ガダルカナル戦書籍一覧   
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前記事、佐野 徳太郎 少尉の記録 1月29日~2月4日 で山砲隊の位置はドブ川陣地とあります。

以下、前記事より転載

さてドブ川とは何処とグーグルアースを見てみるが・・・この辺りか

そもそも毎年のようにサイクロンが暴れ護岸工事などしていないガ島の川は行く度微妙に流れが変わっている。

上掲図のように以前ボネギの流れだった所に土砂が堆積し大きな水たまりとなったのでドブ川なのではと考えてみるもドブ川の位置特定は難しい。

以上、転載終わり。

↓ドブ川の位置は判明しました。

↑山浦丸近くの無名川はセギロウ川と判明。

従って、佐野徳太郎少尉の記録で登場するドブ川陣地はボネギ左岸陣地であることが判明致しました。

以上、現在地を確認したところで佐野少尉の記録に戻ります。

 

矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)配属

山砲兵第三八連隊 第八中隊

第二小隊長 佐野 徳太郎 少尉 

2月1日以降敵の攻撃は緩慢となりボネギ左岸陣地の正面は平穏だった。

現在地死守を命ぜられている大隊に2月4日深夜突如マルボボ方面へ転進を命ぜられ海岸方面第一線であるボネギ左岸陣地は山砲兵第三十八連隊第八中隊約60名、山砲一門と歩兵一個小隊(実際の戦力は一個分隊)の兵力となる。

※この記録で残置部隊約70名は土肥山砲中隊であったことが確定しました。やつれ果てた歩兵小隊小隊長が誰であったか引き続き追いかけてみたいと思います。

2月5日朝、山砲兵中隊長の許に連絡に来た歩兵小隊長は酷くやつれ果てていた。

尾崎衛生兵長がマラリアの特効薬(3中隊松本准尉も注射したバクノンか?)を注射した後、歩兵小隊は放列左前の密林内に布陣。

という事は↓のような布陣位置。

なんとも心細い海岸第一線部隊であります。

歩兵小隊(一個分隊)だけでは心もとないと考えた土肥中隊長は後方弾列より比較的健康な兵を第一線に強化、陣地固守を図る。

5日正午過ぎ 「米軍の斥候一名がジープで陣前に現れたがすぐ引き返した」の証言は羽生少尉。

5日日没前、土肥中隊長より命令下達

後方に逆上陸した敵を攻撃すべく日没を待って現陣地を徹し出撃する。

火砲は携行しない、現地に埋没せよ。

小隊長たちは火砲の携行を執拗に意見具申したが軍命令の一言で容れられる事は無かった。

南支・香港・ジャワと運命を共にした歴戦の火砲との決別に分隊長はじめ一同納得の行かないまま黙々と穴を掘り埋没、軽機と小銃だけの山砲中隊となった。

土肥中隊長

独歩出来ない者は現在地に残るよう、残置者が居る場合は手榴弾を一発持たせるよう指示。

佐野少尉は土肥中隊長の厳然とした態度を非情に思ったが、後に中隊長は断腸の想いだったに違いないと考えている。

後方弾列を収容した中隊は海岸道をエスペランスへ

6日明け方小休止の際、中隊長は小隊長を招致。

2月1日には第三十八師団が、2月4日には第二師団が既に撤退している。

我が中隊もカミンボから撤退する。

小隊長たちは想像もしていなかった撤退に今暫く分隊長以下には伝えない事とした。

小休止した位置はセギロあたりか・・・

中隊長の命により佐野少尉と今泉軍曹の二名は連絡の為、エスペランスへと先行した。

土肥山砲中隊が殿部隊で以西に組織だった日本軍は存在しない。

先を急ぐ二人に助けを求める兵や船員の声、擱座上陸して取り残されてしまった船員の「兵隊さん 兵隊さん」と叫ぶ哀れな声が佐野少尉の耳に焼き付いている。

 

擱座炎上する吾妻山丸、後方煙に隠れているのは第二師団を輸送した九州丸

手前笹子丸は既に水没している

 

佐野少尉の耳に焼き付いた声は、松本准尉の記憶に残る両足を失った船員さんだったのかも知れない。

そして両足を失った船員さんは九州丸・吾妻山丸・笹子丸位置より山浦丸位置へ向け這って行ったと考えると・・・

このような情景が普通に繰広げられていたのがガダルカナルだと知っては居ながら・・・胸が痛みます。

 

つづく

 

山砲中隊の過去記事

山砲兵第三八連隊 第八中隊のガ島戦

第八中隊 御戦没者名簿

 


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