こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
ざんねんなタイトル
というテーマで
死霊の盆踊り
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
ORGYは盆踊りなの
本作の原題は
ORGY OF THE DEAD
(死者のオージー)
ORGYという単語は
あまり聞き慣れない英語ですね…
Weblioさんで検索したORGYは
乱飲乱舞の酒宴、底ぬけ騒ぎ、乱行パーティー
という意味。
WeblioさんのORGYの検索結果はコチラ
学習レベルが英検1級以上ですので
一般的にあまり使われない単語のようですね…
さて、一体どうして死者のオージーが
盆踊りなのでしょう?
↑ちょっとご紹介するのに躊躇してしまう
1987年の日本版ポスター。
その理由は、
日本独自の劇場未公開映画の宣伝手法に
よるものだったのです!
アバウトなストーリー
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば
本作のストーリーは以下の通り
エド・ウッドが脚本を手掛けた
くだらなさ全開のホラーコメディ。
ホラー小説家・ボブは
婚約者のシャーリーと共に、
小説のアイデアを求めて雨の墓地に向かうが、
交通事故に遭ってしまう。
そんな彼らの前に暗黒の女王が現れ
死者たちが次々と踊り始める。
うん。
簡潔にストーリーを説明すると
その通りの内容ですね
ヽ(=´▽`=)ノ
ただし水色の部分に関してだけは
大いに異論があるのです。
ホラー小説家のボブとシャーリーは
ドライブ中に事故を起こし気を失いますが
現実か幻想か分からない墓場で目を覚まします。
↑こ、ここはどこだ?
その墓場では
夜の帝王と闇の女王が宴を開いており
様々な理由で死んだ女性を
幽霊として蘇らせ踊りを披露させています。
…けれど、その踊りは
どれも途中から着ている服を脱いでしまい
ヌードダンスとなっていくのです!
↑最初は服を着ているのですが
途中からトップレスのヌードダンスに!!
その光景を呆然と覗き見ていた
ボブとシャーリーですが
ミイラ男と狼男に見つかってしまい
墓にくくり連れられて
死霊のダンスを見させら続けます。
↑助けて!ダメだ死霊の踊りを見ろ!!
けれど宴はいつまでも続きません。
月が隠れれば宴は終わり。
宴の終わりが近づくと闇の女王は
シャーリーの命を奪いたいと帝王に願い出て
聞き入れられてしまうのです!
↑この女は次の宴のダンサーにしましょう!
さて、一体ボブとシャーリーの運命は
どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑助けて~!!!!
その時代の事情
本作は1960年代に作られた
セクスプロイテーション映画と呼ばれている
低予算で作られた成人映画!
えっ。
つまりポルノ映画なの!?
( ̄Д ̄;;
そうなんです!
本作は日本ではホラーやコメディ映画として
紹介されている事が多いのですが
本作を監督したスティーヴン・C・アポストロフ氏も
DVD収録のインタビューにおいて
本作は、観客をマイナー映画館に呼ぶための
ピンク映画だと解説しています。
成人映画の目的といえば
男性がエッチなシーンを見る事ですね。
けれど1960年代のアメリカは
ヘイズ・コードという
映画検閲が猛威を振るっていた時代!
現在のような煽情的なポルノ映画は
絶対に作る事はできない上に
メジャーな映画会社は
自社作品を公開する映画館を持ち
弱小の映画館は
メジャー作品を公開できなかったのです!
劇場を守るための成人映画だけど
すごくエッチなヤツはNG!
だからスティーヴン・C・アポストロフ氏は
過去に公開が許されていた
ヌード的描写が登場する他の作品を参考に
当時の検閲ギリギリの表現で
成人映画を製作したのだと思われます。
↑黒いビーナスと呼ばれたジョセフィン・ベイカーは
パリで高い評価を受けたダンサー。
おお。トップレスでもダンスなら許されるのか!
↑ラス・メイヤー監督による1959年の
「インモラル・ミスター・ティーズ」。
なるぼど、この位の描写なら許されるのか!
ですので、死霊たちの踊るダンスも
モダンダンスのような
あまり煽情的でない印象を与えつつも
裸はタップリと見せるという
コードへとの心配りと観客へのサービスが
混然となっている作品なのです!
↑批判されるのも避けたいが
ヌードを観たい男性客たちも呼び込みたい!
そんな本作は、1960年代のアメリカにおける
サブカルチャーの状況を知る上では
貴重な作品ではないかと考えられるのです
ヽ(=´▽`=)ノ
けれど時は過ぎ、本作が日本公開されたのは
1980年代のビデオブーム期!
古今東西の様々な映画がリリースされる中
本作は、80年代的感覚では
墓地で裸の女が踊っていて
拉致された男女が
裸踊りをずっと見ている変な映画
として紹介され
煽情的でないモダンダンスも
まるで盆踊りのようだと嘲笑の対象ととなって
カルト映画扱いされてしまいます…
↑予算がないのも、内容が軽いのも
成人映画だからです!
けれど弱小映画館用の成人映画を
大真面目に議論したり
内容が変だと嘲笑するというのは
いかがなものでしょうか?
本作が公開された1965年には見向きもせず
20年経った後、勝手に発掘して
変な映画がある!と言って笑いものにするのは
デリカシーのない行為だと思います。
↑コメディでもホラーでもなく
当時の観客が見たかった女性のヌードを
たくさん見せようとして作られた
大人のグラビア雑誌のような映画なのです。
ちなみに原題において
ORGYという単語で画像検索をすると
出てくる画像は、とんでもないものばかり!
目を覆うような現代のORGYと
おおらかな1960年代のORGYでは
どちらがカルトなのでしょう…
…さて、皆様はこんな邦題のつけ方を
どう思われますか?
↑こちらは「地下女将軍ZETA-ONE」。
こんな感じの似たような成人映画は
当時たくさん作られていただけなのです!
という訳で次回は
日本語大丈夫?
というテーマで
フィービー・ケイツの
私の彼は
問題児(ドドンパ)
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①映画に登場するモダンダンスに
興味がある方へ…
②ヨーロッパ系セクスプロイテーションに
興味がある方へ…
③ジョセフィン・ベイカーが登場する
アニメ映画に興味がある方へ…
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