こんばんは
ご覧頂きありがとうございます
\(^▽^)/
本日も
想像力と
発掘良品の発掘
というテーマで
刑事マルティン・ベック
という映画を
ご紹介させて頂ければと思います。
唖然とするラスト
本作は、ラストが強烈な作品として
語り継がれている映画!
恐らく初見の方はラストを観て
何だこのラストは!
( ̄Д ̄;;
と、唖然としてしまう思います!
けれど、本作は
ラストに至るまでの経過が重要な映画であり
事件の顛末よりも、観客に
あなたはこの映画の事件を
どう思いますか?
という問いかけがなされる作品と
なっているのです!
↑本作と同じく「なんだこれ?」というラストの
「ハッピー・ボイス・キラー」。
けれど、本作も「この事件をどう思うか?」を
観客に問いかける作品なのです
ヽ(=´▽`=)ノ
アバウトなストーリー
本作の冒頭は殺人事件!
病院に入院している老人が
夜中に侵入してきた何者かによって
メッタ切りされてしまったのです!
↑このおじいさんが、突然襲われ
部屋中血まみれになって殺されてしまいます!
ベテラン刑事のマルティン・ベックが
調査を開始すると
被害者はニーマンという警部だと判明。
↑捜査に着手するマルティン・ベック(左)と同僚のルン。
…こりゃあ恐らく怨恨だね。
被害者が警部なら
情報収集はカンタンだろうと考えたベックは
所轄の同僚に聞き込みをすると
同僚たちは口をそろえて
彼の事はよく知らないと口を濁すのです。
↑ニーマンの事を教えてくれないか?
…いや。彼の事は知らない!俺は親しくなかった
なせ誰もニーマンの事を
詳しく語ろうととないのか訝しんでいると
コルベリという若い刑事が
ニーマンは警官の中で最も腐敗した
暴力警官だったからだ
という衝撃の告白をしてくれたのです!
↑コルベリは軍隊に所属していた時
新人教育担当のニーマンに接していたので
彼の人格を知っていたのです!
ニーマンは軍隊時代に
サッフル残酷男と呼ばれていた男。
彼は告訴されても握り潰してしまうので
一切証拠を残していませんが
行き過ぎた暴力や誤認逮捕は日常茶飯事の
最低の警察官だったのです。
↑やっぱり、これは怨恨だね!
ベックは、容疑者を特定するために
ニーマンの腹心であり
彼と共に暴力を振るっていたハルト巡査に
聞き込みをする事にしますが
ハルトに会ってみると
彼はニーマンの噂を一切否定しただけでなく
ニーマンのような警官がいれば
治安はもっと良くなると力説したのです!
さて、殺されたニーマンという男は
どんな存在だったのでしょう?
そして、犯人は一体
どんな人間だったのでしよう?
それは是非、皆さん自身の目で
ご覧になって頂ければと思います。
↑この後犯人は、更なる大事件を引き起こするのです!
理想と現実
本作は、人々のセリフなどを
鑑賞した後で、じっくり検証していく事で
物語の本質が理解できる作品!
例えば、コルベリ刑事が
サッフルの残酷男としてのニーマンの逸話で
ブタの睾丸や目玉を攻撃しても
鳴き声をあげさせない方法は
先に舌を抜く事だとニーマンが教えていた
という逸話によって
ニーマンが病院で襲撃された時に
まず銃剣で歯を砕かれて
叫び声を上げられなくさせていた
という犯人の行為が
ニーマンの事をよく知る人間によるものだと
理解できるようになっています。
↑つまりそれって、軍隊時代に
ニーマンの教育を受けた人間の犯行って事?
そして、そんなヒントは
ニーマン殺害だけでなくベックの心中も
容赦なく描いていきます。
ベックの登場シーンで
家でのんびり模型の船を作っている時
娘が聴いていのは
警察をぶっ殺せ!という曲。
ベックは、娘に向って
昔はお父さんが警察官だって
自慢してたじゃないか?
と娘に尋ねると
時代は変わったのよ!
と、軽くいなされてしまいます。
はい。
これが恐らく、本作のテーマ!!
正義の執行者だった警察組織は
時代の推移と共に
様々な腐敗や不正がはびこる
市民から憎まれる存在へと
変質していってしまっていたのです!
それに気づかなかったベックは
この事件を通して
自分すらも憎まれる存在だと知って
大変なショックを受けます。
↑犯人を突き止めると
殺害リストにマルティン・ベックの名前が!!
やるせないですね…
(ノ_-。)
けれど、いざ犯人が大事件を起こせば
どんなに嫌われても警察は
命懸けで市民を守ろうとするのです!
警察に対処できないと判断した所長は
軍隊に任せようと言いますが
初老のマルティン・ベックは命令を拒否して
一人犯人に立ち向かいます。
↑まるで煙突掃除のように
頼りない雰囲気のマルティン・ベック。
その姿からは
どんなに警察の権威が失墜しても
俺は刑事として
やるべきことをしるしかない…
というベックの矜持が見え隠れし
思わず涙するのです
(ノ_-。)
本作の原題は
「THE MAN ON THE ROOF」(屋根の上の男)
高性能ライフルを持って屋根にいる
警察に怒れる男に対して
ほとんど無力なマルティン・ベックですが
それでも彼は行くのです…
と言う訳で次回は
修羅場と修羅場
というテーマで
ディナーラッシュ
という映画を解説してみたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
おまけ
①老いても愚直に生きる
老人の映画に興味がある方へ…
②死地に向かう決断をする理由に
興味がある方へ…
③暴力的な法の執行者の是非に
興味がある方へ…
![]() |
刑事マルティン・べック [DVD]
1,790円
Amazon |