ガダルカナル戦書籍一覧   
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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

 

立岩支隊長 立岩 新策大尉

ショートランドから水雷戦隊によりラッセル諸島バイシー島へ向かう立岩支隊。

1月28日 

21:00 駆逐艦浦風艦長より離艦準備開始の指示。

21:30 各艦バイシー沖に入泊停船。

支隊の兵員は各舟艇に分乗、海兵により綱に繋がれたドラム缶が海面に放り出され元綱を舟艇へ括り付けた。

挿絵:立岩新策氏 著 「太平洋ひとり旅より」

ドラム缶一本の中には

米・粉味噌・粉醤油・乾燥野菜。

マツチ・蝋燭・鰹節・煙草 等

海面に投げ入れると海面下1㍍程度しか沈まないように工夫されている。

此れを数珠つなぎに十本づつ、大・小発動艇で曳航するように準備が整っていた。

 

駆逐艦の海軍兵は手を振って別れを惜しみ健闘を祈ってくれた。

 

発動機は始動し図上演習で研究した海上散兵線を作り前進を開始。

22:00 油を流したような静かな海原にバイシー上陸を目指す立岩支隊

東方マライタ島上空に満月が会場を昼の如く照らし出し支隊の舟艇は全て見える。

これでは上陸前に発見されてしまうが今更後には戻れず天運に任せ前進するしか無い。

 

ところがマライタ上空の月を追うように入道雲が現れた。

支隊長の眼には入道雲というよりは不動雲の様に思われ上陸地点に近づくほどに其の不動雲は月に達し我立岩支隊の行動部分だけを暗くしている。

「何たる天祐!!」

バイシー島が500米まで近づき打ち合わせ通り各艇の発動機が停止される。

後は手漕ぎで接近、残り300米と眼前に迫るバイシー島。

上陸地点偵察の為、偵察舟艇が行動を開始。

 

ところが偵察舟艇が勝手に右往左往・・・

上陸予定地点は珊瑚礁のため上陸不可と思われ、後に続く舟艇も右往左往・・・

敵前50米にして舟艇は動かなくなった。

原因は各舟艇勝手な行動を取った為、舟艇に繋いでいたドラム缶を忘れこんがらがったからであった。

各舟艇の兵員もざわめきだす。

 

挿絵:立岩新策氏 著 「太平洋ひとり旅より」

 

立岩支隊長、意を決し

上陸前進!!!!

大声で号令を発した。

 

同時に敵の陣地より照明弾が三か所より打ち上げられる。

その照明真昼の如し

照明弾に照らし出される支隊から一斉に喚声が上がり舟艇を珊瑚礁に乗り上げ全員が海に飛び込む。

水深70糎、敵陣からは照明弾の他、一発の射撃も無い。

 

支隊は舟艇を残し上陸を開始、敵は日本軍が現れるなど微塵も考えて居なかったらしい。

敵陣にはすき焼鍋ありレコードプレイヤーあり日本の雑誌やヌード写真等が散乱していた。

兵器弾薬はそのまま放置されており、かなり慌てて退散したものと判断できた。

直ちに敵陣を利用し警備を厳重にして一部の兵員に舟艇の回収とドラム缶の揚陸作業を命じ回収したドラム缶は密林の中に隠匿。

 

1月29日 04:00 ※現地時間 06:00

夜も白々と明け始めた。

上陸成功

通信隊は大本営及び第八方面軍司令部に上陸状況報告を打電。

 

05:00

大本営と第八方面軍より次々と下記内容のーを受電した

無血上陸敢行を祝す 爾後の奮闘を祈る

立岩支隊長は各隊に新たな任務を割り振り警戒戦闘態勢へと移行していった。

 

※図上演習だけではなかなか巧くいかないものだと実感いたしました。

ドラム缶の件などは実際に訓練していれば発生しなかった事故だと思えてしまいます。

またバイシー島の敵兵とはコーストウォッチャー(沿岸監視員)だったと想像します。

有名な沿岸監視員マーティン・クレメンスとネイティブ隊員

豪州の友人のホームページにはマーティン・クレメンス氏との晩年の交流などが紹介されております。

ササッとググッてみたところ

http://www.solomonencyclopaedia.net/biogs/E000068b.htm

↑英語頁にドナルド・ケネディなるニュージーランドの警察官がラッセル諸島で暗躍を行き来していたようであります。

此の地に米軍部隊が展開していたらと想像すると・・・立岩支隊の損害は計り知れなかったと考えてしまいます。

 

つづく

 


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