GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -16ページ目


経営の本などを読みますと、よく「人・モノ・カネ」を<経営の三要素>といい、企業経営においてはその三者をバランスよく充実させることが大切だとされています。




人、つまり優秀な人材


モノ、つまり市場競争力のある商品もしくは生産能力のある設備


カネ、つまり十分な資金




というわけです。それ自体はごもっとも、何の疑いようもありません。

しかし、これらが過不足なく充実している中小企業様や事業者様がどれくらいあるでしょうか。何がしかが不足もしくは欠落しているところを、いろいろと工夫して日々乗り切ってらっしゃるものと思います。


さらに、大企業と中小企業・事業者では明らかな差が存在します。それは、各構成員(役員+従業員)の職務担当領域の「広さ」と「曖昧さ」です。

明らかに中小企業のそれが「広く」て「曖昧で」あるでしょう。




それがどういう影響を与えるのでしょうか。一つずつ考えてみましょう。




・職務担当領域が広いと、

一つのことに集中し辛くなり、業務遂行時に余計に時間を費やさなくてはいけなくなるなど、推進力を欠くということがまず考えられます。

また、様々な業務を少しずつかじることになるため、専門性を育むことが難しくなります。


・次に、その領域が曖昧であると、

境目にある業務を行うに当たって、毎度境を接する担当者同士がどこまでを各自のものと見なすか確認を行う必要があります。それは時間が掛かるし、仮に両者の関係が良くない場合などは、押し付け合いになる可能性も孕みます。加えて、片方が著しくヤル気のない従業員だった場合、もう片方にばかり業務が集中してしまう恐れもあります。




こういったことから、中小企業では単に「人・モノ・カネ」の量が少ないばかりでなく、その量が少ないことを原因とする質の低下も招きかねない状況下で、日々の業務に取り組まなくてはならないのです。


「量は質を凌駕する」ような状態に自らを置くことは中小企業では難しい、というわけです。





では、それをどう克服するのか、ということになるわけですが、この答えとして私は、次のような提案をしたいと思います。




それは、「当初は60点主義で業務を行う」というものです。




どういうことかといいますと、例えば、販促用のチラシを作るとしましょう。


大企業では、広報宣伝の「担当者」が、専門のデザイン会社や印刷会社と協議の上で作成するというようになることでしょう。


それを、中小企業では少ない人数でそれを自前で作るわけです。大抵の場合は、どなたかがメイン業務の合間などに作ることになるはずです。しかもデザインなどに特別詳しいわけでもない誰かが。


当然十分な時間・お金を掛けて作れるものではありません。出来映えが多少見劣りしたとしてもまずは予定通りに販促チラシを作り上げてしまって、そのチラシで販促を行っていく、ということです。




そうなると当然、専門業者がこぎれいに作るようなチラシにはならない。

しかし同じ質のものを人手・知識不足の状態で作ろうとすると膨大な時間と費用が掛かるわけです。時機を逸すると、販促活動そのものにも悪影響です。

ならば、当面必要とされる最低限のクオリティのチラシで取りあえずはスケジュール通りに走り出し、そのあとで、少しずつ量的・質的改善を目指して、理想のものに近づけていく、ということなら、何とかやっていけるのではないでしょうか。




このように、同じ結果を得るのでも、大企業と中小企業ではやり方すら違うのです。

ですから単純に著名な大企業で成果の上がったやり方を手順通りにマネしても上手く出来る可能性は低い、と考えるのが論理的であります。



そういった前提で、それぞれの業務の実施方法・スケジュール・到達目標などを組み立てる必要があります。経営者の皆様はこの点における差配を、とてもデリケートに行わなければなりません。

この「差配」すら、中小企業の経営者の皆様にとっては重荷になる可能性が高いと思われます。理由は、経営者様も第一線で営業・製造をなさっていることが多いから。



そういった時に、私のようなコンサルタントの存在を思い出していただきたいです。外部からの視点で、「人・モノ・カネ」をどう手当てするか、という点に配慮しつつ現状に即した中小企業の皆様向けの実行案を描くことができます。


それは、私自身が中小企業の中で、管理業務従事者として「人・モノ・カネ」の差配を行った経験、および様々な企業様のお手伝いをする中から得たエッセンスがあるから可能になるのです。


是非お手伝いさせていただきたいと思っております。





まだ新規創業したばかりの方や、新事業を立ち上げたばかりの方々から、

「見込み客となりそうな企業をご紹介ください」

「お知り合いに大手小売店のバイヤー様はいらっしゃいませんか?」


といったようなことをよく尋ねられます。



商売というものは人と人のつながりによるところがほとんどだ、とお考えの方はこう尋ねられても然程不思議には思われないでしょう。

もちろん合致する企業やバイヤー(とそれに類似するキーマン)がいる場合は紹介しないワケではありません。

しかし、見込み客や購買を生業としているバイヤーを紹介してもらったからと言って、それだけで売れると思ったり、それこそがコンサルタントや公的経営支援の専門家の役割だとお思いであれば、即刻その考えは改めていただきたいと私は思っています。

確かに、目先の一取引を欲するだけならば、それも結構かもしれません。ですが、その紹介された企業やバイヤーとの関係が、消え失せてしまった時は、どうなるのでしょうか?

自力で、それを開拓できますか?

そのやり方はわかっているのでしょうか?




また、そのようにいきなり取引先企業や大手小売店のバイヤーを紹介しても、先方がその商品を気に入るかどうかわからないし、仮にその商品に興味を持ったとして、


では、その先方の望み通りに、商品(製品)を作って納入できるのでしょうか。

そして、それは皆さまの会社・事業所の経営の方向性と合致しているのでしょうか。

そういう一つ一つの要素を綿密に、仔細にわたって検討し、計画し、行動に移して、初めて、商品(製品)を売る、ということになります。
その中間の作業をすっ飛ばして、いきなり「売ろう」として売れるのでしょうか。
それは「経営」ではありません。単に「売買」です。

経営とは、自分の力で合理的・論理的に進めて、ゆくゆくどうするのかということまで考えた上で、ようやく成立します。「『売るモノ』を作ったら終わり」ではないのです。

いつ何個作るのか、

どうやって店頭に並べるのか、

いくらで売るのか、

誰が売るのか、

買ってくださる最終消費者から問い合わせが来たら誰が対応するのか、


などなど


そういった社内(事業所内)の体制まで考えて、モノをつくり、モノを売るのです。




よって、それぞれの場面で「最適な答え」は自分たちで考えるより他ありません。

私のようなコンサルタントは、もちろん答えを差し上げることも出来はします。しかし、それでは、あなたの会社(お店・事業所)はいつまで経ってもコンサルタントに依存したままですか?それじゃ、自分の城(=会社・お店・事業所)を持った意味がないでしょう?

ですから、当初はコンサルタントに助言・支援を依頼するにせよ、その先は皆さまご自身でその助言・支援を消化吸収し、今度は、その助言・支援なしでも自社内で同じことができるようにならなければ、企業として成長したとは言えないでしょう。

それだと「親に依存し続ける子供」と一緒です。





私も、最初は私の助言や支援が必要でもゆくゆくはそれがなくてもやっていっていただけるようにお手伝いをしたいと思いますし、実際そのようにしています。


そういうことを踏まえた上で、上手にコンサルタントをご利用いただけますことを切に望んでおります。








ずい分唐突なタイトルですが、

(不躾な、とも言えます。申し訳ございません・・・)


それを見て、皆様の会社(事業所・お店)の「お客さま」がどんな方々なのかパッと思い出せますでしょうか。




つまり、皆様の会社の製品(商品またはサービス)を買ってくれるお客さまは、




法人(組織)なのか、個人なのか


女性なのか、男性なのか


お年を召した方なのか、お若い方なのか


お金をたくさんお持ちの方なのか、一般の方なのか


その製品を必ず選んで下さる方なのか、他の製品にしばしば浮気される方なのか


お近くにお住まいの方なのか、遠方にお住まいの方なのか


一度にたくさんお買いになるのか、少量ずつお買いになるのか


買われた方ご自身で使われるのか、他の方に渡されるのか


その製品を何のためにお買いになるのか


どこでその製品をお使いになるのか


どのくらいの頻度でお買いになるのか


いつお買いになるのか





などなど、どんな「お客さま」かを訊ねるための質問は、まだまだたくさんあるのですが・・・




つまりは「お客さまはどういった方なのか」ということが明確になっていますか、ということを考えていただきたくて、題目のような質問と相成りました。



なぜ、そんな質問になったのか、と申し上げますと、




・製品(商品)が変われば、ターゲットとなるお客さまも変わる


・ターゲットとなるお客さまを変えるなら、製品(商品)仕様も変える必要がある


・お客さまが変われば、買っていただくための口説き文句も、方法も変わる




はずだからです。


しかしながら、これを煮詰めて考えていないと思われる商品が巷にあふれています。例えば、




「贈答用」となっているにもかかわらず、

ずい分貧相な外観(パッケージ)で、


かつ中途半端な価格設定の商品を、通販で売っている

がなどということがよくあります。


そういうものを見ると、「売れなくて当然だろうなあ」と思ったりもしますし、「ここをいじれば(変えれば)それだけで、ずい分違った顧客を開拓できるはずなのだけれど」と思いもします。



もちろん、今までのターゲット設定が適切でないと判断してターゲットだけを変える、ということはあり得ますし、また、ターゲットとなる顧客の要望をより汲み取るために製品仕様だけを変える、ということもあり得ますから、一概にそうだとは言えませんが、


基本は「お客さん」と「製品(商品・サービス)」は表裏一体のものです。またそれらが固まれば、売り方も当然幾つかのやり方に絞られてくると思われます。





もし、「自信を持って出せる商品を作ったのだけれどどうも売れない」というようなことがあるのでしたら、もう一度、お客さまの姿を見直してみられてはいかがでしょうか。お客さまにアンケートというような形で、感想を直接に訊いてみられても良いかも知れません。


そういったことを考え、少し何かを変えるだけで化ける製品(商品・サービス)も案外あるはずです。



私も、理屈をこね回すだけでなく、アンケートの項目作り・実際のアンケート取りからお手伝いさせていただけますので、是非ご相談いただきたく思っております。