ガダルカナル戦書籍一覧
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 御戦没者名簿(鋭意整理入力中)
2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
2014年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
2015年 ガダルカナル島御慰霊行 目次
現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次
松本准尉 2月6日~7日 より続いております。
矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)
第三中隊付 松本 寅治 准尉
2月7日 午前
松本准尉が一昨日通過して来たセギロウ方面と東南マルボボ方向で朝より砲撃の炸裂音が繰り返されているが歩兵の追撃する気配は感じられない。
※セギロウには歩兵第124聯隊・宮野政治中尉率いる各隊の独歩不能、戦傷・戦病患者約100名が布陣(取り残されている)
午後下士官・兵は帯剣以外埋没処置命令。
此処で本夜21:00駆逐艦による最後の撤退が敢行される事を知らされる。
日没後、船舶工兵将校の指示に従って乗船区分、乗艇位置へ移動待機。
19:30 誘導に従って大型発動艇に乗艇、立錐の余地も無い。
沖合まで出て待機するか此処で敵に察知されたらと大事である。
話し声は勿論、咳一つ無い。
待てど暮らせど駆逐艦の姿は見えず本夜は駄目かと武器一つない陸兵は不安に駆られ兵たちは恐怖の眼である。
大型発動艇
残念ながら撮影位置はペリリュー島
突如、泊地西側海岸で猛烈な射撃音、海上から陸へ向けての炸裂音と閃光は凄惨を極めた。
やがて射撃音は止み東進する魚雷艇の機関音、其の音は暗闇に消えて行き胸を撫でおろす。
ソロモン諸島の魚雷艇 PTボート59
若き日のJFケネディが艇長
沖合より青白い光を点滅させながら駆逐艦が入泊する。
各艇一斉に発動機を始動、駆逐艦へ向け発進、間もなく黒く大きな艦へ接弦する。
水兵が「おーい こっちだぞー」
艇が横付けされ舷側に降ろされた縄梯子を伝い兵達を乗艦させるが縄梯子を登れない体力の無い兵も居る。
水兵は腹ばいとなって手を差し伸べ陸兵を引き抜くように援けてくれる。
松本准尉は兵が全て乗艦し艇に船舶工兵のみの姿を確認し縄梯子に手をかけた。
一挙に登ろうと庭梯子に手を掛けたが身体の重さに驚く。
予想以上体力が衰えている。
渾身の力を振り絞って漸く自力で甲板へ這い上がり部屋へ案内されたところで懐中時計は二十一時三十分を指していた。
乗艦したのは駆逐艦皐月、撤退部隊を収容し全速でガ島沿岸を離れる。
悲憤に眠る二万余の英霊よ さらば !!
駆逐艦皐月 wikiより
西進する駆逐艦皐月の艦上では水兵が赤子の頭もあろうかという握り飯に紅生姜を一切れ添えて一個づつ配ってくれた。
松本准尉はこの握り飯の旨かった事を終生忘れられぬと噛みしめながら
ああ 助かったな
という実感が湧いてきた。
つづく?のか
過去の記事
第二師団歩兵第十六連隊 第三機関銃中隊長 亀岡日誌
第三八師団 歩兵二二八連隊 第三大隊長 西山日誌
第三八師団 歩兵二二八連隊 第三大隊 第十中隊長 若林日誌
堺台第一拠点の記録
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勇一三〇二
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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉 長谷川榮作さまのホームページ
冥府の戦友(とも)と語る
お立ち寄り戴けましたら幸いです。
新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト
石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。