクトしてみましたが、いかがでしたでしようか？
ラストである本日は
文芸作品を引用した映画の邦題です！
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作の解説は以下の通り
『ゾンビランド』の
エマ・ストーン主演で贈る青春ラブコメディ。
モテないのに、つい彼氏がいると
嘘をついてしまった女子高生オリーブは、
噂好きの優等生マリアンのせいで、
モテない男たちから偽装エッチの依頼を受ける
ハメになってしまう。
ん？
これは、おかしいですね！
エマ・ストーンと言えば
ゾンビランドよりラ・ラ・ランドでは？
いや…
突っ込みどころは、そこではなく
原題についての解説が全くないところ！！
↑かなり雰囲気が違う日本版のポスター。
本作の原題は
EASY A
そして、このＡの意味には
ナサニエル・ホーソンの緋文字という小説が
深く関わっているのです！
大辞林 第三版の緋文字の解説には
ホーソンの長編小説。1850年刊。
姦通の罪により緋色の A の文字を胸に
つけさせられて暮らす人妻と、
苦悶しつつ、ついには告白して死んでいく
相手の牧師とをめぐる人間関係を通して、
愛と悪と信仰の問題を追求する。
と書いてあります。
そして、緋文字という作品の内容については
劇中で詳しく説明されている上に
主人公の女子高生オリーブは緋文字の人妻と同様
Ａの文字を付けて登校する事となるのです！
↑自分でＡの文字を付けて登校するオリーブ。
ちなみにＡの文字の意味は
Adultery
（姦通，不貞，不義.）
…確かに、オリーブの雰囲気は
男好きなセクシーキャラのように見えますね！
↑メチャクチャ男性経験が豊富そうです！
けれど実はオリーブは、男性経験どころか
恋した事もない女の子なのです！
？？？
(-"-;A
えっ。だとしたら何で
オリーブはAdultery扱いされるの？
それは、ちょっとした誤解から！
オリーブは、友人の家に泊まりたくなくて
今週末はデートでダメと嘘をつき
その嘘を信じた友人は、翌週になって
週末彼と過ごしたんだったら
一線を越えたはずだとしつこく尋ねるので
めんどくさくなったオリーブが
あ～初経験したよ！と再び嘘を言ったのを
別のクラスメイトに聞き留められて
言いふらされたのです！
↑実際は、おばあちゃんから誕生日プレゼントに
音楽の流れるカードをもらい…
↑カードから流れる曲を楽しくなって
ずっと歌っていただけの週末だったのです！
学校中に架空の初体験を噂が広がり
驚くオリーブですが
本当の事は友人を傷つけるので言えません
何も知らない友人はさらに
その架空の彼氏とオリープは付き合うのかと
しつこく聞いて来たので
一回限りの関係だと適当に答えると
オリーブは男性と一夜限りの関係を持つ女という
悪い噂がさらに広がってしまうのです！
↑あれ？なんか変な噂ながれてない…
はい。
本作は、高校生活などでありがちな
噂が独り歩きする事で、不確かな情報が拡散され
被害者を生み出していく構造を描いた
他者の語る噂をテーマにした作品なのです！
けれど、ここまでの展開はまだ序の口！
本作はこの後、誰とでも寝る女と
噂されるようになったオリーブを犠牲にする事で
良い噂を流そうとする人たちによって
オリーブは酷く傷つけられる事となるのです…
↑ノリがよく嫌とは言えない性格のオリーブは
徹底的に利用されていきます！
さて、オリーブの噂を利用しようとした人々は
一体どんな事を頼んだのでしょう？
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑正に緋文字と同じように
いわれなき中傷に傷ついていくオリーブ！
引用の効用
本作は面白いだけでなく
緋文字以外の様々な作品も引用する事で
観客に知らない知識との出会いを与えてくれる
新しいアプローチで作られた映画！
↑１９２７年のリリアン・ギッシュによる緋文字映画
「スカーレット・レター」の映像も引用！
本作を観た後に緋文字に興味を持ったり
８０年代の青春映画を観て
ウットリできるように工夫されています。
↑８０年代の青春映画引用①
↑８０年代の青春映画引用②
↑８０年代の青春映画引用③
↑あっ！ちゃんと引用されてるよ
そして、この引用手法は
ピッチ・パーフェクト、レディ・プレイヤー１、
シェイプ・オブ・ウォーターなどに継承されながら
新潮流となっていきつつあります！
↑シェイプ・オブ・ウォーターにおける
「大アマゾンの半魚人」と「艦隊を追って」の引用！
そんな本作の重要ワードは
どう考えても緋文字と繋がるためのEASY A！
けれど日本においては
そんな観客への知的なアプローチを無視し
小悪魔はなぜモテる？！という
良く分からない邦題にされてしまいました…
…さて、皆様はこんな邦題のつけ方を
どう思われますか？
↑この邦題こそが、正に
当事者の知らない間に勝手な噂が広められ
真意が分からなくなるという
本作の内容そのものではないでしょうか…
「EASY A」 → 「小悪魔はなぜモテる？！」
という訳で本シリーズはこれでおしまい！
長い間お付き合い下さり
皆様、本当にありがとうございしまた！
次回より、また新しいシリーズを
お届けできればと思っておりますので
どうぞよろしくお願いいたします。
↑ちょっとだけ予告
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①ところでゾンビランドって何？
という方に…
②噂を信じちゃいけない映画に
興味がある方へ…
③本作とピッチパーフェクト、
そしてテッド２にも引用されている映画に
興味がある方へ…
![小悪魔はなぜモテる?! [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51X3pYDDKqL._SL160_.jpg) |
小悪魔はなぜモテる?! [DVD]
991円
Amazon |