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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

松田部隊派遣第17軍参謀→ 山本築郎少佐 2月5日 より続いております。

 

松田部隊派遣 ※松田部隊配属ではなく派遣でしたm(_ _)m

第17軍参謀 山本 筑郎 少佐

2月6日早朝

マルボボ付近の熾烈な砲声で覚醒する山本参謀。

05:00アルリゴの大根田部隊(歩230)カミンボ集結・7日の交通統制実施の命を下達と共に敵を欺瞞する処置を講じた。※欺瞞処置の具体策は記載なし

07:30カミンボ泊地が使用不可に備えセギロの北尾部隊(歩28松田部隊北尾大隊)約100名を山月丸付近まで即時反転占領を下達  エスペランス乗船地確保の対策。

此の日最優先されるのは大小発動艇を魚雷艇や飛行機からの銃撃を避けるため偽装隠蔽作業であった。

 

山月丸擱座地点付近 2015年撮影

 

ラバウルへ航空隊の空爆要請を行った後、松田大佐と協議の上

マルボボ付近の敵情は大なる変化なく戦場極めて平穏なり。

部隊は予定の如くカミンボ集結し準備を完了しつつあり。

海軍部隊指揮官へ安心して救援作戦に当たってもらうよう打電している。

マルボボのビーチ2012年撮影

 

山本参謀がラバウルに於いて陸海軍幕僚の心理を察知していたので、後方ラバウル指揮幕僚への平穏を装った打電は救援作戦実施を背中から押す効果あった。

2月6日の予想布陣図

※残念ながら此処まででボネギ左岸陣地の矢野大隊残置部隊の記述が読み取れません。

 

13:00

4日に撤退した第17軍参謀長宮崎周一少将より後衛部隊長宛の電報。

内容概略

海軍は全般に消極的で、戦況によっては短時間で引き揚げる事を想定し、事前に大小発動艇に乗艇し駆逐艦泊地の沖合に待機する必要あり、ラッセル諸島の立岩支隊も7日夜撤収するので、駆逐艦に乗艦出来なかった者はニュージョージア方面へ筏輸送で撤収する事、成功を祈る。

電文の起案は小沼参謀と思われ、ショートランドに於いて海軍と第三次撤収の交渉結果を踏まえての電文であった。

 

山本参謀は電報を受けて、沖合待機の限度加減、ニュージョージアまでの舟艇機動、筏輸送を明一日で準備の可能性を考え、明7日の撤収を懸念している。

※筏輸送という単語を初めて目にしました。

もとより第三次撤収作戦の実施自体が実行される可能性が低かったことを思うと2隻ながらも駆逐艦が派遣決定していた事は懸念の払拭まで行かないが安心感を持つことが出来た。

 

夕刻

アルリゴ・マルボボ方面派遣の青木部隊や石堂部隊に後退日時を明確に指示。

愈々第三次撤収を翌日に控え山本参謀は以下のように振り返っている。

電報、命令の起案・伝達を全て一任して存分に働かせてくれた松田大佐への感謝。

ガ島上陸より苦戦の連続、幾度も死線を越え心身既に限界を超えているにも関わらず、常に側で困難に退却計画、指導を援助してくれた一木支隊召集将校山本一中尉の沈着・積極的業務遂行は今次撤収の大きな力であり、最悪の事態を迎えた場合は山本中尉に介錯をと心に定めていた。

 

以下 山本一中尉著 「鎮魂ガダルカナル島」より原文引用

振り返ると私達殿軍の撤退成功の見通しは五分五分、あるいは七分三分だったのかも知れません。

この殿軍の戦闘指導を自ら望んで第17軍幕僚陣を代表してはるばるラバウルから2月1日ガダルカナルに乗り込んでこられたのが山本少佐でした。

※山本参謀のガ島上陸は1月11日、2月1日は松田部隊に派遣到着された日

この方は昭和17年9月14日私たち(川口支隊)の夜襲失敗をもって「ガ島消耗作戦」は打ち切りにすべきことをラバウル参謀会議において勇気をもって主張したが容れられず、後方参謀としてそれまではラバウルに居られたわけです。

※山本中尉は一木支隊第二梯団・熊大隊として川口支隊配属 山本参謀はショートランドで後方参謀の任務遂行

無視された自分の主張を身をもって実践しようと生命をかけて乗り込んで来られた参謀に、改めて尊敬の念を新たにしています。

私は、この参謀の副官のような立場で雑用に任じたのですが、第17軍が私たちに参謀を配されたことに、私はひそか感触は一脈の明るい希望に変わりました。

私はこの参謀の為、ひたすら尽くそうと決心しました。

第二次撤収を全からしめたうえで、一兵も余さず第三次撤収行うために、山本参謀が次々と下達する命令は、胸のすくような見事な切れ味を見せました。

 

山本参謀と山本中尉が互いに大きな信頼で繋がっていたことがお二方の記録から読み取れます。

攻勢をかけるイケイケの場面での大本営派遣参謀は目を覆う仕事ぶりでしたが、軍撤退の地味な仕事での大本営派遣参謀山本少佐の活躍は目を見張るものがあります。

 

 

つづく

 


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