GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -15ページ目


先日「日本のGDPが中国のそれに抜かれて世界第3位になった」とのニュースがありました。
皆様はそれを「ショックだ」と思われたのか、「時代の流れだし、仕方ない」と思われたのか、
どちらでしょうか(下表ご参照ください)。


名目GDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳


表を見ますと、日本のGDPは1995年以降、上がり下がりが途中ありますが、大きくは
上向かない水準に留まっています。そして今後は、人口の減少、国内不景気による
可処分所得の減少、デフレ、というトリプルパンチをさらに受けていくことになります。

これからは経済のパイが年々大きくなるということは、もう起こらないのではないかと
思っております。その上で、「どうモノを売っていくのか」を考えるべきなのでしょう。
そこで思いますのは、私のようなコンサルタントも考え方を改めなくてはならない、
ということです。
(もちろん中国のようなまだまだ成長中の市場においては、従前通りの考え方でも
当面大丈夫そうに見えますが)

どう改めるのか、と言いますと、
「単に『良いもの』だから売れる、競合しないから売れる、画期的な商品だから売れる、
などという自分本位の目線でマーケティングを考えるのを改める」
ということになります。

なぜなら、先行きの不安によって多くの人々は財布の紐をなかなか緩めないどころか
より締めることになる、と思われるからです。
今までは、「従来からあるA商品」と「新発売のB商品」は共存できたかもしれませんが、
これからは使える金額(可処分所得)に限界が見えてくるから、もし新しい何かを創り
出したら、今ある何かを処分しないと、その新しいものの居場所がない、ということに
なる可能性が高い、と考えられるわけです。
(下手すると人間そのものですら、そうなるのかもしれません。恐ろしい話ですが)

例えば、100人が住む村にパン屋が一軒あるとします。
そしてパンの消費量は年々変化しないが、もう一軒パン屋が同じ村の中に新しくできた。
となると、新しくもう一軒できたことで、需要が喚起される可能性もあるけれど、基本的に
消費量が同じであるということなので、当然既存のパン屋の売上は、ある一定量まで
落ち込む、ということになります。その上、人口が減少すれば、当然パンの消費量は
自然に減るということでもあります。

つまりは、「オフセット(offset)」ということです。
片方が増えれば、片方は必ずそれと反比例して減る、ということ。
ですから、新たに作る製品は「今ある製品(商品)を確実に駆逐する強力な何か」を持って
いないと苦戦する、と言うことができるかもしれません。

私達が生きる現代の日本はこういう大きな変換点の真っ只中にあるわけです。
元々日本では「節約すること」「無駄遣いしないこと」が美徳とされ、私達もそれが得意だと
思っているはずです。しかし、今後は好むと好まざるとに関わらずそれを行っていかないと
生き残りが難しい。そういう消費性向の変化の中で、「いかにモノをつくり、モノを売るのか」を
探っていく必要があると思います。

このコラムを書く私としても、できることなら、景気の良い話を書きたいです。しかし、現実は
そう作用する可能性をなかなか見い出せません。コンサルタントである以上、より確実性の
高いところをお示しする必要がありますから、どうしても厳し目の提案や指摘を致します。

その提案や指摘の目指すところは、「環境の変化に強い自立性」です。
政府が何をしようが、隣国がどう動こうが、多少のことではビクつかない強さを企業(事業所)
自体が持てば良い。そういうふうにクライアントを導きたいと思って活動をしております。
是非、一緒に行動して行きましょう。





大変寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。


本年も既に1ヵ月経ちました。皆様にとって幸先良いスタートとなっていますことをお祈りいたします。




さて、この冬は異常なまでに雪の多い冬となっています。

交通網が麻痺したりして、皆様の会社・お店の運営に少なからず影響が出ているところもあろうかと思います。また皆様ご自身、そして従業員の方々の健康管理も大変でしょう。


とりわけ、お客様と直に接する業種の場合は、健康管理は大変重要となります。


熱があったり咳をしている店員の方を、店に立たせるわけにはいきません。

かといって、ギリギリの人数でシフトを回している場合は、ひとりひとりが多忙になり過ぎてサービスのレベルが低下しかねません。


となると、どうすべきか、大変悩まれることでしょう。

「健康管理は個人の責任」と言っても差し支えはないかもしれません。常に良い体調で仕事に臨む、というのはプロとして当然の姿、という考え方もできますので。


しかしながら、当の本人任せにし過ぎて休んでばかりいられて困るのは、会社側であり、お店側であるわけです。


ですが、だからと言って社長様もしくは店長様がその管理を一手に引き受けるというわけにも当然いきません。他にも考えなくてはならないことが山ほどあるからです。



では、どうやって会社側・お店側で健康管理をやっていくか、ということになりますが、ここでは、全員で確認し合う方法を取り入れてみられてはいかがでしょうか。
(もちろん、その前段階、つまり計画段階では、経営陣による方針確認が必要ですが)




次のような手順が考えられます(これは実際に私が以前所属した会社で行われていた方法です)。




1.健康管理の運用ルールを決める


2.経営陣含め、従業員全員を2人~3人のグループにわける(部署や係ごとで分けたほうが、お互いに存在が近いので良い)


3.その2人ないし3人がお互いにチェックをし合う


4.上席者もしくは管理責任者に報告する


一見、何の変哲もない、それどころか稚拙なルール決めにすら見えるかもしれません。しかし、たったこれだけのことができないケースが多いのです。それくらい、健康管理というのは、愚直にやらないといけないことがらです。


単に「手を洗う」「うがいする」「咳をして、手で押さえたら、その後すぐに手を洗う」などというとても簡単なものなのですが、それすらいい加減にしている方が非常に多い。


そしてその簡単なことが徹底できないが故に、自分が風邪を引く、ひどい時にはインフルエンザに罹る、などということになるわけです。そして、もし自分が罹れば、周囲の人々にうつす可能性も高まります。




ですので、この「ルールを守る」という「当たり前のことは、当たり前に」という、ビジネスの基本を徹底する、という意味でも大切ですし、「自分が徹底することで、仲間を大切にする」というチームワークの点においても大切です。




確かに些細なことではあります。ですが、こういった小さな積み重ねが、大きな仕事につながっていきます。その手始めとして、「健康管理をみんなでしっかり」やってみてはいかがでしょうか。



私は、管理業務畑の人間でしたので、運用ルールづくりは得意とするところです。

こういった件についてもご相談いただきたく思っております。










いよいよ大晦日となりました。


今年も政治的・社会的には、大変混迷を極めた一年だったと思います。

経済的にはまだまだ冷え込みの強い状況ではなかったでしょうか?

来年こそ、と思ってらっしゃる経営者の方々もいらっしゃることでしょう。

今年を振り返るに当たり、皆様は何を根拠に振り返りをされますでしょうか?


・・・たぶん、数字ではないでしょうか。



私は仕事柄様々な経営者の方とお話しをさせていただくのですが(当たり前ですけれど)、その中でなかなか理解しづらいことに接することがしばしばあります。その一つが、



「経理事務作業のアウトソーシング」



です。つまり年次決算のみならず、日々の記帳や月次決算までも、お金を払って誰かにやってもらおう、ということです。そして、本人(経営者やその従業員)は、ただひたすらモノをつくるとか、モノを売ることに専念する、というものです。



そうやって誰かにやってもらうことそのものは、問題視しません。では、何が問題かと申しますと、


「そうやって人に預けた経理事務作業によって出てきた数値を全く見ていないこと」


であります。

ただ単に税理士など専門家に請求書・領収書の束を預けて、彼らがそれを記帳して、それで終わり。彼らからの数値のフィードバックや意見ももらっていない。

(巷には、フィードバックや意見のできない専門家も結構いるようですが。これはもっと問題です。しかし、今日はその話が目的ではないので、機会を改めます)



そのような案件をここ数箇月で何度も見ました。



経営者の皆様は、どうして記帳などの経理事務をしなくてはならないか、お分かりでしょうか。


それは、単に税務申告のためではありません。


日々「どんなことに」「いくら」「誰に(誰から)」支払い、受け取っているか、という行動の記録でもあるから、それを目に見える形で残すためでもあるのです。

そして記録が残っていれば、それを評価分析して、


「自分達の企業活動(事業活動)は良かったのか、悪かったのか」

「良かったなら、何が良かったのか。悪かったなら、どこが悪かったのか」


を考え、次につなげることができます。

次につなげるための大事な記録を取る作業を放棄して、来年頑張ろうも何もありません。それだと「何を頑張ったらいいのか」すらわからないのではないでしょうか?



確かに、帳簿付けなんかは骨の折れる作業です。時間も食います。

「そんなことに時間は割けない」とおっしゃる方も多いです。



しかし、私は敢えて、

「そんなこともやらないで、経営を良くしたいなんて言わないでいただきたい」

と申し上げたいです。



会社の経営は、数字にかかることだけではありません。しかし、各種の数値を把握していなくては戦略もブランディングも、生産ラインの効率化も、技術開発もできません。


だって、何もモノサシの無い状況下でそれらを行えますか?

無理でしょう?

「じゃあ、大企業で経理や総務業務をアウトソーシングしているところがあるけれど、あれはどうだ?」


とおっしゃるかもしれませんが、大抵そういうところは、


「アウトソーシングから帰ってきた数値をしっかりと見て、評価分析して業務に反映させる」


ことを専門に仕事をしている方が、役職者として存在します。

COOやCFOといった人たちです)


だから、単純効率化のために経理や総務業務を安く速く仕上げてくれる人に任せようとアウトソーシングを図るのです。



ですが、中小の事業者様で、そこまで業務を細分化してやれているところはあまりないでしょう。となると、苦しくとも自分達で経理・総務業務をやるほうが、直接的に経営改善の役に立つ、はずなのです。自身の肌で、数値を捉えるられるのですから。



まして、今はいちいち紙に書く経理ではなく、パソコンで簡単に経理作業ができる「会計ソフト」なるものがあります。これを使えば良いのです。何ら難しい話ではありません。


これを使って経理作業を行えば、月々何万円も税理士にお金を払わなくても、ある程度まではしっかりとした経理書類ができますし(決算に不安がある場合は、税務署で相談に乗ってもらうことができますから、ほぼ問題ないです)、最近の会計ソフトは簿記の知識があまりなくても

十分に経営のために使える財務諸表や参考書類を作り出せるように、様々な工夫がなされています。使い勝手も大変良いです。



ということは、自分達でそういったものを使って経理をやれば、経営の数値を自分達で日々チェックでき(=人に預けたものを待っている必要がなくなる)、かつ経費節約(=人に預けることで発生する費用が不要になる)できるのです。これぞ「一石二鳥」と言えます。



そういう便利なものがあるのですから、日々の業務の結果である「数字」を自分の掌中にて管理して、業績向上に結び付けていただきたいと思います。


人任せにしていては、いけません。

ただ、それでも「どうしても手が足りない。記帳作業だけはお願いしたい。そこから出てきた数字は自分達で見て改善していくから」ということであれば、「記帳代行業者」をお使いになることをお奨めします。代行してくれるだけですから、安価でしかも速く仕上げてくれるところが多いです。



そうやって、回りにあるものを効率的に上手に使って経費削減しながら、経営改善し、来年こそは良い年にしていきたいものです。


そういうアウトソーシングの仕方についても、経営相談の一環として私もアドバイスできますのでお気軽にご相談ください。




それでは、皆様良いお年をお迎え下さい。





※私自身もコンサルティング業務の一端として「経理代行」も行っております。しかし、私の「経理代行」は単に「代行」にとどまりません。きちんと経営のアドバイスもセットになっています。

是非、ご利用下さい!